表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未定  作者: 大倉
第三幕
107/108

星空

――――

渚は転移で空間を抜け、更に上空へと昇っていく。

――――


「「星灯」」


――――

消えてしまった装束を再び展開する。

――――


…さてさて、前哨戦も終わった事だし…本番に向けて少し休もうか。


――――

空が暗い青を超えた頃、渚は大気圏を抜けていた。

――――


……世界を繋げたからかな、私の記憶より星の量が多い気がする。



にしても疲れた。何だかんだ長生き…いやそうでもない……そうでもないか。ややこしいなもう…


「私」が私である前も含めると…ざっと1200年か?まあ法則よりは年下か。



唯は心配いらないし、楓君は……まあ、周りの人が助けてくれるだろ。悠華君とも仲いいみたいだし。



皆から私の記憶でも消しておこうかな?私なんかを覚えていてもしょうがないし。


――――

そんな事を考えていると、空間が緩み始める。

――――


……時間切れか。ま、悔いの残らないように頑張ろうかな。


――――

緩んだ事で発生した隙間から、木の根が渚に向けて伸びてくる。

――――


――驚いた、


「夜」


――――

第一陣の根が切断されるが、さらに大量の根が伸びてくる。

――――


「ステラ」


――――

地上から離れつつ、精製した剣から衝撃波を飛ばしていく。

――――


これ、ただの木の根(・・・・・・)か。魔力を一切保有してない…


――――

斬撃や弾丸で根を片っ端から破壊していく。

――――


…なら、どうやって外から来た?


――――

触れないよう、根を破壊し続ける。

――――





………?


――――

気づくと、渚の腕を根が貫いていた。

――――


いつの間――


――――

が、即座に抜ける。

――――


…何をした、何をされた?


――――

困惑しながらも、渚は根を切断し続ける。

――――


何を持っていかれた(・・・・・・・・・)




違和感はある、だがそれはなんだ?致命的な物じゃないからと言って放置する訳には……


――――

再び根が渚を貫き、即座に抜ける。

――――


……まさか、


――――

一度目に、渚は「全能」を始めとする神権の殆どを取られた。


二度目に渚は、天使の力を抜かれた。

――――


環が消えた、というか環が無い状態をデフォルトにされた…のか?


――――

自身の指を噛み、血の色を確認する。

――――




赤色………


――――

再び根が刺さる。

――――


……これ違うな。私の想定と違う。


「おい!」


――――

木の根の動きが止まる。

――――


…やっぱり、


「持っていくのは構わん、だが説明はしてくれ。納得がいかない。」


――――

根は緩やかに動き、渚に何かを伝えようとしている。

――――


……労い、感謝…あと謝罪?


「…目的は?」


………回収、無害、白旗……これは敵意無しの意か?………同意……


「……お前…ら?は何だ。」


…観測、回収、謝罪……



どうも意思を汲み取りきれない……私の所為か?


「目的は何だ、命か?」


否定…


「なら神権か?」


肯定……



……訳が分からん、こいつは何なんだ。



「神権を取ったら、お前はどうするんだ?」


……記録、帰属、同期、■■………読み取れない……


「……私がこの状態になるまでの事をお前が知ってるなら、それについてはどう思ってる?」


謝罪、謝罪、謝罪、謝罪、謝罪――「わかった、分かったよ。」


「……じゃ、私の中にある諸々を持っていったら、二度と来ないんだな?」


肯定、


「じゃ持ってけ。…わざわざこんな面倒な手順を挟む必要はあったのか?」


肯定……こいつだかこいつらだかも、何かしらの事情があるのか。


――――

枝が渚に触れると同時に、渚の中にある神権全てが抜き取られていく。

――――















――――

気がつくと、渚は地面で寝転がっていた。

――――


…意外と融通効くんだな……


――――

髪と目の色は白や金ではなく、ただの黒色に戻っている。

――――


……神権、というか神権に関連する全てが持ってかれたか。


第六感と天使の力…あと諸々の感覚……「不滅」で再構成した私の体自体が消滅しなかっただけ奇跡かもな。


――――

星空を見上げる渚の視界に、銃口が映る。

――――


「…やあ楓君。元気そうで何より。」

「……まず、止めてくれた事についてはありがとうございます。」


「今の私は神権を持たないただの人間だ。魔術も…」


――――

掌から、蝋燭程度の光が出現する。

――――


「これぐらいが精一杯だ。で、どうするんだ?」


「……………………僕は、あなたが嫌いです。」

「…私個人、というよりは神全体か。」

「はい。……自分達以外の事を何とも思わず、自由気ままに力を振るう。…同じ盤上に立とう物なら即座に弾かれるような、理不尽の天災があなた達でしたから。」


――――

トリガーから震える指を外す。

――――


「……でも、あなた達は神じゃなくて人だって事を、盤外に飛び出るだけの力を持った「人」でしかない事ぐらいは分かってます。」

「実際僕だってそうなりかけましたから。……だから、そこについては感謝してます。」


「……神はもう現れないから、そこは安心するといい。」

「そうですか。」


――――

銃が消え、楓は渚に背を向ける。

――――


「……僕は二度と、あなたに関わりません。なので、あなたも同じように関わらないでください。……これ以上、憎みたくないです。」


「…この気持ちが揺らがない内に行きます。」

「わかった。………元気でな。」




















「やっほー、渚ちゃん(・・・・)。…うん、私の見覚えのある雰囲気に戻ってるね。」

「…私と君は、そこまでの仲じゃないと思うんだが。」


「……冗談だ。久しぶりだな、唯。いつ思い出したんだ?」

「渚ちゃんが庇ってくれた時に、何となく。」


――――

唯が渚の隣に寝転ぶ。

――――


「…置いてっちゃってごめんね。」

「こっちも世話掛けたな、すまない。……特に怪我とかしてないか?」

「だいじょうぶ、全部軽傷。」


…ちゃんと加減出来ててよかった。


「…渚ちゃんはさ、これからどうするの?」

「今悩んでる所だ。…一応それなりに悪い事はしてるし、このまま生きるのも……とは思ってる。」

「かといって、今すぐ死ぬのもそれはそれで駄目な気がしてる。…唯はどう思う?」


「……好きにしたらいいんじゃない?」

「いやそれはそうなんだが、それにしても道理とかあるだろ。そういうのをどうしようかと思ってるんだ。」




「うーん……じゃ、それを探す所から始めたら?一概には言えないけどさ。」


「…大人しくしてるのは性に合わないし、まあ何かしら…人助けとか?はしていこうと思ってる。」

「なんで人助け?」

「私のやった事の尻拭いとして、ぱっと思いついただけだ。これから詰めていくよ。」


――――

二人とも立ち上がり、どこかへ歩き出す。

――――


「ちなみに、今はどれぐらい魔術使えるの?」

蝋燭(さっきの)と、…ちょっと空を踏めるぐらいかな。それ以外は無理だ。」

「…じゃ、私もついてこうかな。二人旅も楽しそうだし!」

「別に楽しむ事が目的じゃないんだが……というか、二人についてはいいのか?」

「まー大丈夫かな。楓君の憑き物は今後剥がれていくだろうし、悠華は居たい所に居るし。」


「そういう訳で役割が無くなった私は、渚ちゃんが道を踏み外さないように見張ろうと思います。」

「……わかった。じゃ、監督よろしく。」



「………困ったら頼ってよ?」

「そうするよ。」


――――

ふいに渚が手を伸ばして、何かを引き寄せるような動きをする。

――――


…長く使ってた割には、結構あっさり使えなくなるもんだな。


「星系統も使えなくなってるの?」

「…ちょっと不便にはなるかな。」


「……なんか淡泊だね。そこまでショック受けてる感じしないし。」

「そもそも自分で得た物じゃないし、この手の事に対して何とも思わないのは……私がそういう人だからだろうな。」




「……じゃあ!もっと色んな物見て、手放したくない大事な物作ろうよ!」

「…それも考えてみるか。」






「……まずは剣の撤去から始めようかな。流石に出しすぎた。」

「あれはちょっとやりすぎだと思うよ。」

「…責任もって片付けます。」


さて、どうやろうかな。

次が最終話です


ここまで読んでくれてありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ