双炎
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二種の炎が衝突し、激しく火の粉が散る。
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「よく張り合えるな!」
「なんの!」
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渚が装束の出力を上げるにつれ、唯も競り合うように装束の出力を上げていく。
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「それだけ上げて装束は持つのか?!」
「気合い!あと調整!」
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散った魔力が、唯の装束に吸い込まれていく。
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成程、競り合う事で装束を保っているなら……
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渚の環が光を増し、徐々に唯を下へ押し込んでいく。
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◆◇◆
!
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唯は押し返そうと踏ん張るが、空気抵抗が限界を迎え後方へ弾かれる。
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っ――まだまだ!
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再び空を蹴って宙を舞い、再度両者が衝突する。
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◆
流石に一度じゃ切れないか。ならば何度でも!
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二色の炎は依然として燃え盛っている。
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捻じれた空間をどうやったら攻撃に転用出来るんだ?ますます意味が分からん!
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再び唯を弾くが、即座に復帰し再び火の粉が散る。
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◆◇◆
……負荷かかるけどしょうがない!
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唯を後押しするように空間が歪み、状況が均衡する。
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◆◇
…押せない、私の推力に張り合いだしたか。
梯子を外すのは簡単だが……それじゃつまらない。
◆◇◆
張り合えてる……けど、どっちも持たないな…
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空間と唯の刀が軋む。
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無茶かけたね、もうちょっとだけ頑張って!
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均衡を破ったのは唯だった。
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すり抜けっ――
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唯は渚の体をすり抜け、上下を入れ替えた。
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「空!」「夜!」
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同時に斬撃として放たれた炎は、空中で相殺して消えた。
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◆◇◆
…お疲れ様、
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唯の刀が砕けると同時に、装束も解ける。
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後は、今の人達に任せようかな。
「ステラ」
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重力に沿って落下していく唯に、数本の剣が飛んでくる。
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「【魔弾】!」
「【額縁】!」
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剣が衝撃波に飲み込まれた直後、唯の体が一瞬静止し、その下へ楓と悠華が滑り込んで唯を受け止める。
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「お母さん大丈夫!?」
「……大丈夫、あとは頑張ってー。」
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……先生?
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楓は唯に複数の銃弾を撃ち込む。
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「魔力回復用の弾丸です、空になってるんで適用までちょっと時間かかります。悠華さん行ける?」
「いけるよ!」
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悠華が渚と楓を枠の中へ入れる。
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「【水鏡】!!」
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空間が屈折し、二人は別の空間へ引きずり込まれる。
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◆◇
空間の生成か。
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二人は筒状の世界に引きずり込まれた。
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この重力方向だと落下し続ける事になるが…そういうものなのか?
「先生…で良いんですよね?」
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宙に浮いている楓が、渚に話し掛ける。
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分からないと思ってたんだが……魔力が無い故の視点なのかな。
「さあ?君自身で考えるといい。…まあ少なくとも、君達の敵ではあるね。」
「……なら、お前は神か?」
「…言っただろ?君達の神だと。」
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自身に一発ずつ、強化弾と魔力弾を撃ち込む。
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お、使えるのか。
「「硝煙」」
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煤けた灰色の装束が展開され、不意に弾丸が飛ぶ。
しかし、渚はその弾丸を弾く。
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問答無用か……だが、ちゃんと「観れた」。
魔力回路編集開始――
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背中に浮いていた翼の一つに、規則的な文様が刻まれていく。
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魔力回路の変更と相殺しないように、部分的に「不滅」を解除……
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渚が右手を銃のように構える。
それに合わせて、文様が刻まれた翼が楓に切っ先を向ける。
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「【Freikugel】!」
◆
「天殺、星!」
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刀を投げ、衝撃波が自身に届かないように相殺する。
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僕のか……魔力なら巻き込んで返せるかな。
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唐突にガコン、というような音が響き、二人は筒の下へと落下を始める。
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◆◇
飛んでる筈なんだが……まあお互い条件は同じか。
「特に驚かないんだね。」
「一々驚いてたら死にますから。」
「経験豊富になったようで何より。それじゃ、」
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残る五枚全ての翼に文様が刻まれ、その全てが楓を向く。
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「頑張ってくれよ?」
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六枚の翼全てから衝撃波が飛ぶ。
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「【魔弾】!」
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衝撃波を巻き込んで、再び衝撃波として撃ち返す。
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やっぱオリジナルの方が有利か?まあそうか、体外の魔力の扱いに関しちゃ向こうが上手かつ、機能の幾つかをオミットしてるし。
とはいえ、
「Burst」
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渚へ撃ち返された衝撃波が爆ぜる。
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以前有利に変わりなし。




