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未定  作者: 大倉
第三幕
105/108

双炎

――――

二種の炎が衝突し、激しく火の粉が散る。

――――


「よく張り合えるな!」

「なんの!」


――――

渚が装束の出力を上げるにつれ、唯も競り合うように装束の出力を上げていく。

――――


「それだけ上げて装束は持つのか?!」

「気合い!あと調整!」


――――

散った魔力(火の粉)が、唯の装束に吸い込まれていく。

――――


成程、競り合う事で装束を保っているなら……


――――

渚の環が光を増し、徐々に唯を下へ押し込んでいく。

――――

◆◇◆



――――

唯は押し返そうと踏ん張るが、空気抵抗が限界を迎え後方へ弾かれる。

――――


っ――まだまだ!


――――

再び空を蹴って宙を舞い、再度両者が衝突する。

――――


流石に一度じゃ切れないか。ならば何度でも!


――――

二色の炎は依然として燃え盛っている。

――――


捻じれた空間をどうやったら攻撃に転用出来るんだ?ますます意味が分からん!


――――

再び唯を弾くが、即座に復帰し再び火の粉が散る。

――――

◆◇◆


……負荷かかるけどしょうがない!


――――

唯を後押しするように空間が歪み、状況が均衡する。

――――

◆◇


…押せない、私の推力に張り合いだしたか。


梯子を外すのは簡単だが……それじゃつまらない。


◆◇◆


張り合えてる……けど、どっちも(・・・・)持たないな…


――――

空間と唯の刀が軋む。

――――


無茶かけたね、もうちょっとだけ頑張って!


――――

均衡を破ったのは唯だった。

――――


すり抜けっ――


――――

唯は渚の体をすり抜け、上下を入れ替えた。

――――


「空!」「夜!」


――――

同時に斬撃として放たれた炎は、空中で相殺して消えた。

――――

◆◇◆


…お疲れ様、


――――

唯の刀が砕けると同時に、装束も解ける。

――――


後は、今の人達に任せようかな。


「ステラ」


――――

重力に沿って落下していく唯に、数本の剣が飛んでくる。

――――

























「【魔弾(フレイキューゲル)】!」

「【額縁(Photo)】!」


――――

剣が衝撃波に飲み込まれた直後、唯の体が一瞬静止し、その下へ楓と悠華が滑り込んで唯を受け止める。

――――


「お母さん大丈夫!?」

「……大丈夫、あとは頑張ってー。」



……先生?


――――

楓は唯に複数の銃弾を撃ち込む。

――――


「魔力回復用の弾丸です、空になってるんで適用までちょっと時間かかります。悠華さん行ける?」

「いけるよ!」


――――

悠華が渚と楓を枠の中へ入れる。

――――


「【水鏡(Fake)】!!」


――――

空間が屈折し、二人は別の空間へ引きずり込まれる。

――――








◆◇


空間の生成か。


――――

二人は筒状の世界に引きずり込まれた。

――――


この重力方向だと落下し続ける事になるが…そういうものなのか?




「先生…で良いんですよね?」


――――

宙に浮いている楓が、渚に話し掛ける。

――――


分からないと思ってたんだが……魔力が無い故の視点なのかな。


「さあ?君自身で考えるといい。…まあ少なくとも、君達の敵ではあるね。」






「……なら、お前は神か?」

「…言っただろ?君達の()だと。」


――――

自身に一発ずつ、強化弾と魔力弾を撃ち込む。

――――


お、使えるのか。












「「硝煙」」


――――

煤けた灰色の装束が展開され、不意に弾丸が飛ぶ。


しかし、渚はその弾丸を弾く。

――――


問答無用か……だが、ちゃんと「観れた」。




魔力回路編集開始――


――――

背中に浮いていた翼の一つに、規則的な文様が刻まれていく。

――――


魔力回路の変更と相殺しないように、部分的に「不滅」を解除……


――――

渚が右手を銃のように構える。


それに合わせて、文様が刻まれた翼が楓に切っ先を向ける。

――――


「【Freikugel】!」



「天殺、星!」


――――

刀を投げ、衝撃波が自身に届かないように相殺する。

――――


僕のか……魔力なら巻き込んで返せるかな。


――――

唐突にガコン、というような音が響き、二人は筒の下へと落下を始める。

――――

◆◇


飛んでる筈なんだが……まあお互い条件は同じか。


「特に驚かないんだね。」

「一々驚いてたら死にますから。」

「経験豊富になったようで何より。それじゃ、」


――――

残る五枚全ての翼に文様が刻まれ、その全てが楓を向く。

――――


「頑張ってくれよ?」


――――

六枚の翼全てから衝撃波が飛ぶ。

――――


「【魔弾(フレイキューゲル)】!」


――――

衝撃波を巻き込んで、再び衝撃波として撃ち返す。

――――


やっぱオリジナルの方が有利か?まあそうか、体外の魔力の扱いに関しちゃ向こうが上手かつ、機能の幾つかをオミットしてるし。



とはいえ、


「Burst」


――――

渚へ撃ち返された衝撃波が爆ぜる。

――――


以前有利に変わりなし。

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