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未定  作者: 大倉
第三幕
102/108

未明、とある部屋にて

――――

人の形をした義体の前に、白い髪の女性が座っている。

――――


「渚様…で、よろしいのですか?」

「まあそうだが……厳密には「私」の記憶と精神と魂を持った別のモノというか……まあ内面は同じか。」


「でも、よく私だと分かったな。」

「「光」は私が作った疑似神権なので、誰か個人が持っていた物では無いのです。なので、それを持っているのは私が作った天使に他ならない…という事です。」

「なるほどね。…それじゃ、私の事情を話そうか。」










「葉月、この世界の始まりって何だ?」

「…宇宙の起点の話であれば、ビックバンが主流とされています。」

「……じゃあ、それを起こせる法則は…一体どこから来たんだろうな。」


――――――――

気づいたのは世界を纏めた後だ。


世界の()……それがどこにあって、どんな場所なのかなんて知らないし、絶対に知れないんだろうが…とにかく()だ。 




そこから、何かが来る感じがした。

――――――――


「だから、大気圏外より先の時間は止めたままだ。」

「…であれば、昼夜は廻らない筈ですが。」

「「白昼」「極夜」って神権で無理やり動かしてる。」


「……取って(・・・)、ですか?」

「…厳密には奪った(・・・)の方が近いか。「法則」使えば新しい神権ぐらい作れると思ったんだが……どうも制限が掛かったようでな。」

「制限…」




「…まあつまり、ボス倒したら裏ボスが来たんでそれを足止めしてる間に色々整えてるって事だ。」

「……今、私に顔を合わせた理由はあるのでしょうか?」

「そりゃもちろん。」


――――――――

…こっちに向かってきているそれに、私は挑まなかった。


法則()の目から見ても埒外の化物って事しかわからなかった以上、今挑むのは愚行でしかないだろ?




だから、世界中の神権を集める事にしたんだ。

――――――――


「この数年で色々集めた。「時間」「空間」「混沌」「運命」…あと、その他色んな神権。」

「この世界にあった神権の内、ざっと800個は私の中にある。「全能」、お前のも取る。」



「……それを態々、私に言う理由はありましたか?」

「ああ。…別に私はお前が好きじゃないし、何なら嫌いだ。だが、利用価値はある。お前もそのつもりで私に協力してきただろう?」

「…そうですね。私の目標を叶える為に、貴女を補助し、利用していました。」


「ま、そういう訳だが…お前は最後にする。」

「何故ですか?」

「今の私に大天使の力は無い。だから、それを戻せ。」

「……少し時間を下さい。」

「期間は?」

「………10日。」


…なら丁度いいか。


「その間は空けるぞ。」

「どうぞ、ご自由に。」








――――

そう言って、其れは街へと出た。

――――


…よし、常世行ってくるか。







――――

肉体が消えた事で器を失った魂は、総じて常世…「輪廻」の元へと向かう。


大抵の魂は常世を巡り、転生する(「輪廻」)常世に留まる(「涅槃」)かを決める。



そして、常世への入り口は各世界に一つ存在している。

――――


……ここに来るのは結構久しぶりだな。


――――

1000年前から、その位置は変わっていない。

――――


一応私は生きてるから入れないっちゃ入れないだろうが…まあ、「不滅」と「法則」あるし行けるだろ。


――――

既にそれを覆っていた建物は朽ちたが、その入り口は森に変化し、未だ存在し続けている。

――――


…昔みたいに忌避感とか、嫌悪感みたいなのを感じなくなってるのは…まあ成長として考えようか。


――――

其れは、暗く深い森に足を踏み入れた。

――――
















…初めまして「不滅」。

「「輪廻」、お前は現状対象外だ。さっさと通せ。」

そうも行かない。

「実力行使しようか?」

……私は飽く迄、常世の管理者に過ぎない。故に「不滅」、君に勝てる程の武力は持ち合わせて居ない。

「じゃあさっさと通せ。」

…だが、そうも行かない。貴様が法則を捻じ曲げ、生者として入って来た…これだけでも異例だが、更に貴様は…常世の安寧を崩しに来たのだろう?

「結果的にはな。…さっさと通せ。」

……私の元に居る者の安寧を崩す者を、みすみす入れる訳には行かない。



これ以上は平行線か…


「…押し通る!」


夜!


――――

無限に広がる暗闇を、膨大な光が照らしていく。

――――


……為らば貴様は私の敵だ。

「上等!」


――――

其れの右目に(1)が出現すると同時に、暗闇が開け…

――――


数時代前を模した町……このまま降下させてくれるかな?


――――

そんな願いも虚しく、其れの頭上に「惑星」が出現する。

――――


お、ちょうどいい所に。


――――

其れは上に飛び、惑星に手を触れた。

――――


「貰うぞ。」


――――

惑星の外殻が消滅し、その中から出てきた小惑星が落下し始める。

――――


…表は使う理由ないが、裏は面白そうだ。


「「恒星」」


――――

町の上空に恒星が生成されるが、直後消滅する。

――――


あー、法則と同じ感じで消せるのか。



…面白くなってきた。

神権は誰かが求めた通りの力を持つ


昼夜が無い世界なら「白昼」、反転「極夜」なんていう極端な神権が生まれるのかも?



貴様のニュアンスは丁寧語

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