カラナ、新米冒険者!
新しい日は、太陽の光ではなく、アレティシアの旋律のような声が木の空洞に響き渡ることで訪れた。「おはよう、小さな火花たち~」
目を開けると、まだドライアドの「抱擁」の心地よい温もりに包まれていた。彼女はそこにいた、座って…いや、その言葉が適切かどうか。上半身は昨夜と同じ、中性的で野性的な美しさ、緑がかった肌、露に濡れた小枝のような輝く栗色の髪。しかし腰から下には、脚はなかった。代わりに、金色の木肌の滑らかで生きている幹が空洞の床と融合し、木そのものの自然な延長のようだった。まるで根が部分的にだけ人間の形を取ろうと決めたかのように。
「眠っている姿、とっても可愛いわ」彼女はきのこ類の生物発光よりも部屋を明るくする笑顔で囁いた。
正直、一ヶ月前なら魂が抜けるほど驚いただろう。だが、ゴーレム、狂った貴族、動く人形の騎士を経験した後では、木と融合した人間の胴体は…ほぼ普通だった。少なくとも、そうだと決めた。落ち着け、エステル。大丈夫だ。ドライアドがドライアドらしくしているだけだ。
「うーん…おはよう」と欠伸をし、伸びをした。そして気づいた。「待て! 俺の背中は? お尻は?」腰をひねり、体幹を回した。何もない。痛みはゼロ。馬車に痛めつけられた腰椎やお尻からの呻き声ひとつない。「ドライアドとその魔法の抱擁を祝福せよ!」 苔の寝床から飛び起きそうになりながら叫んだ。
「おはよう…」カラナとイレーネは同時に目を覚まし、小さな拳と繊細な手で目をこすった。満足した猫のように伸びをした。カラナはドワーフらしい唸り声を上げ、彼女の下の苔を震わせ、イレーネは満足げな小さな呻き声をあげた。アルテミサは微動だにせず、すでにイレーネのそばに立ち、青い光は落ち着いて鼓動していた。
「じゃあ~! ギルドに行くの?」アレティシアが葉のささやきのような声で尋ねた。「さあさあ、起きて起きて!」彼女が信じられないほど親切なのか、過保護な母親のように振る舞っているのか、それとも単に「カラフルな」生き物たちの仲間を楽しんでいるのかわからなかった。おそらく三つ全部だろう。
私たちは一夜の避難所を出た。イレーネは私と手をつなぎ、カラナは私の腕を、あざを約束する力で掴んでいた。振り返ると、生きた木のアーチ状の扉が滑らかに樹皮に再統合していくのが見えた。窓は即座に癒える傷のように閉じた。数秒で、居心地の良い空洞の痕跡は残っていなかった。ただ、そびえ立つ銀色のテルペリオンが隣の木々と変わらぬ姿で立っているだけだった。
「バイバイ、木のお家?」イレーネが、濾過された光の中でかすかに輝く銀髪を揺らしながら尋ねた。
「ある意味、いつもここにあるのよ、小さな光」と、すぐ後ろで聞き覚えのある声が答えた。
なんてこった! アレティシアがそこにいた、再び完全な姿で(脚も含め、苔と地衣類の「服」を着て)、現れる際には最小限の音さえ立てずに。木の葉の軋む音も、風のため息もなしに。単純に…そこにいた。イレーネは少しびっくりしたが、恐怖を感じる前に、アレティシアが花をつむように簡単に彼女を持ち上げ、人形のように自分の腰に乗せた。イレーネは一瞬固まったが、敵意を感じなかったのでリラックスし、ドライアドの肩に頭を預けた。それはシュールで優しい光景だった:野性的なドライアドが銀髪の少女を実の娘のように抱いている。誰が彼女をおんぶするのに甘やかしたんだ? と内心笑った。ああ、そうだ。俺だ。へへへ。
アレティシアに導かれ、道を再開した。彼女は道を感じているようだった。音もなく歩を進め、迷うことなく根と苔の小道を選んだ。時折、他の巨木のそばを通ると、樹皮から女性の手が現れ、指を静かに振って挨拶した。他の時は、アレティシアとは違う(より暗い髪、ヘーゼルナッツ色の目、丸みを帯びた特徴)完全な顔が、木に再び溶ける前にほんの一瞬微笑んだ。いつも女性の姿だった。ドライアドは女性だけの種族なのか? と、商人/冒険者の心は黙っていられなかった。どうやって繁殖する? 木みたいに? 受粉? 挿し木? 魔法の種? 木には有性生殖と無性生殖の両方があると漠然と思い出した…やめろ、エステル! と自分を叱った。カラナの前でドライアドの繁殖について考えるな!
遅すぎた。小さくても信じられないほど強い手が私の手を握り、指の関節が軋むほどの圧力をかけた。カラナが私のそばを歩き、前を向いて微笑んでいたが、琥珀色の瞳が私に向けられた時、微笑んではいなかった。よく知った感情――嫉妬と静かな警告が混ざった――の暗い井戸だった。彼女の笑顔は甘く、声はさらに甘くささやいた:
「エステル…ダーリン。ハーレムが欲しいなら、私は構わないわ。人間の寿命は私のに比べて短いから…」劇的な間を置き、私の手への圧力がほんの少し、ほとんど痛いほどに増した。「…でも…自分の考えを投影するのをやめてくれる? あなたの顔が全部言っちゃってるのよ」
ま、まさか!? 俺の顔!? 本能的に頬に触れた。まともなポーカーフェイスだと思ってたのに!裏切者め、脳みそ! 協力しろ! もっと読むと約束する、複雑な戦略を考えると約束する、何でもやる! ただ、鉄を曲げられる嫉妬深いドワーフの前で俺を売るな! 助けてくれ!
内心で戦争が勃発した。比喩的な煙が耳から出ているはずだ。完全な無実と思考停止の表情を強制しようとしながら。「…ごめん」と、頬が火照るのを感じながら、なんとかつぶやいた。
アレティシアが澄んだ陽気な笑い声をあげた。氷の鈴のようだった。「へへ~木には耳があるのよ、ほら。文字通りだけじゃなくてね」振り返って私たちを見た目には面白さが輝いていた。もちろん全部聞いていた。そして一瞬も楽しんでいた!
道は続き、木々の驚異のパレードだった。濾過された光の下で金や銀の筋が輝く樹皮の木。エメラルドの彫刻やサファイアの透け感のある葉の木。一つは柔らかなチョコレートとシナモンの香りさえ放っていた。一瞬、狂った衝動に駆られた…あの金色の樹皮を噛みたくなった。食べられる? 魔法? 美味しい? 幸い、まだカラナに痛々しく握られた手が優先順位を思い出させた:嫉妬深いドワーフにレンガに圧縮されずに生き延びること。また今度だ、輝く樹皮よ。また今度。
ついに到着した。ハートフォレスト冒険者ギルドは建物ではなく、いくつかの巨木の根元にへばりついた森の生命の混沌とした延長だった。生きた木のプラットフォームが不安定に積み重なり、太いつるの橋や巨大な幹に直接刻まれた螺旋階段で繋がっていた。照明はおとぎ話の饗宴:群生する発光キノコ、魔法のガラス球に閉じ込められた(自発的に?)小さなフェアリーがランプとして機能し、客の肩に遊び心で止まるピクシーが自らの光を加えていた。音は絶え間ない轟音:甲高い笑い声、酔っ払いの歌、モンスターと戦利品についての激しい議論、根ビール(かそれ以上のもの)のジョッキのカチンという音、そして時折のガシャン!と痛てっ!の後に爆笑が続く。
爆笑の起源は明らかだった:浮かれすぎた冒険者たちが、酒宴の後につるや螺旋階段を降りようとしてバランスを崩し、数メートル落下し、柔らかい苔の地面に鈍い音を立てて着地した。そしてそこに横たわり、何事もなかったかのように安らかにいびきをかいた。超人的な耐久力? それともハートフォレストの地面が本当にそんなに寛大なのか?
「ははははははは!」それが起こるたびに爆笑が起こり、絶え間ないサウンドトラックとなった。日常茶飯事のようだった。
商人(そしてゴシップ好き)の耳で、喧騒の中から会話の断片を拾った。二人の明らかに酔った人間の冒険者が、磨かれた根でできたカウンターに寄りかかっていた。一人は腕に、もう一人は額に、暗い緑色でぬるぬるした汚れが付いた包帯を巻いていた。彼らは苦々しく呟いていた:
「ちくしょう! あのクソダンジョンが突然十倍もきつくなったぜ、ボルガー! 昔は一撃で忌々しいファンガルをぶった斬れたのに!」 彼は苔に唾を吐いた。
「ははは! お前が弱くなったんだろ、レン! ビールが筋肉を腐らせたんだ!」 もう一人のボルガーは背中を叩いたが、緑の傷でレンはうめいた。
おお! ダンジョンだ! 中の新米冒険者の興奮が飛び跳ねた。宝物? モンスター? 栄光の名声? 脳内はカラナがゴーレムを粉砕し、イレーネが魔法の秘密を発見し、アルテミサが…まあ、アルテミサらしくしている姿を想像していた。
しかし、イレーネを生きた宝物のように抱えているアレティシア、そして「ダンジョン」と「ファンガル」を聞いて嫉妬から警戒に表情を変えたカラナを見て、現実を思い出した。落ち着け、エステル。一歩ずつだ。まずは、怒れるドワーフを登録しよう。
「行こう」と言い、受付と思われる、優雅に曲がった巨大な根に刻まれたカウンターへカラナを導いた。イレーネは嬉しそうにアレティシアと一緒にピクシーを見ていた。
そして見た。あるいは見たもの。受付嬢(?)。
創造主よ、なぜ? なぜエルフはこんなに不合理で不当なほどに美しいのか? こいつ…いや、この存在は、執着した芸術家によって彫られた生ける彫像のようだった。細く完璧な輪郭の顔、磁器のような青白い肌、優雅にカーブした尖った耳。エメラルドグリーンの瞳は深く、まるで森全体を内包しているようだった。長く真っ直ぐな髪は磨かれた銀の上の月光の色で、高く厳格なポニーテールにまとめられていた。シンプルなリネンのグリーンチュニックを着ていたが、他の誰かなら粗末に見えたであろうものが、彼女には高級エルフのファッションのように見えた。問題は…性別が区別できなかったことだ。特徴はあまりに細く、あまりに中性的に完璧で、不可能だった。
「うっ…人間」かすかなささやきは聞き取れるかどうかで、溶岩さえ凍るほどの軽蔑を帯びていた。「えっと…ハートフォレスト冒険者ギルドへようこそ」声は甲高く、澄んでいて、間違いなく女性だったが、彼女の…そう、上部の前面と同じくらい平らだった。「用件は?」
即座の言葉のナイフはなかった! 殺意の眼差し(露骨には)もなかった! イェーイ! 小さな勝利だ。
「こんにちは! こちらの相棒をギルドに登録したいのですが、お願いします」商人らしい最高に友好的な笑顔で言い、横に挑戦的に立つカラナを指さした。「それと、トレジャーゴーレムのコアの欠片を売りたいのですが、可能でしょうか」
エルフの受付嬢は目を下ろした。エメラルド色の瞳がカラナを上から下まで見渡した。鍛冶屋のブーツから豊かな赤茶色の髪まで、彼女の質素な旅行服が隠せない豊かな胸元をほんの一瞬長く留まった。上唇が嫌悪の微表情で歪んだ。
「登録… あの物体を?」その質問は静かな池にレンガが落ちるように落ちた。
おっと、やべぇ。 エルフとドワーフの因縁の憎悪。核心を突く。ギルドのざわめきが少し弱まった。数人の頭がカウンターの方に向き、ショーを予期していた。
「なにィィィィッ!?」カラナの咆哮は近くのテーブルのジョッキを震わせた。ドライアドの「思考」ですでに張り詰めていた彼女の忍耐は、ガラスのように砕けた。「『物体』だと?こっちが聞きたいぜ、このクソ長耳野郎!森の中で木にキスして溺れちまえ!それでお前の平らな人生に少しは興奮が味わえるだろうよ!」
受付嬢はさらに背筋を伸ばした(可能ならば)。身長は2メートル以上は確実で、文字通り腰までしかないカラナを見下ろした。冷たく軽蔑的な笑みが完璧な唇に浮かんだ。
「『クソ長耳野郎』?言ってみろ、ドワーフめ…」劇的な間を置き、カラナの頭のてっぺんを見ながら。「ああ、そうか。お前にはできないな。お前はあまりにも…下にいる」軽蔑が酸のように滴り落ちた。
「おっとっと!悪いね!」カラナは怯まなかった。腕を組んで、その動作が彼女のシルエットを強力に強調した:広い腰、布を張らせる豊かな胸。「お前を木の板と勘違いしちまった!前も後ろも平らだからな!」と悪意のあるウインクを添えた。
エルフは青ざめた(もっと青ざめることが可能なら)。本能的に手が自分の胸に飛び、曲線のない滑らかなチュニックを探った。そして彼女の板のようなまっすぐな腰を見た。怒りと屈辱が混ざった窒息した音が唇から漏れた。ギルドは完全に静まり返った。全ての目が二人に釘付けだった。緊張はナイフで切れるほどに濃厚だった。
今すぐ介入だ、エステル! 生存本能が叫んだ。
「やめやめやめやめ!二人とも落ち着けー!」二人の間に飛び込み、エルフに届こうともがくカラナを掴んだ。小型の筋肉の竜巻を抑えるようだった。「カラナ、やめて!お願いだ!」
絶望的な行動で、彼女を引き寄せ、彼女の顔を自分の胸に押し付け、背中を軽く叩きながら強く抱きしめた。「しーっ、よしよし…大人しくして、勇敢な子。大丈夫だ。大丈夫以上だ」唸り声が私のチュニックに押し殺された。「おぉー…」という失望の合唱がギルドを駆け抜けた。猫のケンカは引っかき合いになる前に終わった。
「大丈夫か?」少し離しながら囁いた。彼女の顔は赤く、恥ずかしさよりも怒りによるものだったが、深く息をしていた。深すぎる。お願いだ、ドワーフの息で俺のチュニックを蒸発させるな!
一方、エルフの受付嬢は震えていた。その顔は怒りと屈辱の混ざった美しい真紅に染まっていた。私たちにゆっくりと苦痛に満ちた死を約束する視線を向けると、くるっと踵を返し、カウンターの奥にある木のドアの向こうに消え、根を震わせるほどにドアをバタンと閉めた。
気まずい沈黙が数秒間ギルドを満たした。すると、陽気な羽音が空気を満たした。小さなフェアリーが、イレーネの手のひらほどもなく、青い水晶の翼とバラの花びらのドレスを着て、カウンターの裏からふわりと飛び出してきた。磨かれた机の上に止まり、好奇心旺盛で輝く目で私たちを見つめ、小さな顔にいたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「やっほー!」彼女の声は鈴のような高い音だった。「登録と売却?かんたんかんたん!ちょうだいちょうだい」
カラナ(その足は木の床に根を張ったようになっていた)を離さず、彼女を抱きかかえた――コンパクトだが驚くほど密度の高いドワーフ――そしてカウンターに近づいた。フェアリーの受付嬢は状況を滑稽に思っているようだった。笑いながら、飛び回りながら、羽を速く震わせていた。
手続きは驚くほど速かった。いくつかの質問(カラナの名前、おおよその「クラス」――「殴る専門!」とカラナが誇らしげに宣言)、フェアリーの小さな手が小さな生きた木のプレートに触れると…できあがり!
「じゃじゃーん!」フェアリーがプレートを空中に放り投げた。カラナが自由な手で空中でキャッチした。小さく、大きなコインほどの大きさで、緑の筋が入った明るい木でできていた。中央には、木から生えているように見える細かい文字で刻まれていた:「カラナ・アイアンシャード - ランクF」
「ほら、カラナ・アイアンシャード」奇妙な誇りを感じながら言った。「公式の冒険者だ!」
カラナはプレートを見つめ、それから私を見た。以前の怒りは琥珀色の瞳に浮かぶ満足感の輝きに取って代わられた。「ふん。ようやくこの長耳の森で馬鹿げてないものが見つかったわ」
フェアリーは私たちの顔の前を飛び回り、いたずらっぽい笑みを消さなかった。しかし次に話した時、彼女の口調は変わった。陽気さが消え、代わりに鈴のような声で予期せぬ真剣さが現れた:
「気をつけてね、小さなハンマー~」彼女は囁き、輝く目をカラナ、そして私に向けた。「エメラルドトンネルは…今、闇の何かを吐いている。前よりも危険。ずっとずっと。じじじじ…」
最後の「じじじじ」は笑い声には聞こえなかった。警告のように聞こえた。




