最初に抜けた者達
(関係ないな。
段々と人が話し合って、いついなくなったか分からない時に出よう。)
ウミは到底自分は話し掛けられないだろうと、話し掛けられても最低限の言葉だけで対応して興味をなくそうと考えながら訳もなく、自分の手をいじりながら、その手を見つめていた。
「可能性をみるって、どういう感じなんですか!!」
少し、五月蝿い声がした。
その方向を見ると、ヒロが立っていた。
猫背っている背中と、黒髪だが毛先だけ暗めの赤で男にしては少し長い髪。
ほんの少しだけ見える髪に隠されている深い緑の瞳。
その瞳は少し、キラキラしているように見える。
ウミはその姿に少し驚いている……。
…以外だった。酷いかも知れないが、ウミにとってヒロは、人見知りで自分からは誰にも話さないタイプだとかって想像していたからだ。
話して来られた以上、丁寧に対応をしないと。
ウミは笑顔を作った。
「色々な可能性が見えてくるんです。
1秒後の事だったら、10個〜30個ぐらいの可能性が一気に。
これが伝わるかも分かりませんが…1つの大きい画面の中に何個も枠があってそれぞれ違う映像が流れていたりしますね。
1年後とかの未来ならば、4つのアニメぐらいの絵の数が出てきます。
10000枚ぐらいの画像が次々と流れていったりしますね。
それをやった事があるのは1度だけなので、正しい見え方がそうだったのかはハッキリとは覚えていませんが…。」
自分で分かっている事を全部言う。
苦笑いをしながら、説明出来る限りは答えた、筈だ。
「ありがとうございます、教えて下さって。
やっぱり凄いですね、超能力って。
それでは、教えてくださりありがとうございました。
また教えて頂けると恐縮です!!」
満足そうに深々と一礼した。
そしてヒロは、1人でいるニニナハの元へ行った。
(1人とは話たし、もう帰っても良いかな)
席を立とうとすると、肩にポンと手を置かれる感覚がした。
「ウミは剣術に長けていると聞いたのだが、俺と手合わせでもしないか?」
「模擬戦はあまり好きではないもので、僭越ながら遠慮させて頂けると恐縮です。ソートミー様。」
ソートミーの方を向いて、急いで笑顔を取り繕った。
(少しぎこちない笑顔になったかも、)
「もうちょっとフラットに行こうぜ!!」
ワハハハっと笑っているソートミーに対してウミは、苦笑いしか出来なかった。
「で、実際はなんで嫌なんだ?」
ウミを無理矢理席に座られて、空いている元々ココラスが座っていた隣の席に腰を掛けて問い掛けてきた。
「そこまで体を動かす事とかは、好きじゃないんです」愛想たっぷりで言う。
「そうか。……では俺に勝てたら、これをやろう。」
ソートミーが胸のポケットからロケットペンダントを取り出した。
来い来いと手を使って、ウミを誘導する。
仕方なくその誘導にのった。
「これは、本当に大事な写真を入れるとその写真の風景や、その人との思い出が実体験出来るものだ。」
ウミの耳元で囁く。
「幻影や幻聴とかを操る黒の者に貰ったものだ。試したが、本当に出て来た。」
ウミの耳から離れ、また腰掛けてから言った。
「どうだ、やる気になったか?
これは世に殆どない代物だ。」
ニヤリと悪い顔をしながら言ってくる。
固唾を呑んだ。
そして……
「良いですよ、やりましょう。」
嬉しそうな顔をして、ソートミーは勢いよく席を立った。
「俺達は此処で抜けるんで、仲良くな〜」
最初にこれをやろうと言い出した人が良いのかと思ったが、自由時間だし、好きに抜けても良いとも言っていたので良いのだろう。
言い出した本人が最初に抜けるとは思っても見なかったが………。
大声で言いながら、ウミの手首を掴んで歩き出す。
(歩くの早い…もう少しゆっくり歩いて欲しい……。)
そう思ってもウミはそんな事は言えずに、ソートミーに付いて行った。
更新スピードが少し落ちます……。




