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久しぶりの任務

ハルの部屋から自分の部屋へと戻り、ソファの上で三角座りをする。


久しぶりの任務に少し、緊張する。


今回の任務は、1人の商人と1人の記者を捕まえる事だ。

その2人はある貴族と結託して、国家機密の情報を知ってその証拠を持っているらしい。

なんの国家機密なのかは知らないが……。


その2人を持ってこいと。殺さない程度にやれと書いてあった。

黒白の写真も入ってあった。


そして、道具を貸して貰った。

見た目は普通の懐中時計だ。

だが、懐中時計のリューズを思いっきり押すと役目を果たすらしい。


前に貰ったイヤリングの特化版、直径5メートルに居る生き物を瞬間移動させられる。


当然、自分が身につけれいる物か触っている物は一緒に瞬間移動する。


生きていない物は触っていないと瞬間移動が出来ない。

死体等は触っていなければ無理で、馬車は馬と繋がっているからいけると。

生きている者は、その範囲にいるだけで強制的に瞬間移動らしい。


懐中時計と一緒に渡された紙に書いていた。

取り扱い説明書みたいにぎっしりと、ありがたいことに日本語で書かれていた。



――――――――――――――――――――――



00時頃、塔を出た。

ちゃんと、命令書を見せたり順を追って1人で。

少し緊張したが、きちんと出来た。


フードを被っているし暗くて誰にも見えないので気が緩んでいたのだろう。

フードの中で自然と笑顔が漏れた。


それと、コントロールルームにいた人から短剣を貰った。

一緒の種類そうな短剣を2本も…。

スミラナコマンダーから餞別で渡せと言われていたらしい。



初めてウィンケレ帝国の大都を出た。

今は森に居る。少し深い所まで来た。此処まで来るのに1時間も掛かってしまった。


(なまったな……。)

昔ならば50分程で行けた筈だ。

(まぁ、そんなの日本では要らないけど。)

日本では要らないが、此処ではいる。

それを思うと、本当にあの頃に戻ったんだなと確信した。


――――――――――――――――――――――


もうすぐで目的地だ。

暗い森の中で、光を見つけた。


1つの小さな四角い小屋だ。

3メートル程の高さと、横に5メートル、横幅が4メートルという屋根も平べったい四角い小屋。その1つの窓から明かりが灯っていた。


扉の横面にある窓がある側面に耳を傾ける。

足音や声の音等で人数を確かめる。

耳は普通よりもほんの少し良いぐらいで、人数が何人か何てあまり分からないが…。


少なくとも、3人は居る音がする。

ずっとこうしていても仕方が無いので、扉の鍵を短剣でくり抜き、扉をこじ開けてドンッと音を鳴らして入った。


「誰!!」女の声が響き渡る。


フードを深く被っているから、顔は見えないだろう。髪の毛も服の中に入れてある。


見ると、華奢な女が1人と少しだけふくよかな50代ぐらいの男が1人と、ガタイの良い男が2人居る。どうやら、予想は外れていたらしい。


少し悔しい。


ガタイの良い2人の男がウミの前へやって来る。紫のタンクトップを着ている男の方がメリケンサックを付けて、ウミにその拳を降ろす。それを避けと、剣が上から落ちてくる。

ガキィンと、鉄が凄まじい勢い振り下ろされた剣を右手に持っている短剣で防いだ。

もう1人の藍色タンクトップを着ているガタイの良い男の方が攻撃を仕掛けてきたのだ。


2人が連携して、ウミに襲い掛かる。

それをかわしたり、短剣で流したりする。

その間に、奥にいる2人は裏口から逃げようとする。


(めんど…。)


短剣の一本を、逃げようとしている裏口のドアノブを狙って投げた。

ドンッと聞こえ、ひぃと、またドンッという音が聞こえた。


ひぃと言ったのは、最後に出したドンッという尻もちをついた音を出した男と一緒だった。記者の女は、放心状態。


タンクトップ男共は、少しの隙を見せてくれた。


その隙を狙って、厄介な藍色タンクトップの男に短剣を差して、すぐに抜いた。

藍色タンクトップ男は、ドンッと後ろにあった机に当たりながら倒れた。


心臓部分に、深く刺したから即死だろう。

どんどんと血が溢れ出てくる。


刺した短剣にはベッタリと血が付いている。

シュッと空振っても、ちゃんとは落とせない。

そんな簡単に血が落ちたら苦労はしないだろう。


「アニキをよくもっ」紫タンクトップ男が言いながら拳を振ってきた。それをかわして、左腹部に短剣を差してまたすぐに抜いた。

「アァァァァァ」大きい声を出しながら、喉が潰れているみたいな声を出している。


(楽に、してあげよう)


ドスッ。痛みで転がって魘されていた紫タンクトップ男の心臓部分を深く差した。


「アッ」


ずずっと音を出しながら、短剣を抜いた。


生きている2人の方を見る。

どちら共、体を震えさせながら座っている。

その恐怖の目を此方に向けて、口をパクパクとしている。

恐怖で喋れないのだろう。


好都合だ。このまま、魔道具を使おう。

ポケットから出す。

殺した2人も一応連れて行こうと、引きずる。


「其処から動いたら、八つ裂きにするから」

と2人に言って置いたので、その間、動く事はなかった。


死体を移動させたり、小屋を調べたりしているとあっという間に15分程が経っていた。


「目を瞑っていてくださいね。

じゃないと死よりも恐ろしい事がありますから。」

ノアに言われた事を長強して2人に言った。


脅すと、2人は恐怖に包まれながら目を閉じた。その身体は震えている。


ウミも目を瞑って、貸して貰った懐中時計のリューズを強く押すと、視界が真っ暗になり、また戻った。


目を開けると、1室にいた。

書いてある通りなら、この横の部屋にスミラナコマンダーがいるらしい。


「其処から、動くかないで下さいね」


部屋を出て、横の部屋である扉の前に立つ。

ノックをすると、誰だと低い声が聞こえてくる。


「ウミです。

任務から戻りました。」

ガチャッと、扉が開いた。スミラナコマンダーが開けたのだ。


「隣の部屋にいるのか?」

「はい」

「行くぞ」


スミラナコマンダーが、隣の部屋へと歩き始めるので、ウミもそれに続いた。

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