20.The Judgement(審判)
英語試験は、流行病も相まってオンランで行われる。
JAXAからは、試験に適したネット環境及び周辺機器の案内が送られてきていた。
急いでマイク付きのヘッドセットを購入し、その使用感に慣れておく。
四十歳を過ぎたおじさんからすれば、ヘッドセットをつけ、試験を受けるなど近未来の話のように感じる。
でも、ワクワクしている私がいる。
いうなれば、コックピット内のような感覚。
そして、そこで語られるのは英語のみ。
カメラを通して、不正が無いように監視されるのも、また一興だ。
新時代の新しい試験の方法に胸を躍らせる私がいた。
※ここからの内容は、機密事項にあたるため、一部、端折っての話となります。
***
英語の試験は、受験中もワクワクした。
オンラインでありつつ、ライティング、リーディング、そして、コミュニケーション、スピーキング。
トイレなどの休憩時間を合わせて約七時間に及ぶものだった。
当日は、妻や子ども達は、一日家を空けてくれた。
試験が終わると同時に発泡酒を開けた。
言いようの無い達成感と、充実感。
そして、それに伴う心地よい疲労感。
一秒でも早く脳味噌を休ませてやりたかった。
結果は、早かった。
「一般教養試験、STEM試験、小論文のご案内」
どうにか、通過したらしい。
また、挑戦できる。
苦手な日本史、世界史をターゲットに時間を割いていく。
そして、この後に待ち受けているであろう、体力・肉体精密検査のために筋トレにも力が入る。
ここまで来た。
負けられない。
試験は同じく長時間オンラインで行われた。
***
「第一次試験のご案内」
職歴、実績、肉体、英語、教養は、どうにかJAXAのお眼鏡に叶ったらしい。
ここからが本番。
面接、ディスカッション、精密肉体検査がはじまる。
都内某所に集まる人々。
皆、優秀に見える。
だが、私の中に少しだけ、モヤモヤしたものがある。
私は、私は…。
***
「今後の白明様のご活躍をお祈りいたします」
(つづく)
――――――――――――――――――――――――――
お読みいただき、ありがとうございます。
よかったら、つづきも読んでいただけますと嬉しいです。
また、あなたと会えることを楽しみにしています。
白明
――――――――――――――――――――――――――




