ACT
「アルゴ...まさかこんなことを仕掛けてくるとはな...」
河倉は鷲が居たビルに霧島を連れて立っていた。
「討滅戦を生き延びていた...?」
「それに」
眼下の少年に目をやる、まだこちらを睨んだまま静止している。
「こんなことができるのは鷲だけだ」
「お前も詞城に会っただろう、あいつ何か言ってなかったか?」
「特に」
アルゴという組織はかなり前に討滅戦が行われ、幹部および指導者は皆死んだはず。なのになぜあいつらは生きている。アルゴは与える者、だから生命を与えたと?バカバカしい、魔法は生命を操れない。それは旧世代でも証明されている。旧世代の技術でもそれは不可能だ。
「あの時全ての力を使って奴らを滅ぼした。俺は詞城弦を仕留めた、鷲も柊が、その他の奴らも皆で倒したんだ」
「忙しくなるぞ、霧島」
「はい」
見上げた空は雲が太陽を覆い隠し、深く暗い空を作っていた。雨が降るだろう。
「あの子は、孤児院で育てられるそうだ」
座って曇り空を見ている春に夏目が言う。少女のあの絶望に満ちた顔は忘れられない、これから彼女は鬼になるのだろうか。ビジランテと同じ、一つの強大な信念の元死んでいくのだろうか。そんなことを考えていた。
一つ言えるのはもう彼女にいつもの日常は帰ってこない、歯車は狂ってしまった。
「そう...」
「あと対策チームが作られることになった。俺と春、あとはB班の霧野達と」
「蓮千庭の奴らだ」
「何故庭とチームを組むのですか?」
春達の上司、宙某文は副室長の柊に抗議を行っていた。柊は座り込み、話を聴いている。
「庭からの提案だ、昔のアルゴは強大な組織だった。そんなのが復活したこんな時に庭だの革命だの言ってられん」
「しかし...」
口を塞がれる、
「今回も英霊隊は後方支援兼国家守護というだんまりだ、あいつら何を考えてるか分からん。ワシは今回は動けん。眼を光らせておけ」
耳打ちをして柊は去っていった。
「これはこれは押尾殿、このような場所までわざわざありがとうございます」
「呼ばれたからこんな場所に来たのだ。どうぞ気になさらず灰原殿」
灰原に棘のある言い方をしたのは蓮千亭副長押尾だ。彼女は革命派と対を成す存在であるが、今回は問題が問題なので協力するに至った。見た目は幼いがかなり歳をとっている。
「もう一人の副長の六錠とこちらが提供するメンバーは少し遅れて到着する予定だ」
「そうですか、こちらのメンバーは渡したリスト通りで既に到着しております」




