はしゃぎすぎました
お兄様たちと水遊びです。雨が続いてつまらなかったからウジューヌお兄様とジョゼフお兄様と一緒に中庭でこっそり遊んじゃいました。今日はお父様とお母様、アランお兄様もお出かけです。大人だけのパーティーがあるそうです。ばあやたちもいないので今日は自由です!
イネスも他のみんなもなんか忙しくて遊んでくれないんです。ウジューヌお兄様が遊んでくれるからいいですけどぉ。
お兄様のお古を着て、汚れてもいい服にしました。中庭の水たまりでびちゃびちゃも楽しいですし。泥も面白いです。
「どろっどろ!」
「びちゃびちゃー」
「べたー」
「うぉっ擦り付けるなよっ おかえしだ!」
「ぎゃー!!」
「くらえーどろだんごー!」
「きたなーい!!やりかえすー!!」
「くらえーー」
きゃっきゃっきゃ遊んでウジューヌお兄様を泥だらけにしてたら。
「ウジューヌ王子にジョゼフ王子!!それにセシル様!!!」
「「?!」」
振り返ったら婆やが立っていました。
「げっ!!なんでいるんだ」
ウジューヌお兄様が呟きました。
「もう夕方ですから、戻ってきました。それよりも!!!何をなさってるんです!!!」
「ウジューヌお兄様が一緒に遊ぼうっていった!」
ジョゼフお兄様がウジューヌお兄様を指差して言いました。
「セシルはウジューヌお兄様が遊んでいいって言った!」
セシルも同じように指さしました。
「お、おまえら!裏切ったな!!!」
「本当だもん!!」
「だもん! へっくし」
あれ?鼻水がでちゃいました。手に持ってた泥団子がつぶれちゃいました。
「「あ」」
お兄様たちがセシルをみてます。二人とも泥だらけです。まぁ、さっきまで泥を投げあいっこしてたんですけど。
「ひっくし」
またクシャミがでちゃいました。
「…セシル様?!」
「ん?」
婆やが慌ててセシルに近づいてきて頭に手を乗せました。冷たくて気持ちいいです。
「?!誰か!!急いで湯を沸かして!!!」
「へ?」
「ジョゼフ王子もウジューヌ王子も、すぐに体を温めてください!!説教はその後ですからね!」
婆やがそう言うと、セシルを抱えてすぐに湯殿に連れてかれちゃいました。全身洗われて、寝巻きに着替えさせられてお熱をはかられました。
「発熱してますね」
「申し訳ございません。ウジューヌ王子がお相手してくださると聞いて、離れてしまいました。」
イネスが頭を下げて謝ってます。
「いえ、今日は皆忙しかったので仕方ないです、まぁ、ウジューヌ王子もここ最近無理な遊びをしなかったので、私も油断していました。」
婆やがため息をつきながらお布団をかけてきました。ポカポカです。
「たのしかったー」
「えぇ、そうでしょうね。いけない事をいっぱいしていたようですから」
そう言いながらおデコにタオルを乗せられましたー気持ちがいいです。
ドアを叩く音が聞こえてみたら、お母様が入ってきました。
「セシルはどう?」
「奥様、ばっちり風邪をひきましたね。あんな雨の中、泥だらけで遊んでいたので。王子たちは大丈夫でしたか?」
「まぁ、二人は全然平気だったわ。セシルのくしゃみで気づいたみたいよ。セシル、体調はどう?」
「ママ〜」
「困ったお兄様たちね。セシルにはちょっと無理な遊びだったのよ」
「ぴちゃぴちゃたのしかったよー」
お母様が頭をなでなでしてくれます。気持ちがいいです。
「お顔が真っ赤っかね。セシルはお兄様たちと体力が違うのですから、無理な遊びはだめよ。そもそも、雨の日に外遊びなんて風邪を引くのが当たり前なんだから」
「はーい」
「もう、寝なさい」
ぽんぽんされたら気持ちがいいです。気づいたら寝ちゃいました。
でも次の日から辛くなりました。
「イネスー!!!あたまいたいー」
「はいはい、んー熱は昨日と同じくらいですね。お口をアーンってしてください」
「あーー」
「真っ赤ですね。お医者さんもそろそろ到着するので、もうちょっとがんばりましょうね」
「うぇ」
お医者さんがくるんですか、それは嫌です。でも、お布団から逃げれないです。体が重いのです。もぞもぞしてる間にお医者さんがきちゃいました。
「こんにちは、セシル姫。お顔が真っ赤ですね」
「へいぎなのぉー」
あれ?声が変です。
「うん。声もガラガラになってますね。風邪ですね〜。聞きましたぞ、王子たちと中庭で雨の中泥遊びしたとか」
「うじゅーぬおにいざまがいいっていっだのぉー」
「そうですか、たのしかったんですね」
「うん」
お医者さんが診察し終わったら、粉を飲まされました。ものすごく苦いです。
「にがぃぃまずぃ」
「これから熱が上がると思いますので、水分補給を適度に行ってください。熱が上がり過ぎたらこちらの薬を、呼吸がおかしくなったら、炎症を抑えて呼吸を楽にするこちらの薬をのましてください。」
お医者さんがイネスと婆やに色々説明すると、出て行っちゃいました。なんだか眠くなって寝て起きるとお外は真っ暗です。
「まっぐらぁ」
横を見たらお人形が増えてます。これはジョゼフお兄様のおうまさんです。
「いねすー」
呼んだら、扉がうっすら開いてイネスがきました。
「セシル様?お目覚めになられたんですね」
イネスが体を起こしてくれました。お熱を測って、クッションに寄りかからせてくれました。
「喉は乾いてますか?お食事はできそうですか?」
「のどかわいたー」
「わかりました」
イネスはセシルの手を握って横に座りました。あれ?取りに行かないんですかね?そう思ってたら婆やがカートをおして入ってきました。カートには暖かそうなスープと飲み物とフルーツが並んでます。
「少しでもいいので、スープ飲みましょう」
そう言って婆やがあーんてしてくれました。少し飲んだけど、なんだかもういらないです。フルーツも一口食べてもういいです。お薬は苦いです、もう嫌です。
「いねすーらぱんふらむーじょじょのおうまさんといっしょにねるのぉー」
ジョゼフお兄様のおうまさんを抱っこしながら、欲しいぬいぐるみをいったら、ぬいぐるみのお家から持ってきてくれました。お兄様のおうまさんとセシルのラパンフラムと一緒に寝んねです。
「よこはいやー」
「横になるのは辛いですか?」
「うん」
息がしづらいですよね。
「では、もう少し斜めにしましょうね」
クッションを並べ直していい感じにしてくれました。
「何かありましたら直ぐにお呼びくださいね」
「あい」
「おやすみなさい」
「あい」
ぽんぽんされたらまた眠くなっちゃいました。さっき起きたばっかりなのに。
*
「いたいぃーーー!!!」
痛くって息苦しいです。目が覚めちゃいました。
「はい、セシル様、鼻をちーんですよ」
イネスが鼻紙をあててきました。なんと出しても出しても鼻水が止まらないです。頭も痛いです。
「ふぇええ」
「辛いですね〜お薬飲みましょうか」
「苦いから、いやぁあああああ」
おでこを触られました。イネスの手が冷たくて気持ちがいいです。
「ん〜熱も上がってきてますね。今度は甘いですよ。ほら、ゼリーと一緒です」
「ゼリー・・・」
「はい、あーん」
つるんと入ってゼリーおいしいです。甘さが足りないです。
「もっと甘いのがいい」
「結構甘いですよ。これ、お口の中苦いですか?」
「にがぃーーー」
「はい、あーん」
パクって食べたら、中にザラザラしたのがありました。でもゼリーはおいしいです。
「お薬飲めましたね。じゃー少し寝ましょうか」
「やだぁー」
「ラパンフラムも一緒ですよ。姫様いっしょに寝ましょう」
イネスがぬいぐるみのおててを振りながら綺麗にまたぬいぐるみを横に並べ始めました。
「おにいしゃまと遊びたいー」
「その鼻声が治って、元気になったらたくさん遊べますよ」
「ひっく」
「お水はここに置いておきますね。」
お腹をポンポンされちゃいました。ぐずぐず言ってるうちに眠くなっちゃいました。
*
「イネス〜、セシル大丈夫?」
エドガー様がひょっこりと顔を出してきました。
「大丈夫ですよ。今眠られています。」
「セシルお熱下がったー?」
ジョゼフ様はエドガー様の背中に張り付いていましたか。ちょっと罪悪感を感じてるようです。まぁ、ウジューヌ王子と一緒に旦那様とコンスタンスさんに叱られてましたからね。ウジューヌ王子はアラン王子から笑顔の猛特訓を受けられているようで、こちらに様子を見にくる時間がない状態です。毎日部屋に戻った瞬間に眠られてるそうです。
「んーまだちょっとありますね」
ジョゼフ王子はまた手に持っています。今度はドラゴンのぬいぐるみですね。
「イネス、セシルのベットに置いてあげて」
「はい、馬のぬいぐるみも気に入られたようで抱きしめて眠ってますよ」
「本当?」
「えぇ、王子のおかげで寂しくないようです」
「よかった。」
「セシル様のお加減がもう少しよくなったらお会いできますよ」
「「うん」」
「ささ、お戻りください。」
「また来るね。」
「はい」
二人は頷いて部屋を出て行きました。
*
ぱちりと目が覚めました。横を見たら、アランお兄様がベットに腰掛けてセシルの頭を撫でてました。
「ごめん、起こしちゃった?」
「アランお兄様〜」
「まだ少し、鼻声だね」
「セシル治ったのー遊びたいー」
「今は夜だから、明日の朝元気になったら遊ぼうね。久しぶりにお人形遊びしようか」
「アランお兄様と?」
「そう、僕とね、あとウジューヌも」
「ウジューヌお兄様と!ふふふ、ウジューヌお兄様嫌そうな顔するね」
「そうだね。でもセシルに風邪を引かせたからね、しばらくはセシルの遊びに付き合ってくれるよ」
なんと!だったらもう一度。
「どろんこ」
「それは、もうだめ。ひどい風邪を引いたばかりでしょ?」
「はーい。・・・でもね、セシル楽しかったよ?」
「そうみたいだね。今度するときは、暖かい時期に、僕が一緒にいるときだけだよ」
あれれ?もしかしてアランお兄様。こっそり小声で聞いてみましょう。
「・・・アランお兄様もやりたかった?」
そしたらアランお兄様が屈んで耳元でこっそり言いました。
「これは秘密だけど。・・・そうだよ」
「ふふふ、どろんこ楽しいもんね!」
「そうだね。でも、怒られちゃうからね、やるならちゃんと計画を立てないと」
「あのね、今度はエドガーお兄様も一緒にやりたいの。みんなで一緒にどろんこしたーい」
「んーエドガーかー、あいつはどうだろうね〜。まぁ嫌がったら強制参加させるかな」
「楽しそう!」
「ふふふ、二人だけの秘密だよ」
「うん」
二人でこそこそおしゃべりしてたら、扉が開いてお母様とお父様もきました。
「あら、起きていたのね。」
「ママ〜パパー」
「声がよくなってきたな。セシル、辛いところはないかな?」
「もう元気〜」
「あらあら」
お母様は苦笑しながらセシルの頬を撫でました。
「まだちょっと熱いわね〜」
「へいきー」
「いい子にしてたら、明日はあまーくて美味しいものがでるそうよ」
「あぁ、言っていたね。セシルが好きなものだ」
「なになに?」
「今日はもう遅い、寝なさい。」
お父様が頭を優しく撫でました。
「おやすみ、セシル」
「おやすみなさい。パパ」
「セシル、おやすみ。いい子で寝ればすぐによくなるわ」
「おやすみなさい。ママ」
「おやすみ、セシル。早く元気になってね」
「アランお兄様おやすみなさい」
お母様にぽんぽんされて、アランお兄様におでこナデナデされたら眠くなっちゃいました。
明日は絶対元気になってウジューヌお兄様にお姫様のお人形を持たせるのです。




