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武闘派のセシルは清楚可憐な姫様になりたい   作者: siro


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お手紙ブームです。

「おや?これは・・・おしごとがんばってね、ニコラ だいすき・・・むふふ」

 可愛い文字で書かれた紙には、拙い絵でニコラ、パパ、セシルと書かれています。

「どうした?ニコラ」

 自分の机の前で笑うニコラに気づいたレオンは近づいてみると、小さな紙切れを握っているのに気づきました。

「・・・セシルか!」

 レオンは急いで自分の机に戻って、自分宛の手紙を探しますが、見つかりません。

「なぜだ!!俺にはないのか?!」

「どうやら、私だけのようですね。う〜〜ん。孫を持つというのはこういうことでしょうか」

「お前の孫じゃないぞ!!俺の娘だぞ!!」

 しみじみとセシルから貰った手紙を見つめながらニコラが言いました。ずるいずるいと騒ぎ始めた主人にニコラは、小さなため息をつきながら紙の大きさや質を見ながら言いました。

「この紙質からして、今回は家族ではなく我々使用人だけじゃないでしょうか。たぶんこれは、厨房で使っている大きめの藁半紙の切れ端ですね。イネスあたりが用意したんでしょう、綺麗に切れています」

「なぬ」


 その言葉の通り、今日はあちこちでセシルがお手紙を置いていく姿が目撃されました。イネスがカゴに入ったお手紙をセシルに手渡します。

「はい、どうぞー」

「まぁ、セシル姫ありがとうございます。お手紙ですか?」

「えへへー書いたの〜」

 窓拭きをしていた侍女に手渡すとしゃがんで受け取ってくれました。

「読んでもよろしいですか?」

「いいよー」

「まぁ、いつもおやしきをピカピカにしてくれてありがとう ジゼル だいすき。まぁ!!私もセシル姫が大好きです!!」

「えへへ」

 ぎゅって抱きしめてくれました。

 また移動して、他の人にも渡します。みんな喜んでくれました。お手紙はとっても楽しいです。


「あらあら、セシル。今日は何の遊びをしているの?」

 お母様が廊下の先からきました。

「今日はお手紙を渡すのーみんなに、みてみて!いっぱいかいた!」

 イネスが持ってたカゴを見せればお母様が覗き込んできました。

「まぁ!たくさん書いたのね!さっきニコラが喜んでいたわ」

「やったー!」

「ママたちにはないの?」

「んとねー今日は、いつもお話できない人にあげるのぉーママたちは今度ね!」

「ふふふ、今度楽しみにしているわ」

 お母様とも別れて、のこりのお手紙を私に行きます、でも全員に渡す前にお勉強の時間になっちゃいました。

「お手紙・・・」

「セシル様、お手紙は私からお渡ししますから、お勉強に行きましょう」

「ちゃんと渡してね」

「はい。もちろん」

イネスがそういうと、代わりにルルーリナがつきました。

「ルルだ!」

「はい、セシル様。逃げちゃダメですよ」

「はーい」

 お勉強はマナーレッスンです。カップを綺麗に保つのは苦手です。手がプルプルします。苦手な授業です。

「はい、香りをかいで・・・背中が丸まってますよ」

 むむ、背中をぴんと張るとカップが揺らめいちゃいました。

「優雅に一口だけ飲みましょう」

「ずび」

 思わず勢いよく飲んじゃいました。

「ゆ・う・が・に」

「・・・・」

 音を鳴らさないように飲むのが難しいです。ごくごく飲んじゃダメなんです。

「はい、では静かに置いて」

 プルプルしちゃいます。そうだ、先生にも書いたんです。授業が終わった後にポケットに入れてたお手紙を渡したら、先生びっくりしています。

「まぁ!!姫様からお手紙だなんて!」

開いて読んでくれたら涙を浮かべてました。

「ど、どうしたの?」

「ふふふ、嬉しくって涙ぐんでしまいました。生徒からお手紙だなんて。ありがとうございます。」

先生からギュって抱きしめられました。


「お手紙ってすごいの!」

夕飯の時間にお父様たちにいったら、ニコニコ笑顔でそうだねって返してくれました。

「確かに、マナーの先生は怖いからな」

ウジューヌお兄様がそういうとアランお兄様が頭をなでなでしながら言いました。

「先生も嫌われること前提で教えてるからね、セシルからのお礼のお手紙が嬉しかったんだよ」

「そうなの?」

「コックたちも嬉しかったんだね。セシルのお皿だけ好物だらけだ」

エドガーお兄様がセシルのお皿を見ながら言いました。

「本当だーー。ぶー僕たちもお手紙書いたら豪華にしてくれるかな?」

ジョゼフお兄様がいったら、給仕のお兄さんが笑っちゃいました。

「すみません。二番煎じは無理かと」

「えー」

「下心丸見えじゃ無理ね〜みんなが聞いちゃったし」

お母様も笑いながら答えました。


「おーセシルのお皿、ラパンやお花がいっぱい!」

 セシルのお皿に乗ってる野菜が全部お花とかウサギとか猫になってます。

「ほう、あいつ張り切ったな。飾り切りじゃないか。」

お父様もお母様もセシルのお皿を覗きにきました。

「かわいいー!!」

「それじゃ、セシルは残さず食べないとダメね。せっかくの料理だもの」

「うん!」



その日から屋敷でお手紙交換するのが流行りました。

お父様はお母様へ、お母様はお父様へ。みんな誰かしらに送ってます。


「イネスは誰に書いたの?」

「ふふふ、もちろんセシル様ですよ」

「やったー!」

 セシルにはたくさんのお手紙がきました。お手紙と一緒に、お花や小物も付いてきます。あとお菓子も!


「お手紙って楽しいね!みんなニコニコになるの」

「そうですね」

 イネスもニコニコ。今日は誰にお手紙書こうかな〜。



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