セシルにも羞恥心はあるんです。
朝ごはんの場所にアランお兄様も、ウジューヌお兄様もいませんでした。ヴィルジニー姫もアンヌ姫も。
「イネス〜お兄様達は?」
「セシル様、スプーンをくわえたまま喋っちゃいけません。アラン様達はお外でお食事していますよ。あとで伺いましょう」
「・・・そうなの?」
一緒に食べたかったです。食事が終わったら早速お兄様達の所にいきました。
なんとみんなでお外でお食事をしてます、セシルは一人で食べたのに!。お兄様達も地面に座って食べてます。駆け寄って抱きついたら、隣にハンカチを広げて座らせてくれました。とりあえずお兄様のお洋服は掴んでおきますね。
「セシルもお兄様達と食べたかったー!!」
「ごめんね」
みんなスープ見たいのと固そうなのを食べてます。あーんってしてもお兄様はくれません。
「セシルにはまだ早いかなー。お腹こわしちゃうよ」
「えーー」
「お、セシル。朝飯ちゃんと食ったか?」
声に振り返ったら、ウジューヌお兄様が横に立ってました。すかさず足を掴みました!逃がしません。
「おう、どうした」
「おすわり!」
「え?」
「お、す、わ、り!なの!!」
「くすくす。ウジューヌ、お姫様が横に座ることをご希望だよ」
「あーなるほど。じゃーお隣よろしいですか?」
「いいのよー!」
ニコニコで答えたら頭を撫でられました。ウジューヌお兄様の手にも小さいボールみたいなのと固そうな食べ物を持ってます。
「セシルはいい子にしてたか」
「してたよー。セシルは一人で朝ごはん食べたんだよ!みんなと一緒に食べたかったー」
「ごめんなー。これも授業なんだよ」
「そうなのー?」
「ルーシーとは仲良く遊べてた?」
「あのねールーシとはね・・・」
*
その少し離れた女性棋士達の場所ではアンヌ達が悶絶していました。
「はう!!かわいい!!」
「アンヌ様、お食事とまってますよ。」
「ヴィルジニー!見てよ、セシル姫。超かわいい!」
見れば二人の兄王子が離れないように両手で二人のお洋服を掴んでセシル姫がお話をしています。一生懸命、家であったことを話されてる姿はとってもかわいいです。二人ともニコニコしながら聞いてますし、セシル姫も嬉しそうにお話ししています。
その周りにいる男性陣はほっこりしているようです。アラン王子の笑顔は遠征時には黒い笑顔でしたのに、今はほんわかキラキラ笑顔です。
「あーー。アラン様もこっちで食事してもらえれば近くで観れたのに」
「確かに」
「みてみて、ウジューヌ王子が離れようとすると、セシル姫頬を膨らまして怒ってますわよ」
「あれは、ウジューヌ王子わざとよね。」
「かわいいーヴィルジニーはセシル姫とも仲がいいのでしょ?」
「えぇ、仲良くさせていただいてます。」
「はー私もセシル姫が家にいてほしい。癒しよー、一族の集まりの時が待ち遠しくてしょうがないもの〜」
*
「さて、そろそろ出発の準備しないと」
そう言うと、アランお兄様がセシルの手をとってお洋服から外して立ち上がっちゃいました。
「え?アランお兄様どっかいっちゃうの?」
「うん。実修で来たからね、これから王都に戻るんだ」
「アランお兄様は残ってもいいのよ?」
せっかく帰ってきたのに、王都になんて行って欲しくないです。
「セシル」
アランお兄様が困った笑顔をしちゃいました。
「ねぇ、ウジューヌお兄様。アランお兄様残っていいよね?だってあとちょっとでおうとの暮らしは終わるんでしょ?」
「んーそうだけどお勉強もあるからね」
「アランお兄様は頭がいいいからいいの。ね?ウジューヌお兄様も説得して」
「おい、俺はどうでもいいのか?」
「え?」
「おれも王都に戻るぞ」
むすっとした顔でウジューヌお兄様が言いました。どういう事でしょうか。
「え?ウジューヌ兄様おうとに戻るの?なんで?」
「ん?いや、普通に考えて戻るだろ?」
「なんで?」
「いやいやいや、セシル。お前俺の扱いおかしくない?」
「どうして?」
「俺もアランお兄様と一緒。戻るの」
「なんで戻るの?ウジューヌお兄様なら抜け出しても大丈夫だよ?」
「いやいやいや」
「いつもお勉強抜け出してるんだから大丈夫。ね?」
「説得の仕方がおかしいだろ!」
「んーセシル。ごめんね。ウジューヌも王都に戻らないといけなんだ。あと数週間で僕たちもお屋敷に帰ってくるから」
「ダメ」
またセシル一人でお留守番なんてダメです。
「ダメかなー?」
「ダメだよ。セシル泣いちゃうよ?泣いてもいいの?」
「んーもうおめめに涙が溜まってきてるね」
そういってアランお兄様が目尻に口づけをおとしました。そんなんで騙されないです。セシルは一緒にいたいんです。
「アラン、片付けを始めて…妹君か。」
誰かがきました。誰ですか!アランお兄様を連れて行こうとする人は!
「あぁ、アルベール。セシルご挨拶しようか」
むすっとしながらもちゃんとご挨拶しました。
「セシル・アン・マルディです。」
「アルベール・アン・メルクルディです。お見知りおきを、セシル姫。貴方の兄君と親しくされてもらっているよ」
「ん?お友達?」
見上げたお兄さんは青い髪で黄色っぽいようなオレンジ色の瞳でかっこいいです。アンってついてるってことは、セシルたちと同じ爵位でしょうか。髪の毛の色も濃いです。
「そうだよ。セシル。彼は僕の友達なんだ。」
「へールッツに似てる」
「・・・そうだね。彼とは親戚だね」
アランお兄様の笑顔がちょっと怖くなりました。
「あのね、アルベールしゃま・・・様!アランお兄様はセシルと一緒にいるの」
ちょっと噛んじゃいました。アルベールさんは変な声出してますけど気にしません。笑いそうになってないです。
「なるほど、妹君はお兄様と一緒にいたいのか。さすが・・・」
「何かな?アルベール」
「いやー兄弟にてるなーって思ってね。それより、ウジューヌ君のグループの様子を見に言った方がいいんじゃないかな?」
「あ!!そうでした。ありがとうございます。セシル。また後でな。」
そう言ってウジューヌお兄様がかけ出しちゃいました。
「あ!!ウジューヌお兄様はいっちゃだめなのーー!!!」
***
「じゃ、またね。セシル。いい子で待ってね。お手紙いっぱい書くから」
「うん」
「帰ったら。またいっぱい遊んでやるからな。いい子にしてろよ」
「うん。ひっく」
お兄様たちはあっという間に野営の片付けを終わらせちゃいました。セシルはまたお留守番になっちゃいます。
「うっ・・・・ひっく」
「静かに泣かれると、すげぇ罪悪感わくんだけど。いつもみたいに大泣きしてくれた方が元気があってマシだな」
「セシル〜泣かないで。」
アランお兄様が目尻にキスしてくれますけど無理です。いつもみたいに大泣きしないだけです。知らないお姉さんお兄さんの前では流石に恥ずかしいだけです。耐えてるんです!ウジューヌお兄様は魔力を練って、ラパンフラムのブローチを作ってくれました。
「ほら、ラパンフラムだぞ。俺が帰ってくるまで、一緒だ」
そしたら今度はアランお兄様が小さい薔薇を作ってセシルに握らせました。
「僕たちの可愛いお姫様。今は薔薇で我慢して、向こうに着いたらお手紙を書くから、あと可愛いぬいぐるみもね。」
薔薇は宝石みたいにキラキラして綺麗です。ラパンフラムのブローチも触ったらツルツルしてます。石みたいです。
「早く帰ってきてね」
「うん」
「おう」
「それじゃ、イネス、よろしくね」
「はい。セシル様。いってらっしゃいっと手を振りましょう」
「・・・いってらっしゃい」
「なるほど、あの兄弟が女性にモテる理由がわかったぞ」
そう言ったのは、妹としばしのお別れをしている様子を見ていたアルベールです。その言葉に、隣にいた友人、エリクも振り返りました。
「本当だ。ご機嫌伺いが凄いな。俺も妹に同じように対応すればマシになるのか?いや・・・絶対気持ち悪いとか言われそうだな。」
ブツブツ言うエリクにアルベールは苦笑した。周りを見れば、同じように作業が終わり注目している人たちが何人かいる。
そこに、同じように自分の荷物をまとめ終わったオーギュストがきた。
「間に合った間に合った。やっぱ話で聞くより見た方が凄いな。」
「なんだ、オーギュスト。わざわざ見に来るためだけにこっちにきたのか?」
「当たり前だろ?セシル姫、本当可愛いよなー聞いてた通り甘えん坊だな。朝食の時もずっと服を掴んで離さなかったよな」
「兄弟のやりとりも、なかなか微笑ましかったらしいぞ。」
「みたいだね。はぁー雲クジラの対応は面倒だったけど、アランの妹が見れたし、プラマイゼロかなー」




