僕たち男の子、セシルは女の子
中庭でルーシーと遊んでから、お兄様達が乱入して、セシルだけ除け者になりました。
「男同士の話し合いってやつだよ」
エドガーお兄様までそう言ってきました。もうこれはお父様に言うしかないですね。お父様の執務室に突撃してお兄様達がセシルのお友達をとったって報告したら頭を抱えてました。
「まだ勉強時間じゃなかったか?わざわざ、息子達が部屋の外に出ない時間を選んだのに」
「旦那様、セシル姫の声はとても通ります。きっと聞こえてくる声が変わって全力で終わらせたのでしょう。アラン王子ならあり得ます。」
「優秀な息子が怖い」
お父様の執事のニコラとこそこそ会話してしまってセシルだけ除け者です。
「パパ!!」
「あーごめんごめん。セシル。そうか、お兄様達にはパパからちゃんときつーくいうからね。セシルと遊でもらうために呼んだのに、お兄様たちが遊んだら意味ないもんなー」
そう言いながらセシルを抱き上げて頬ずりし始めました。これは、面倒なやつですね。お父様がイライラしてる時はセシルの頬をずーーーっと触ってることに気づきました。ちょっとうざいです。
これは、早々に退散したほうがいいですね。
「セシル。ママのところにいってくる」
「んーーもうちょっとパパのお膝に「旦那様」」
ニコラとお父様がにらみ合いっこしてます。
「「・・・」」
「イネス〜!!」
「はいはーい。失礼いたします。」
イネスは慣れた手つきでセシルをお父様のお膝から奪還してくれました。流石です。
「では失意礼いたします」
イネスに抱っこしてもらったまま、お父様に手を振っておきました。
その日は、ルーシーとは顔を合わせられませんでしたけど、次の日には会えました。ちょっと顔にアザとかありましたけど、ジョゼフお兄様とエドガーお兄様もちょっとだけ顔に傷がついてました。
「ど??」
「セシル様、つっこんではいけません」
イネスがこっそり耳打ちしてきました。これは言う事きいたほうがいいですね。せっかくのアドバイスです。
それに、ルーシーはセシル達のおうちに住むようになりました。使用人棟で暮らすそうです。キララは騎士みたいな格好でイネスと一緒にいます。ルーシーは従者達と似たような服です。違うのは色ですね。お兄様についてる従者の人たちは白いジャケットに紅のズボンです。ルーシーは茶色シャツに紅の半ズボンです。ジャケットもあるみたいですけど、邪魔できてないそうです。
それに、お兄様達とルーシーはあんまり仲が良くないみたいです。
「軟弱なやつをセシルの側におくわけがないだろ?」
ってジョゼフお兄様が言ってきました。どうやらジョゼフお兄様は負けてエドガーお兄様が勝ったらしいいです、何かに。
それでルーシーは剣が得意だってことは知ったので必然的に外遊びになってます。セシルは苦手ですけど、的当てはセシルの方が上手でした。
「くそー」
「ふふーん!セシルはママに教わってるのー」
自慢げにいったらキララも褒めてくれます。
「素晴らしいです!セシル姫!!なるほど!シュゼット様なら頷けるね〜彼女若い頃から得意なのよね。」
キララが後ろから点数を見ながら言いました。
「キララー凄い?凄い?」
「えぇ凄いです!それにしても、ルーシー!年下の姫に負けるだなんて、せめてもう少し接戦してくれると母さんとしては嬉しいだけどね」
「別にーちょっと手を抜いてやっただけだし。ほら、おれ年上だから」
「・・・後半かなり焦ってるように見えたけどね」
ルーシは口笛を吹きながら、落ちた矢を拾いに行っちゃいました。
そんな風に遊んでましたけど、セシルには物足りないのです。お兄様たちは相変わらず忙しくて一緒に遊んでくれないし、セシルのお勉強とお兄様のお勉強も最近被らないですし。イネスは今はお友達と遊ぶのもお勉強ですって遊んでくれない、セシルはそろそろドールハウスや絵本を読みたいんです!
それなのに!!
「セシルの遊びはいやなの?!」
「人形遊びなんてつまんねーじゃん。それに男の遊びじゃないね!」
思わずむすっとしちゃいました。
「ルーシーはセシルの遊びかかりっていうのなんでしょ?セシルはドールハウスで遊びたいの!」
「俺は中庭で遊びたいんだ!」
「セシルはドールハウスなの!!アランお兄様やエドガーお兄様は一緒に遊んでくれるもん!!!」
お兄様の話をしたら嫌そうな顔をしてきました。
「しょうがねぇな」
「しょうがないじゃないもん!!」
ブツブツ文句を言いながらルーシーは遊んでくれましたけど全然楽しくないです。だってお皿並べてもすぐ散らかしちゃうんです。
「お茶会はお皿投げちゃだめなの!」
「んだよー別に良いじゃん。よく飛ぶぞ」
「やめて!壊れちゃう!お姫様はそんなことしないもん!!」
「俺は姫様じゃないし、騎士になるんだぜ。てか騎士の人形ないの?」
そう行っておもちゃ箱を漁り始めました。騎士のお人形はお兄様たちのです、セシルのじゃないです。
「騎士はお兄様のお人形なの!!ダメなの!!」
「良いじゃん。遊んでないんだし」
「ダメなの!!」
ドールハウスに騎士のお人形は置かないんです、だって大きさが違うんですもん。それなのに無理やりドールハウスにルーシーは突っ込んじゃいました。
「うぅ・・・違う!!やめて!!セシルの大切なドールハウスなの!!」
「んだよー人形遊びしてるだろ〜」
そう言いながらお人形を飛ばすのやめてほしいです。セシルの大切なお人形が壊れちゃいます。
「いや!!やめて!!違うもん!!もういい!!!イネス!!!」
「はい、セシル様」
「セシル、イネスと遊ぶ!!ルーシーとはイヤー!!!」
「まぁまぁ、セシル様落ち着いて」
「セシルは女の子と遊びたいー!!!クロエと遊びたいー!!!わーーーーん」
「うげ。そ、そんなに泣くなよ」
ルーシーが慌て始めました。そんなの知らないです。
「セシル様、落ち着いて」
「わーーーーん」
「どうしました?セシル姫」
扉を開けて入ってきたのはキララです。お部屋で遊ぶときは廊下に立ってるキララが入ってきました。
「ルーシーがぁあああ!!!お人形大切にしてくれないぃいい!!!アレットおばあさまから貰ったドールハウスなのにいぃ!!」
「うちの息子の人形遊びが悪かったんですね。アレット様からいただいたものだったのですか。まぁ、じゃーセシル姫が大切にしてるのを使わせてもらってたんですね」
キララがセシルを抱っこしながらルーシーの頭にゲンコツが落ちました。
「いてっ!!かあさ・・・」
ルーシーが何か言う前にキララが首根っこ掴んで廊下に放り投げちゃいました。凄い音がしました。
「セシル姫、しょうがないですよ。王子たちは姫様の遊びを知ってますが、息子は全くしらないんですよ」
よいしょって言いながらキララが頭をなでなでしてくれてますけど、もう無理です。
「セシルは!ドールハウスで遊びたいのぉー!!」
「よしよし、落ち着いてください。慣れないことばかりで疲れたんですね〜そうですよね〜」
「わーーーん」
イネスがおろおろしてます。
「セシル様、やっぱりあの時点で止めておけばよかったですね。いつもと泣き方が違います〜。」
「今回はお友達との遊びのお勉強も兼ねてたんだから、しょうがないさ。これは、あれだね。ストレスが溜まってたんだよ。いくらお友達っていってもね〜。初めて合った男の子と遊ぶとなるとね。息子に気を使ってたんだろう。姫様は優しいね。しかも大切なドールハウスまで使わせてもらったのに、全くうちの息子ときたら」
キララはちらりとみたドールハウスにため息をついてます。
「・・・かあさん」
扉の向こう側からこわごわ覗くルーシーがいます。
「お前は年下に気を使われて恥ずかしくないのかい?姫様は絵本やお人形遊びもするって教えただろうが。それをこの数日、お前に合わせて外遊びしかしてなかったんだから」
「・・・」
「すいませんね、セシル姫。今日は王子たちにお願いしましょう」
そう言うとキララがお兄様たちのところに連れてきてくれました。
そこにはエドガーお兄様とジョゼフお兄様がいました。ウジューヌお兄様とアランお兄様はいないです。
「あれ?セシルどうしたの?泣いちゃったの?」
「えっぐ、えっぐ。セシルのドールハウスぅ」
「セシルのドールハウスがどうしたの?」
エドガーお兄様が抱っこしてくれました。
「すいませんね。王子様がた、うちのバカ息子がやんちゃをして、姫様のドールハウスを散らかしちゃいましてね」
「あぁ、セシルのお気に入りだもんね。遊ばせてあげたの?あいつに」
エドガーお兄様がちょっと怖い顔をしてます。ジョゼフお兄様は頭をなでなでしてくれてます。
「だって、セシルはドールハウスで遊びたかったんだもん」
「そっかー。じゃー僕と一緒に遊ぼうか。」
「エドガーお兄様と遊ぶぅ。ジョゼフお兄様は?」
ジョゼフお兄様はを見上げたら、ニッコリと微笑んでくれました。
「僕は今度遊ぶよ。エドガーお兄様」
「うん。行って良いよ」
「はい」
「次は負けずにね」
「もう対処方法は覚えた」
「よし!」
そう言うとジョゼフお兄様が飛び出して行っちゃいました。
「ひっく。ジョゼフお兄様はどこいったの?」
「成敗かな?」
ニッコリ微笑みながらエドガーお兄様と子供部屋に戻りました。壊れちゃった家具と大丈夫な家具を分けて、お姫様のお茶会をしてたら。顔にアザをつけたジョゼフお兄様が入ってきました、服もボロボロです。
「成果は?」
エドガーお兄様が聞くと、ジョゼフお兄様がにやりっていう顔をして掲げたのは土で汚れたズボンでした。ジョゼフお兄様は履いてます。誰のズボンでしょう?
「よくやった!」
二人はハイタッチしてます。
セシルには謎です。お部屋にいるイネスの方を見ても苦笑しかしていないです。外で何か叫んでる声がしますけどよく聞こえないです。
その日はルーシーを見かけませんでした。夜にあったアランとウジューヌお兄様はエドガーお兄様とジョゼフお兄様を褒めてました。お父様は唸ってます。
夜の談話室でレオンとシュゼットはワインを傾け、アランは横でヴァイオリンを弾いていました。練習を兼ねて両親のBGM係です。
「ん〜また腕をあげたな」
「ありがとうございます。・・・セシルの遊び相手はルーシーで決定なんですか?」
アランの問いに、レオンはワインのグラスを睨むように唸ってしまいました。
「貴方、やっぱり女の子の遊び相手がいいと思うのよ。今日みたいなこともあるし」
「んーだがなー。セシルと年齢が近い子で王都に行かない子がいないんだよなー。」
「クロエちゃんは、今年は王都ですものね」
「そうなんだよなー。何かあった時に対処できるだけの能力と、信頼等を見ると、ルーシーしか見つからなかったんだよ。下手に選んでご家族が危ない目にあってはいけないしね。」
父親の言葉にアランはなるほどっと呟きながら緩やかな伴奏を引き続けます。
「でもね、貴方。セシルが泣きながら女の子の友達が良いって言ってきたのよ?しかも手に壊れたドールハウスのおもちゃを持ってね。」
シュゼットの言葉にレオンは残りのワインを煽り目をつぶって唸ってしましました。
「んーーー」
「イネスには、これまで通りドールハウスと絵本の遊びの時は相手をしてもらう形でいいのではないですか?無理にルーシーと遊ばせてセシルが泣くよりは」
アランはエドガーにしがみついていたセシルを思い出していました。帰ってきたらエドガーかジョゼフにしがみついて離れない状態だったのです。あれは絶対にルーシーを警戒していたに違いありません。本人は気づいてないようでしたが。
「だながー。そうするとイネスの仕事がなー」
「イネスからもハラハラするくらいなら自分が一緒に遊びますって言われてしまったわ」
「来年は王都に行くし、そろそろ他のお友達と遊ぶことを知らないとな〜なんだかんだ、セシルには甘やかしちゃうだろ?」
その言葉に、アランとシュゼットは目線をそらしました。




