セシルはタイミングがいいらしいです。
セシルは気づきました。
「セシル、ジーナお姉ちゃんと遊んでない!」
「あら、お口にクリームがついてるわよ」
お母様がセシルのお口をふきふきしてくれました。おっと、夢中で食べてて気づいてませんでした。そうだ、忘れないうちに言わないと。
「ママ、セシル遊んでない!」
「そうね。あ、パパ達が帰ってきたみたいよ」
「パパ?アランお兄様も?」
「セシル、お父様達を連れてきてよ」
「はーい!」
椅子から飛び降りると、そのまま玄関に向かって駆け出しました。
「お、セシルただいま。」
廊下の途中でお父様とアランお兄様がいました。
「おかえりなさーい!」
お父様が抱っこしてくれました。
「セシル、いい子にしてた?」
「してたよー!今ね、ママ達とおかし食べてたー」
「へー・・・いつもより早いね」
アランお兄様が首を傾げてます。
「ウジューヌお兄様とジーナお姉ちゃんは二人でお庭に行ったのー・・・あ、セシル遊んでない」
「セシル様。お茶会の続きをしましょう。旦那様達もご一緒に」
イネスがいきなり大きな声で言いました。いつもそんなことしないのに
「あ〜なるほど、そうだね。少し休憩しようか。アラン」
「くすくす。はい、お父様」
「お?パパとお茶会!!久しぶりなのー!!」
「そうだね。最近いそがしかったからね〜」
やりましたー。久しぶりにお父様も一緒です。お部屋に戻って来れば、もう椅子が用意されていました。
「お帰りなさい。あなた」
「ただいま」
お父様とアランお兄様に挟まれてお茶会です。やりました。ジョゼフお兄様が狡いっていってますけど知らないです。セシルの特等席です。
もぐもぐ食べてるうちにお外が騒がしくなってきました。
「あら、帰ってきたのかしら?」
お母様が首を傾げてると、侍女さんが慌ててお部屋に入ってきてお母様に耳打ちしました。
「まぁ、それは大変。すぐに湯殿の準備して。」
「かしこまりました」
「貴方、ちょっと席を外しますね。対応でき次第お呼びしますから、お部屋から出ちゃダメですよ」
お母様は侍女さんと一緒に慌ててお部屋を出て行っちゃいました。
「どうしたの?」
「さて、何かあったみたいだね。男衆はでちゃだめってことだねー」
「セシルはー?」
しばらくすると、執事さんがきてお部屋を移動しました。そこには、さっきとは違うラフな服をきてるウジューヌお兄様がソファの上であぐらをかいてました。
「あ、ウジューヌお兄様!!とう!」
お兄様のあぐらの上にダイブです。
「うわっ」
「なんでお着替えしてるのー?ジーナお姉ちゃんは?」
ゴロンと仰向けになりながら見上げると、ウジューヌお兄様が気まずそうに顔をそらしました。
「今度は何をしでかしたんだ?」
お父様があきれた様子で聞いてきます。
「ちょっとふざけてたら、湖に落ちただけ」
「・・・ウジューヌお兄様、ジーナお姉ちゃんを脅したの?!」
セシルが小さな悲鳴をあげながらいったら、ジョゼフお兄様とエドガーお兄様が
「サイテーですー。ウジューヌお兄様」
「セシルだけじゃなくジーナお姉ちゃんまで!」
「うるさいぞ二人!」
「「ぎゃー」」
二人はアランお兄様の背中に隠れました。セシルはビヨーンとウジューヌお兄様のあぐらの上で寝そべり中です。
「セシル。お前眠いんだろ」
「・・・眠くないよ」
「いや、絶対眠いんだろ。顔に菓子クズがついてるぞ。」
「セシル、寝るなら子供部屋に移動しようか」
アランお兄様が顔を覗き込みながら聞いてきました。
「やーだー。ジーナお姉ちゃんんと遊ぶのー」
「んー目がトロンっとしてるね。」
アランお兄様に頭をなでなでしてもらえました。やったー
「あら、セシルはしたないわよ。」
「「あ、お母様」」
「ままー」
「ヴィルジニー姫、弟がすまないね」
およ?アランお兄様さっきまで横にいたのに、いつの間にかお母様の後ろにいたヴィルジニー姫のところにいました。
「アラン王子!?」
「アラン兄様?!」
アランお兄様は驚くヴィルジニー姫をそのままエスコートしてセシルたちの向かい側に座らせました。あれ?着てるドレスがさっきと違います。
「セシル起きようか。ヴィルジニー姫の前だよ」
アランお兄様が声をかけてきましたけど、セシルは動きたくないで首を振ってウジューヌお兄様の腰にしがみついておきます。
「ダメだ。アランお兄様。セシルの体温上がってる。たぶんもうすぐ寝る。」
「ねないーーー」
せっかくヴィルジニー姫に会えたのに、何をいってるのでしょう。あ、でもその頭なでなでは心地いです。
*
「寝ちゃったわね」
すやすやと規則正しい寝息を立て始めたセシルをシュゼットは苦笑しながら頭を撫でた。
「ごめんなさいね。ヴィルジニー姫」
「いえいえ!!」
「ウジューヌ、セシルは剥がせそう?」
「まだ無理。しっかり掴んでる」
指差したのは、脇腹あたり。そこにはしっかりと服を積むセシルの手がありました。
「しょうがない、脱ぎなさい。」
「ですよねー。」
母親の一言でウジューヌはすぐにシャツを脱いだ。
「きゃっ!!」
驚いたのは真向かいに座っていたヴィルジニー姫でばっちし上半身を見てしまいました。その顔は真っ赤です。
「「あっ」」
その時になって、年頃の女性には刺激が強いということを周りは思い出しました。
「ご、ごめんなさい!!息子ばっかりだったからすっかり忘れてたわ!!年頃のお嬢さんに見せるものじゃなかったわね」
直ぐに従者が変えのシャツを渡して羽織っている間に、ウジューヌの足の上で眠っていたセシルはイネスに回収されていきました。手にはしっかりとウジューヌが着ていたシャツを持って。
「なんか、恥ずかしがられると恥ずかしいな」
いそいそと前を締めながら、ほんのり頬を染めながらウジューヌが言えば、アランがニヤリと笑って聞きました。
「どう?ウジューヌの体は」
「アラン!やめなさい!!」
エドガーとジョゼフは、イネスの後ろにくっついて退散です。こう言う時は本能に従ったほうがいいのです。
「ねぇねぇ、イネスは平気だよね。ウジューヌ兄様の裸みても」
エドガーは前を歩くイネスに聞くと、少し考えてから答えました。
「んーーー。それはたぶん。私、弟がいますし。貧乏なので下の子たちがお風呂を嫌がったりしたら、服をひん剥いて入れるとかしてましたから。平気ですね。すっぽんぽんでも」
「おー」
「いや、弟と男性の体は違うと思いますよ?!」
思わずエドガーたちの後ろについてきていた従者のバジルが突っ込むと、イネスはまたしばし考えてからいいました。
「なんと言いますか、こちらで働くようになって、誰かしら上半身はだかとかよく見かけますし。慣れでしょうかね?」
「もしかして、イネス嬢の教育に良くないのでは?」
隣を歩くコームは思わず呟きました。
「「・・・」」
「エドガー王子とジョゼフ王子はよろしいのですか?一緒に子供部屋にきてしまって」
「うん。あそこにいたら、僕たちも巻き込まれる」
「うんうん」
そう言いながら二人は、セシルが寝かされたベットに上がり込んで一緒にお昼寝モードに入りました。
「もうお二人にはお昼寝必要ないじゃないですか?」
「セシルが起きた時に一人だったら寂しいでしょ?」
「昼間の乗馬で疲れたし」
二人はそう言うとさっさと目を閉じてしまいました。
「つまり、疲れていたんですね」
バジルの言葉に、エドガーは手だけひらひら振って答えました。
「では、私たちは隣の部屋で待っていましょう。きっと奥様がヴィルジニー姫を晩餐にお誘いしてますでしょうし」
そういって、バジルは隣の部屋に用意されている茶器でお茶の準備をし始めました。
「そうなんですか?」
「えぇ、ヴィルジニー姫がきていたドレス。実はウジューヌ王子が選んでいたドレスなんですよ。といってもドレス画を見てチェックしていただけらしいですけどね。」
バジルの言葉に驚きです。
「え?!」
「それに気づいた奥様が、向こうの家に問い合わせてサイズを調べてから、ドレスを用意させていたんですよ。といっても、無難な普段着用のだけにしたらしいですよ」
「それは・・・」
「多分あの部屋では今頃そういうのがバラされていると思います。」
「・・・」
「僕たちもセシル姫がいいタイミングで寝てくださって助かりました。」
ニッコリと微笑む従者二人にイネスはなんとも言えない表情になった。その場に自分がいたら、被害はないとは言えいたたまれなくなってそうです。




