お茶会は嵐のように
お母様と一緒に大人のお茶会です。お父様は、紳士の社交場らしいです。
「あらあら、可愛らしいお姫様だわ」
「まぁ可愛い」
大人ばっかりのお茶会です。知らない人ばっかりです。なんか想像してたのと違います。ドレスの波が、どわどわーって迫ってきました!!!お母様のお手手を握りしめてたら外されて前に立たされました!
「セシル、ご挨拶して」
「しぇ・・・セシルでしゅ」
わーーーん!噛んじゃいました!!しかも2回も!恥ずかしいです。逃げるようにお母様の後ろに引っ付いたら、みんなに笑われちゃいました。
「ふふふ」
「あらあら」
「可愛い〜」
「ふふふ、知らない場所で緊張しちゃったのね」
もうお家に帰りたいです。
「大丈夫よ、セシル。」
お母様が頭なでなでしてくれましたけど、セシルはむりですー!でもお母様に連れられて、お菓子が乗ったテーブルに着きました。椅子はセシル専用の椅子になってます。人一人のお皿にケーキが乗せられていって、お茶もいれられました。おいしそうです!
「ふふふ、どうぞ召し上がれ」
目の前に座ってるご婦人に勧められました。遠慮なくいただくしかないですよね!!
もぐもぐしてたのに、なんかいろんな人がセシルたちのテーブルに近寄ってきます。いろんな人がセシルの顔をみにきて落ち着かないです。
「まぁ、緊張してるのね。可愛いわ〜」
「もうこんなに大きくなったのね」
「5番目の子?やっと女の子が生まれたのね」
「あらあら、お口にケーキがついてるわよ」
「いいこね〜うちの子は連れてこれないわ。まだやんちゃなのよ」
「あら、シュゼット婦人にそっくりね。旦那様が溺愛されてるんじゃない?」
「そうなの、もう大変よ」
「ほほ袋にお菓子がパンパンね。可愛らしいわ」
「こういうお茶会もいいわね」
お、落ち着かないです。お母様は席にくる人たちと会話しててセシルを見てないです。でも、くる人たちはみんなセシルを見てます。
人波終わったところでお母様がふぅってため息をついてセシルを見ました。
「こぉら、フォークをしゃぶらないの」
あ、いつのまにかフォークに刺してたケーキが消えてました。しゃぶってたんじゃないんです。ケーキが消えただけなんですよ。
「ふふふ、セシル姫は今日の主役ね」
一緒のテーブル席にいたご婦人の一人が言いました。なんか自己紹介された気がするんですけど、名前はもう忘れました!いっぱいいるんですもん!
「それにしても、アラン王子が溺愛しているって聞いたけど」
「そうなのよ。初めての妹だからか、アランだけじゃなく他の兄弟もなの。もう大変」
お母様が扇子を扇ぎながら大きなため息をついてます。セシルはお口にケーキを入れておきますね。
「兄弟仲がよろしいのね」
「先日のお見合いでは、アラン王子は妹姫の話ばかりしていたとか」
「まぁ!そうなの!?」
お母様がとっても驚いた声をあげました。お見合いって、セシルとジョゼフお兄様と一緒にらん・・・遊びに行ったあれですか?
「ふふふ、可愛い妹君が最後入ってきたとか」
なんのことでしょうかね、セシルは知らないですよ。あ、紅茶を飲みましょう。とってもいい香りです。えっと、あと味を見て、なんだっけ?お茶の種類を当てられたら合格なんですよね。セシルの紅茶はミルクが入って甘くて美味しいです。いい仕事してますね!
「エルザ婦人のところにまでお話がいってしまってるのね。もう、あの日は大変で」
あ、お母様が話し始めました。セシルは知らないですよ。ケーキはもうすぐなくなりそうです、どうしましょう。席から降りたらダメですかね。とか思ってたらお母様の手がセシルの膝の上にぽんて乗せられました。
これは、じっとしてなさいってことですか。セシル辛いです〜飽きました〜ついてくるんじゃなかったですー。
「ふふふ、お姫様が小さくなってるわよ。シュゼット婦人」
「あら、本当だわ」
お母様たちのお話はセシルにとって退屈でした。お家でやるお茶会の方が楽しいです。お兄様たちもいるし、イネスもいるし。キョロキョロしてたら、入り口にアランお兄様がいました。
「あ、アランお兄様だ」
「え?」
お母様も振り返ってみてます。
「あ、いた」
アランお兄様がこっちにきました。
「アラン、どうしたの?!」
お母様が驚いて立ち上がりました。
「僕だけちょっと休憩に来ました。」
「えぇ?!」
「アランお兄様!抱っこ!」
セシルはもう辛いですー。
「ふふふ、いいよ。お姫様」
アランお兄様が抱っこしてくれました。あー安心します。なんでしょう、この安定感。離れたくないです。
「こら、セシル!もう赤ちゃんじゃないんだから」
「ふふふ、お母様、セシルは緊張して疲れたんですよ」
「アラン、そうやって甘やかしてはダメよ。それより、どうしてここに?お茶会はどうしたの!」
「だから、僕だけ休憩です。というか、いると収拾がつかないそうで追い出されたんですよ。ねー」
「ねー?アランお兄様、追い出されたの?じゃーもう終わり?」
「んー休憩だからね、まだあるんだ」
「えー」
給仕の人がセシルの椅子をどかして大人の椅子に置換えました。アランお兄様が座って、セシルはお膝の上です。やったー。
「綺麗なご婦人方のお茶会に、僕も参加してもいいですか?この通り休憩中なので」
「ふふふ、いいわよ。シュゼット婦人も、そう怒らないで。ねぇ」
「えぇ、いいわ。アラン王子とご一緒出来るなんて、娘に自慢しちゃうわ」
一緒のテーブルのご婦人方は楽しそうです。
「いえ、でも!」
お母様は困ってしまってます。
セシルはつまらないですーお兄様の胸元に頭をグリグリ押し付けてみたらお兄様にほっぺたをつままれちゃいました。
「こらこら、イネスが頑張ってセットした髪型が崩れるだろ?だめだよ?」
「むーーーそれはいやー」
アランお兄様が、セシルの髪の毛を手で直してくれます。仕上げにおでこにちゅーしてくれました。
「はい、元どおり」
「あらあら」
「これは、いいものを見せてもらえたわ。」
「んーこの笑顔は若い子たちには毒ね」
「ふふふ、私たちには素敵なスパイスね」
「シュゼット婦人、頭痛薬によく効くお茶を今度おくりましょうか?」
「・・・お願いするわ」
「ママ?頭痛い痛い?」
「大丈夫よセシル。それで、アラン何があったの?」
お母様の問いにお兄様は笑顔を返すだけです。ちょうどいいタイミングで給仕の人が来てお兄様の分のお茶とケーキがおかれました。
そして、他のテーブルに従者の人が二人駆け寄って、ご婦人二人を連れて行っちゃいました。
「あら、あそこは姫君よね」
「そうね、あのご婦人方ともに・・・」
「アラン?」
「姫君たちがちょっとお話に花を咲かせすぎただけですよ。お母様」
「・・・」
「お花を咲かせたの?」
「ん?・・・あーそうだね。はい」
お兄様が指パッチンしたら赤いお花が咲いて消えちゃいました。
「わー!もう一回!」
「1日一回しか咲かない花なんだよ?」
「なんで?」
「炎のお花だからね、一瞬で終わりなんだ」
「えー」
アランお兄様の指を掴んでこすってみても、お花が出てきません。指パッチンしたらまた出そうなのに。
「ふふふ、お姫様もすっかり緊張が解けたわね」
「仲が良くって羨ましいわ」
お母様たちはまたお話始めちゃいました。セシルはお兄様と一緒に手遊びです。時々お兄様はお母様たちの会話に参加してますけど。セシルには難しいです。
とか思ってたら、このお屋敷の従者のお兄さんが来ました。
「アラン王子。お待たせいたしました」
「もう終わったのかい?僕はこのままずっと休憩中で良かったのに。せっかく綺麗な花を愛でていたのに」
「アランお兄様もういっちゃうの?」
「そうみたい、セシルも一緒に行く?」
「行くー」
「アラン?!だめよ。セシルも!」
「お母様、セシルもそろそろおとなしく座ってるのも飽きてくる時間ですよ。一回外で遊んだ方がいいですよ」
うんうんってセシルも頷くとお母様が何か言う前にお兄様が言いました。
「では、またご一緒出来る日を楽しみにしてます。」
言い終わると同時に、足早にお部屋の外に向かいました。
「アラン!待ちなさい!セシルはおいていきなさーい!」
「あははは」
お兄様は確信犯ってやつですね。
「アランお兄様、お母様に怒られちゃう?」
「怒られちゃうかもね?一緒に怒られようか」
「セシル泣いちゃうよ?」
「じゃー、一緒に夜ねんねしようか」
「いいよー!」
そんな風に会話して着いたのはお庭でした。そこにはお姫様や王子様がいっぱいいました。そこに一人のお兄さんが駆け寄ってきました。
「ん?その腕に乗せてる子は?」
「僕の妹だよ。セシルご挨拶して」
「セシルです。よろしくお願いします。」
「これはこれは、ご丁寧に、セシル姫。エリクと申します。」
お兄さんはセシルの手を取って、手の甲に口づけしました。おー!先生に教わったやつです。
「おー!」
「ふふふ、このご挨拶はまだだったかな」
エリクお兄さんが笑顔で言いました。
「セシル、お姫様!」
アランお兄様いうとお兄様が笑顔です。
「ふふふ、そうだね。」
そう言いながら、セシルの頬に口づけをおとしました。
「んー甘いな。てか、後ろで黄色い悲鳴が上がったぞ」
エリクお兄さんのいう通り。奥にいるお姉さんたちがざわついてます。
「お姫様いっぱーい。王子様もいっぱーい」
「そうだね。いっぱいだね」
「セシル走りたい!!」
「え?」
エリクお兄さんが驚いてます。なんででしょうか。
「んー・・・流石にそれはお父様からも怒られるかなー。確かにあの人波を駆け抜けるのは楽しいかもしれないけど」
アランお兄様はわかってくれてます!でもやっぱりだめなんですかね。お父様が怒るのは嫌です。怖いです。
「だめー?」
「だめだねー」
「ぶー」
お兄様の首にしがみつくしかないです。
「流石アラン、よくわかったな」
「そりゃー家族だからね。ってお父様がきちゃったか」
アランお兄様の声で顔をあげたら、お父様が確かにきちゃいました。
「パパだー」
「セシル、アラン」
手を振ったらお父様が困った顔をしてます。
「お父様、どうされました?」
「どうされました?だと、ったく。お前は、セシル、パパのところに来なさい」
「いやー」
「セシル!」
「大人のお茶会はつまらないのー」
パパのところに行ったら、また大人のお茶会です。それは嫌です。
「もうお茶会は終わりだよ。パパと帰ろう」
「本当?」
「本当ですか、お父様」
「あぁ・・・誰かさんのせいで大騒ぎになったらしいからな」
「へー」
お父様とお兄様の笑顔がなんだか怖いです。セシルはエリクお兄さんに手を振ることにしました。
「またねー」
「あははは、うん。またねーセシル姫」
あっという間にアランお兄様のお茶会が終わっちゃいました。早くお屋敷についてもしょうがないらしく、ちょっと遠回りして帰るそうです。
アランお兄様はずっとセシルに頬ずりしてきてちょっと苦しいです。お母様とお父様はため息しかついてないです。
「まぁ、しょうがないわよ。貴方」
「そうだな。」




