お兄様達が居ないと暇です
セシルです!今日からジョゼフお兄様と2人っきりです!お留守番です!泣きそうです!
「おるしゅばん!!」
「そうだね。お留守番、泣かないの」
頭をなでなでしながらお兄様に涙をふかれました。
「ないてにゃい!じょじょと!おるしゅばん!」
「そうだねー。ジョゼフだよ。もう一回」
「じょーじゃーふ!」
「ジョーゼーフー」
「じょーじゃーふー・・・ふたり!」
もう言い直ししました!ふんっとのけぞったらジョゼフお兄様が小さいため息をつきました。
「はぁ・・・今日はいいか。あと、二人っきりじゃないよ、屋敷の使用人が半分は残ってるよ?」
「あい?」
でも、昨日パパとママが二人でお留守番って言ってたのに、朝起きたらパパとママ達はいなかったんです。そう思ってたら後ろから誰かに抱き上げられました。
「ばあやも居ますよ。セシル様。」
「ばあや!居た!」
いつの間に!そしてばあやに、頭ヨシヨシされました。
「ずっと後ろにいただろう」
ジョゼフお兄様がため息ついてます。
「じょじょーげんきーだちてー」
「僕は元気だよ。ただ置いてかれたのがムカつくだけー。去年はお母様がいたのにさー。今年はお母様もいっちゃうなんてさー、セシルがいるから良いけどさ、去年はエドガーお兄様もいたのに」
ムスッとしながらジョゼフはセシルを抱きしめてくれました。
「エドガー様も6歳になりましたからね、王宮で王太子様との顔合わせが行われるんですよ」
婆やがジョゼフお兄様の頭を撫でながら教えてくれました。
「知ってるよーだ」
「来年はジョゼフ様の番ですよ」
「うん」
今日から2ヶ月、お父様とお母様とお兄様3人は王都へ行ってしまったのです。まさかママとパパが居なくなるなんてびっくりです。セシルの知ってる事と違います。家族は小さい時は一緒だと思ってました。
アランお兄様は学院に、ウジューヌお兄様とエドガーお兄様は王宮で王太子様と遊ぶために、お父親は貴族会議、お母様は淑女の会議に出るそうです。社交シーズンだそうです。セシルの家族は貴族だから、領内と王都って場所に屋敷があるそうです。
セシルはまだ赤ちゃんだから、領地でお留守番だそうです、ジョゼフお兄様も今年はお留守番。お留守番の間セシルとジョゼフお兄様と一緒のベットで寝て良いそうです。昨日の夜はお兄様とベットの上で大はしゃぎしてたら婆やに怒られちゃいました。
「お爺様達が明後日くらいにはくるし、それまでどうしようか?」
「じーじーくる?」
「うん。おばあさまも一緒に来るって。お爺様達は社交シーズンの後半から参加するんだってさ、それまでは我が家に滞在してくれるって。セシルはおばあさまのこと覚えてる?」
「ううん」
おばあさまにあった記憶がありません。
「そうだよねー、セシル生まれたばっかりの時にしか来てないもんね。おばあさまはね、暴れドラゴンを捕まえた時に怪我してたから、今まで来れなかったんだ。ようやく、怪我が治ったんだって」
「どやごん・・・」
ドラゴンがこの世界にいるんですね。絵本でみたドラゴン!
「セシル、ドラゴンは気位が高いから近づいちゃダメだよ」
「あい!」
「今日はどうしようか?」
「ジョゼフ様がよろしければ、お勉強もございますよ」
婆やが言うとジョゼフお兄様が速攻で否定しました。
「やらない!遊ぶ、お爺様がくるまで勉強しなくて良いってお母様が言ってたし!」
「左様でございましたね。」
ジョゼフお兄様、勉強しなくていいらしいです、ということは一緒に遊べると言うことです!何をしましょう?!やっぱりここは!
「じょじょー!たんけん!」
「え?」
「パパママいない!!おうちたんけん!」
そう、我が家はなんと大きいです広いです。セシルが今までお家って思ってたのは、一部でした!ママとパパ達を探しに駆けずり回って初めてしったんです!とっても遠かったです。
「いないけど」
使用人達は居るから悪戯したらバレちゃうよっと心の中でジョゼフはつぶやきながらも、セシルの手に引かれるまま、屋敷内の探検が始まりました。婆やも危なくなければ目を瞑ってくれるようで、ベットの下に潜り込んでも、お兄様のお部屋に入って駆けずり回っても何も言われません。
ジョゼフもだんだん楽しくなってゆき、セシルの手を繋いで屋敷のあちこちを駆けずり回り始めました。
普段入ってはいけない使用人棟に入って見たり。遊んでいるうちにあっという間にお昼になり、昼食を食べ終える頃には、午前中かけずり回ったせいか、二人とも頭がゆらゆら揺れてそのままお昼寝に入ってしまいました。
「ジョゼフ様も元気ですが、セシル様も元気ね」
「そうですね、いつもはご兄弟で遊んでいらっしゃるから心配でしたが、意外にセシル様と合わせて遊ばれるんですね。」
「まーいつもはアラン様がお相手されるから、社交シーズン中はどうしても、セシル様と会えないですし」
「そうよね。妹が生まれたって一番喜んでらしたのはアラン様ですものね」
「ふふふ、弟ばかりで妹も欲しいとねだられていましたからね」
「さて、二人には夜ぐっすり眠っていただくためにも、午後もいっぱい遊んでもらいましょう」
そう侍女と婆やが語っているのも知らずに二人はすやすや眠るのでした。




