拒否です!
ほぼ説明回
セシルはあれから、時々お爺様やお兄様から魔法とか剣を一緒にやろうと誘われるようになりました。思わず頬がふくらんでしまうのしょうがないんです。だってやりたくないんだもん。ぶわーっと炎が出るのは怖いんです。剣もこないだやったら、おでこにごちんっとなって痛いから嫌です
「セシルー、一緒に魔法やろう?」
「いやー」
ウジューヌお兄様に捕まりました。絶対に嫌です。怖いの嫌です。手に持ってるの剣です、しかも2本持ってるのわかってます。
「セシルは、えほんよむのー!」
おもいっきし暴れて、ウジューヌお兄様から逃げ出すと子供部屋に逃げ込みました。絵本をとりだして、どこかで隠れて読みます!はやくはやく、お兄様達が捕まえにきちゃいます!
「セシルー!」
絵本を持って駆け出すと、アランお兄様が前を塞ぎました。
「いやなの!」
「セシル。お兄様と一緒に、絵本のランプの炎をつけようか」
「ほえ?」
「一緒に絵本読もう」
「うん」
アランお兄様に抱っこされて、中庭に来ました。絵本も一緒です。机と椅子が置かれた場所に、侍女さんがランプを持って来て置いていきました。
「むかしむかし、あるところに」
お兄様が絵本を読んでくれます。魔法のランプが女の子を助けてくれるお話です。お話を読んでいくと、お兄様が絵本の女の子とおんなじように、ランプに炎をつけました。
「セシル、ここを読めるかな?女の子のセリフだよ」
「あい!ランプしゃんランプしゃんでてきてちょうらい!」
「すると、魔法のランプの炎が揺らぎました。セシル、炎をゆらゆらーってしてごらん」
「ゆらゆら〜?」
炎がゆらゆら揺れました。
「そう、上手だね〜」
*
「魔法は、アランに頼んだ方がよさそうね。」
アランとセシルの様子を部屋から見て居たシュゼットとレオンは足元でふてくされているウジューヌの頭を撫でました。アランは上手く絵本を読み聞かせながら、セシルに魔法を使わせることに成功したのです。
「なんで、兄様はよくて僕はだめなのさ」
可愛い妹を構いたくてしょうがないウジューヌは、誘うのが下手なせいでいつもセシルに逃げられてしまいます。
「んーアランは上手にセシルに気づかせないで魔法を使わせているんだよ。ウジューヌも、魔法を練習するぞーって言わないで、セシルが好きなことの中で使わせたらどうかな?」
そうレオンが言うと、むすっとした顔でウジューヌは言いました。
「セシルの遊びはつまんない。絵本ばっかだし、お絵かきとかだし。」
「んーセシルはまだ小さいから、ウジューヌと一緒の遊びは無理よ?」
「そうだけど・・・」
「ふふふ、ウジューヌはセシルと一緒に遊びたいのね」
「別にー」
床にのの字を書き始めた息子に二人は苦笑しながらも頭を撫でた。
「ウジューヌお兄様いるー?!」
「いるわよ、ジョゼフ」
「なに?」
「一緒に遊ぼう!お爺様がきた!」
「遊ぶ!」
先ほどまで落ち込んで居たウジューヌはすぐに元気を取り戻し、ジョゼフと一緒に部屋から飛び出していった。
「さて、私たちも行くか」
「そうね」
*
お爺様がきてしまいました。
「セシルーじいじとあそぼう」
両腕にウジューヌとジョゼフをぶら下げながらお爺様が両手を広げてます。でも絶対嫌です。また魔法使おうっていうんですよ!
「いーやー!アランおにいしゃまと絵本読むのー」
「絵本かー」
「お爺様こんにちは、セシルは絵本のランプが得意になってきましたよ」
アランが手に持っていた絵本をみせながら、いたずらっ子な顔で言えば、絵本の表紙を見てドラハは首を傾げました。
「セシル、僕と一緒に絵本を読もうか。お爺様に聞かせてあげよう」
「うん!」
そうアランが言えば、すぐに侍女がランプを持ってきて、先ほどの続きを見せました。ランプの火を灯したり、黄色や青に熱を変えて光らせたりして遊ぶ様子にドラハは思わず感嘆の声をあげました。
「ほほーなるほど。流石アランじゃ、賢いの」
せシルは絵本に夢中で魔法を使っていることに気づきません。
「とりあえず、初歩はできるようになってきましたわ。お義父様」
「ひとまずは安心か。」
セシルが絵本に夢中になっている間に、お爺様とお兄様たちが剣の稽古をしていました。
「セシル見にいこうか」
「あい」
セシルはアランと一緒に手を繋いで窓の外を見ました。楽しそうに剣を振るい、魔法を使う。
「やりたい?」
アランが聞きますが、セシルは首を横に振ります。だっていつも、向こう側にいたのです、窓の中に入りたかったのに、お姉さま達と一緒に絵本を読んだりお絵描きしたり、遊びたかったけど、いつもお父様と稽古ばっかり。辛くてもやめさせてもらえない。一回やったら終わりまでやらないといけない。
「やらないもん」
記憶の中のセシルは、あそこに行きたくないと泣いてるです。
「セシル?」
「私は可愛い女の子になりたいから、男の子の遊びはしないの」
その言葉は、今までの幼い舌ったらずな言葉ではなく、はっきりとした少女の声に聞こえました。びっくりしてアランはセシルの顔を覗き込めば、その頬は赤くなり目が潤んでいます。おでこに手を当てれば熱くなっていました。
「セシル・・・お昼寝をしようか」
「あい」
抱き上げれば、ぐったりとした様子に、アランは小さくため息をつきました。
「困ったな。」
セシルをベットに寝かせる頃には、完全に熱が上がってしまっていました。ドアのノック音で振り返れば、両親とお爺様が来ていました。
「アラン。セシルがまた熱を出しったってきいたけど」
「うん。お爺様達の稽古を見ていたら・・・セシルが・・・大人っぽい喋りで話したと思ったら熱を出したんだ。」
話した内容を3人に伝えれば、一様に悩ましい顔になった。
「んー何か強いこだわりがあるようだのぉ〜」
「困りましたわ、神の庭では女の子は剣を振るわなかったと言うことかしら?もしくは、はしたない行為とか?」
母親がセシルの頬を撫でながら痛ましげにいいました。その様子に、アランは不安げに父親の手を握ります。
「それはありえるかもしれんの。国や家が違えば、常識も変わるしな、だがマルディ家として剣に苦手意識があるのはまずい、いっその事、記憶も封印してもらうか」
「ですが、それは体に負担が。今でもセシルの体は弱いですよ?」
「だが、このままでは剣の稽古ができん。」
ずっと黙っていた父親が口を開きました。
「父上、今の状態で記憶の封印は危険すぎます。5歳まではそのままで、その後もダメであれば記憶の封印を施すと言うのはではどうでしょう?」
「その根拠はなんじゃ。5歳は遅いだろう。3歳で近い親族にはお披露目があるだぞ」
「その時点では、セシルはか弱いため遅れているで押し通します。7歳で全親族のお披露目会があります、それまでに扱えるようにするのに5歳がギリギリ間に合うかと。体も成長して来ていますし、封印にも耐えられる」
「なるほど・・・良いだろう」
「お父様」
アランが不安そうに見上げました。
「大丈夫だ、アラン。それに、セシルの魔法はお前が上手く教えているだろ。」




