お姫様は侍女が大好きです。
「デジレ」
「はい、なんでしょう」
セシルは今デジレと一緒に中庭にいます。デジレに肩車してもらって高い高いしてもらってたんですけど、中庭の先の通路の先のお部屋が見えるんです。
「あれ」
セシルが指さすとデジレも見てくれました。
「・・・」
なぜか笑顔で固まってます。頭を思わずペチペチ叩いちゃいます。
「イネスと騎士さん」
「そ、そうですね」
お部屋の中でイネスが騎士さんに話しかけられてます。騎士さんの顔が若干赤いです。しかもなんか必死に話してるみたいです。
「何してるのかなー?」
「あー・・・」
「デジレ?」
「お話してますね」
「それは、わかってるもん。騎士さん何か必死にお話ししてるー」
指差しても動いてくれないです。デジレのふわふわ髪の毛引っ張っても動かないです。
「そうですねー」
「うーごーいーてー!」
「ダメですよ〜セシル姫、今は私、デジレと遊ぶ時間ですよ?」
確かに今デジレと遊んでましたけどあっちも気になります。あ、騎士さんがイネスの方に一歩前に出ました。
「イネスと騎士さん気になるー」
「気になってもダメですよ〜あれは邪魔しちゃダメなやつです」
邪魔じゃないです、セシルも一緒に入るんです。指差してるおててをデジレに掴まれちゃいました。
「デジレは何か知ってるの?」
「いいえ、知りませんよ」
「むーーー」
デジレが動いてくれません。イネスと騎士さん楽しそうにお話してます、セシルだけ仲間外れです。
「セシルも知りたいー」
「なんでしょうねー。セシル姫髪の毛を引っ張らないでください。痛いです。」
「むーーーなんか楽しそう〜いきたいー」
「ダメですって、楽しいものじゃないですよ。それにイネスさんは今休憩中です。」
「どうしてー?エメだったら一緒に行ってくれるのに」
前にエメにお願いしたら、イネスのところに連れてってくれたんですよね。
「え?そうなんですか?」
デジレが驚いてます。
「うん。イネスのところ連れてってって言ったら連れてってくれるもん」
「エメ・・・あいつ・・・」
デジレが顔を下げちゃいました。よく見えないです。
「デジレ?デジレ?大丈夫??」
なんかブツブツ言ってます。あ、イネスが騎士さんに手を掴まれてます。あれ?手にキスされた?
「おー?あれー?」
騎士さん笑顔で去って行っちゃいました。回路を渡って行く途中、窓の前を通り過ぎるのが見えましたけど、騎士さんがガッツポーズしてます。そして顔が真っ赤です。
「顔真っ赤ーなんで?」
「ふぇ?!何がです?何を見てるんですか?」
デジレ、今頃意識がこっちに戻ってきたみたいです。というか、くるくる回られると酔いそうです。頭をペチペチ叩いたら止まってくれました。
「騎士さんね、イネスのおててにちゅーしたら、かっこよくいっちゃったー。でねあそこでガッツポーズしながら顔を赤くしてたよ?」
「・・・やばい」
デジレが固まっちゃいました。
「何が?ねぇねぇー何がやばいのー?」
「と、とりあえず、セシル姫。イネスさんにそれとなく、先ほどの騎士と何を話してたのか聞いてください」
「ほえ?それとなくってなにー?何してたのって聞けばいいのー?いいよー」
「あぁー、それとなくですよ。真正面から言っちゃダメですって。」
「んー難しいことはわかんなーい。あ、鳥さんきたよ!デジレ!捕まえて」
中庭においてた木箱に鳥さんがきました。さっきデジレと一緒に置いたんです。
「えーーー!!捕まえるために置いたんじゃないですよ?鳥さんの家にするために置いたんですよー」
「ふーん。鳥さん気に入ったかなー、近づいてよー」
「いえいえ、近づいたら逃げちゃいますって」
「そうなのー?」
残念です。デジレは全然セシルが行きたい方向に連れてってくれないです。そのままお部屋に戻っちゃいました。むー困りました。そうだ、お兄様にお手紙書きましょう。ちょうど報告できることができましたし!
ルンルンで書いてたら、デジレがなんども確認してきました。ちょっとしつこいです。なんで書き直さないといけないんですか。せっかく上手に描けたのに、プンプンしながらばあやを見つけて言ったら、なんだか楽しそうにセシルが書いたお手紙を見たいって言いました。しょうがないから見せてあげたら、ばあやはニヤニヤしてます。
「ばあやは、いいと思いますよ〜。あ〜若いって良いわね〜」
出して良いよってことですね。セシルのお手紙は完璧です、書き直す必要なんてないんです。ふっふーん!デジレを見上げたらなんか、焦ってます。
「コンスタンスさん、まずいですって!」
「デジレ、言葉遣い」
「コホン。この内容で出されるのはよろしくないかと思います。絶対アラン王子は、この手紙エメに見せますよ。そしたら、私が無言の圧力をかけられるんですよ!!王都に行かれる時も、イネスさんに気を配るようにってわざわざ言ってきたんですよ」
ん?どういうことでしょうか。
「そうかい、でもね。はっきりと伝えてない方が悪いのさ。選ぶのはイネスだよ」
「そうですけど、騎士が近づいてくるなんて思わないじゃないですか」
「良いじゃないかい。侍女と騎士もいいと思うわよ。若いだもの・・・の一つや二つ経験してなんぼよ」
「いやいやいや、コンスタンスさん?!曲がりなりにもイネスさんは貴族のお嬢さんですからね?!間違いがあったらどうするんですか」
「うちの屋敷内で働いてる騎士が間違いなんて起こすもんかい、そんなことしたら死ぬより恐ろしい目にあうよ」
「確かにそうですけど!!」
なんか二人とも何か知ってるみたいです。また、セシルだけ除け者です。
「ねー何がー?セシルも仲間に入れてー!!」
「セシル様、イネスが誰を選ぶのかって話ですよ」
「選ぶー?」
「えぇ、そうです。・・・イネスの大好きな人は誰だろうねーって話をしてたんです」
なんだそんなことですか、そんなの誰だか決まってます。
「ふふーん。それならセシル知ってるもーん!」
「「え?」」
胸を張って教えてあげました。
「セシルだよ!イネスが大好きなのはセシルだもん!イネスが言ってたもん!」
イネスはセシルのこと大好きって言ってくれました。セシルもイネスのこと大好きです。セシルがいないと寂しくて泣いちゃうっていってくれましたしね!
「・・・か、かわいい」
「・・・そうですね。セシル様は可愛いですからね。」
婆やがぎゅーって抱っこしてくれました。デジレは顔を覆って体を震わせてます。
「お??」
「セシル姫はそのまま育って欲しいです」
「そうだね〜スレにず育って欲しいね〜。セシル様、一緒にお茶菓子でもいかがです?」
「よろこんでー!」
やりました、ばあやのお茶菓子なんでしょう。楽しみです。




