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武闘派のセシルは清楚可憐な姫様になりたい   作者: siro


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まだまだ諦めません

「探検?」


「そうよ、お外に探検!」


 何故かお祖母様がリュックを持ちながらそう言いました。イネスを見れば、びっくりした顔をしてます。周りを見れば、誰もいません、もちろんお祖父様もいません。これは由々しき事態というやつじゃないですか?!


「じ、じーじは?」

「お祖父様は、ちょーっとお出かけ中よ〜」

ニコニコ笑顔で返されました。これはまずいです。お祖母様が何かする気です。


「じーじと一緒がいい〜。な、仲間外れはダメなの!」

「大丈夫よ〜私が一緒にいくから!」

セシルは行きたくないです!拒否ですよ!どうしたら、回避できるんでしょう!!

「い、イネス!」

セシルにはもう無理です。イネスのスカートの後ろに逃げ込めば、イネスがお祖母様を説得し始めてくれました。

「ドミニク様、流石に本日は無理かと。それにどこまでいくか存じ上げませんが、セシル様をお外に出されるのは危険かと。」

「大丈夫よ、家の敷地内だから」

「いえ、いくら敷地内と言いましても広いですし。騎士の配備もありますし」

「ちゃんと守ってるから大丈夫。それに、レオンが結構綺麗にしていったしね」

「で、ですが、騎士様たちにご相談もなしにお外に出られるのは、問題かと。レオン様にもきつく言われておりますので。」

イネス頑張ってください!!お祖母様の押し押しの姿勢にちょっと負けそうですけど!!セシル応援してます。


「もうーイネスって意外に硬いのね。じゃー騎士達に伝えてきてちょうだい」

「かしこまりました。」

え?!嫌ですよ。イネス、置いてくんですか?!って思ったら、イネスはお辞儀したあと、流れるようにそのままセシルを抱っこして早足でお祖母様の前を通り過ぎました。


「あら!!セシルは置いていってちょうだい!」

「セシル様のご用事もあるので〜、また後ほど〜」

イネスはお祖母様を見ずに大きな声で言いました。セシルは怖くて必死にイネスにしがみついちゃいました。あそこに取り残されたら、絶対何かさせられます。イネスは苦笑いしながら階段を駆け下りて行きました。

「大丈夫ですよ〜セシル様。流石にあれは怪しすぎます。お外になんて危なすぎます。」

「うんうん。セシル怖かった〜イネス〜」

「私もです。ちょっとおかしいですし」

二人でしっかり抱きしめあいながら、騎士の間にたどり着きました。そこには騎士さん達がチェスをしてました。


「あれ?どうされました?イネス嬢」

なんか、嬉しそうに近づいてきた騎士さんがいます。

「バーバから逃げてきたの!」

「ドミニク様から?」

「はい。・・・セシル様と探検がしたいと詰め寄られまして」

イネスの言葉に、他の騎士さん達が声をあげました。

「「探検??」」

ちょっと声が大きすぎてびっくりです。

「はい。なんでも、敷地内の庭でセシル様を探検させたいそうです」

「セシル姫を?!そんな話聞いていたか?お前」

「いや?そもそも、外は危険だろう。見晴らしが良すぎる」

「というか、今日はいたか?」

「あれ?いつ出られるんだっけ?」

 他の騎士さん達もお祖母様の企みを知らないみたいです。というか、みんな反対みたいですよ!よかったです。

「穏便にお断りしようとしたのですが」

「バーバ怖かったのぉー」

 セシルとイネスは必死に騎士さんに伝えます。ここ重要です。騎士さんがダメーって言えばきっとお祖母様も諦めます、たぶんきっと・・・。

「セシル様はドミニク様が苦手なんですね」

後ろからいきなり声がしました。振り返れば、見たことある騎士さんです。誰でしたっけ?

「ピエール様」

イネスがびっくりした様子で答えてます。ピエール?どこかで聞いたことあるんですけど思い出せないです。

「ごきげんよう、イネス嬢。相変わらず美しいね。それにセシル姫も、お元気で何より。」

「こんにちはーなのー」

手を上げて返事をしときました。

「ピエール隊長、どうされました?」

「レイモン団長に報告と、今日はこっちの警備の強化で来たんだ。」

隊長ってことは、前になんか会ってたはずです・・・忘れたけど。

「セシル姫、今日は大丈夫ですよ。ドミニク様は本日、ドラハ様と朝から外出ですからね」

ピエールがウィンクして教えてくれました。

「「え?」」

思わずセシルはイネスの顔を見たら、イネスもセシルの顔を見てます。

「「あれ?!」」

騎士さん達も一拍遅れて反応しました。


「い、イネス・・・」

思わず、イネスのお袖を引っ張っちゃいました。イネスもしっかりセシルを抱きしめ返してくれました。

「えっと・・・大旦那様は、確かに朝出発されるとはお聞きしましたが・・・」

「えぇ、急遽ドミニク様のお力も必要な案件だと発覚して、ご一緒に出かけられましたよ?少々距離のある街への案件なので、帰ってくるのは夕方かと」

ピエールがそう答えました。


「まってくれ、イネス嬢、セシル姫。お二人は先ほど、ドミニク様に遭われたんですよね?確かに本日はお二人共外出予定が入ってる。」

 騎士さんが焦りながら、ポケットから小さいノートを取り出して確認しながら質問してきました。セシルは思わずうなずいちゃいました。そうです、さっき会ったんですよ。イネスも頷けば、騎士さん達の顔が変わりました。

「おい、二人一組、今すぐ屋敷内を点検!」

ピエールさんが指示を始めました。

「「はい!!」」

「猟犬を連れてこい!セシル様につけているアルファは?」

「ただいま、訓練中です、すぐにお連れします」

「よし、直ぐに連れてくるように、お二人はしばらくココにいてください。むさ苦しい場所ですが、安全です」

「は、はい」

「イネス・・・」

 さっきあったお祖母様は何者だったんでしょうか。怖いです、思わずイネスの首にしっかりしがみついちゃいます。騎士のお兄さんが二人セシルとイネスのそばに立ってくれました。


しばらくするとアルファが騎士さんと一緒に入って来ました。

「ワンワン」

「ワン!!」

アルファはすぐにセシルの横に来てお座りしました。

「セシル様、イネス嬢、安全が確認でき次第移動いたしますので、もうしばらくお待ちください」

「はい、お願いします」

 イネスが答えました。セシルはワンワンの首にしがみつくことにしました。周りはピリピリしてます。


遠くで笛の音が聞こえるとアルファは耳をピンっと立てて真剣に音を拾ってるみたいです。

「見つけたみたいですね」

騎士さんがいうと、他のワンワンが吠えてるのが聞こえてきました。しばらくすると騎士さんとデジレが一緒に来ました。騎士さん同士でお話が始まりました。セシルはデジレに抱っこされました。

「セシル姫、移動するので抱っこしますね」

「うん。」


「それで、どうなんだ?」

「変化の術でドミニク様の姿で入って来たらしい。門番は、ドミニク様が用事が終わったから1人で先に帰って来たと言われ通したと言っていた」

「変化の術は高度な技だろ?しかも長時間は難しい。」

「あぁ、道具を使った可能性があるな。だからセシル姫を外に連れ出そうとしたんだろう。危なかった」

「道具を使ってたとしてもマナの消費量が多いだろう?」

「魔石か?」

「持ってる可能性が高いだろうな。ドミニク様の姿であればいいが他の姿に変わった場合は面倒だぞ」

「あぁ、だが犬の嗅覚は誤魔化せない。アルファ、お前も一緒にこい」

「ワン!」


騎士さん達はお話が終わったみたいです。みんなでゾロゾロ、騎士の間から出るとセシルのお部屋に向かいました。

お部屋の中の点検を騎士さん達がしてやっとは入れました。騎士さんが窓と出入り口に立って物々しいです。

「まだ怖いの居るのー?」

デジレに聞けば、頷かれました。

「捕まえたとしても、仲間がいるかもしれません。落ち着くまでこのままで待機でしょうね」

「しょっかー」

遊べないってわかると無性に中庭で遊びたくなります。

「セシル様、お人形遊びしましょうか?」

イネスがお人形を出してくれました。

「するー」


暫くイネスとデジレとお人形遊びをしてたら扉を叩く音がしました。

「お疲れ様です。セシル姫にお飲み物をお持ちいたしました」

そう声をかけて来たのは知らない侍女さんの声です。

「だ、だれ?」

思わずセシルが言うと、アルファが唸り声を上げて警戒してます。アルファの様子に騎士さん達のお顔が険しくなりました。イネスとアルファが騎士さんと一緒に隣の控えの間に行っちゃいました。

「侍女仲間ですが、彼女は夜勤がメインなのでセシル様のお部屋には昼間来ません」

イネスの声がはっきりと聞こえたと思ったら、剣がぶつかる音がしました。その後に笛が鳴り響きました。

「あーだから彼女寝てたのね、しかも犬も一緒とは誤算だったわ」

イネスがお部屋に戻ってきたときに漏れ聞こえた声は楽しげで怖いですよ。扉は中にいた騎士さんで閉じられました。

「イネス!デジレ!」

「大丈夫ですよ〜」

「今捕まえている最中ですからねー」


怒号が聞こえると、騎士達が集まってきたみたいで、人の気配がいっぱいです。


お部屋が汚れたそうで、お掃除が終わるまで、また暫くお部屋の中にいないとダメらしいです。

ばあやがスコーン持ってきてきました。

「しゅこーん!ばあやのしゅこーん!」

「えぇ、今日はちょっと大変でしたから特別にショコラ入りですよ」

「やったーー!」

出来立てホカホカのスコーンはとっても美味しいです。




「セシル様、寝ちゃいましたね」

口をピクピク動かしながら、セシルは椅子の上でスヤスヤ眠ってしまいました。落ちそうになりそうなのをすかさずデジレが抱きとめます。

「流石にあの環境では緊張しっぱなしですらね、スコーン食べて安心しちゃったんでしょう」

それをコンスタンスが優しく抱き上げてベットに寝かしつけました。するとアルファがすかさずベットに飛び乗りセシルの横で丸くなりました。

「アルファ、姫様の護衛。頼むよ」

コンスタンスがそう言って頭を撫でると、短く吠えました。

3人は椅子に座るとお茶を飲みながら屋敷の中が片付くまで、セシルのお部屋で待機です。

「それにしても、まさか変化の術を使って今度は侵入してくるとは、あまりにもしつこすぎますね」

「まったくだね〜。」

「何が起きてるんでしょうか?私の時は、ここまで執拗には狙われませんでしたよ」

「ん〜・・・あちらも、なかなか口を割らないからね。困ったもんだよ。王太子の方も定期的に狙われているようだけど、こっちほどではないらしいね」

「また、コンスタンスさんは何処からそんな情報を」

デジレがびっくりしながら聞けば、コンスタンスはウィンクするのみです。

「これじゃー姫様がのびのびと外遊びが出来ないです。」



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