お姫様のお友達
クロエとムトンが来ました!
「こんにちは、本日はお招きありがとうございます。」
「ありがとうございましゅ!」
クリーム色のドレスを着たクロエと、半ズボンとセーラー襟のムトンは仲良く手を繋いで挨拶しました。ムトンはなんかおっきい子でした。クロエと少ししか身長が変わらないです。後ろには従者と侍女さん達が荷物を持ってきています。
「ようこそ、お待ちしておりました。」
「ゆっくりしてくれ」
「ようこそ!!」
お祖父様とお祖母様と一緒にセシルもお出迎えしました。応接室に二人を案内してクロエが手土産にお菓子を持って来てくれました。ついて来ていた侍女さんの手から、イネスの手に渡ってやっとセシルの前に来ると、箱の中は、美味しそうな林檎です。
「えっと、うちの領で取れたりんごです。えっと品種改良して・・・なんだっけ?」
クロエが侍女さんに振り返るとその続きの言葉を言いました。
「こほん、品種改良し糖度の高い林檎になります。まだ数は少ないため、外には出しておりません。」
「ほほう、これは素晴らしい」
「まぁ、素敵ね。だったらこのままいただこうかしら」
「食べたい!」
セシルが言うとお祖母様に頭を撫でられました。
「おやつの時間に出しましょうね。クロエ姫とムトン王子と一緒に中庭であそんでらっしゃい」
「はーい」
「案内はできるかな?」
お祖父様に言われて、大きく頷きました。
「セシルできるよ!クロエ、ムトン!こっちよ!」
二人の手を掴んで案内です。廊下を出て、中庭に向かって走って行くと、後ろからイネスに怒られました。3人で追いかけっこや土遊びをしていたらあっという間におやつの時間になってました。早いです。
3人で仲良くお手てを洗ってりんごを食べました。りんごはとっても甘くてしゃりしゃりしてて美味しいです。食べ終わったら、また遊び開始です。
「今度は、二人でやる押し合いっこしましょ」
「いいよ!」
足先をくっつけて、お互いの手のひらを押し合いっこしてバランスが崩れたら負けです。クロエとペタペタ押し合いっこしてたら、ムトンが突撃して着ました。
「きゃっ!」
後ろから突撃されて、バランスを崩して思わず二人で抱き合っちゃいました。なんとか転ばずにすみました。
「ずるい!姉様ばっかりお姫様」
ムトンがセシルの腰にくっついたまま叫んでます。
「ムトン!邪魔しないで、あなた土遊びするって言ってたじゃない」
「今は違うの!」
ムトンがいきなり、セシルの首に後ろからしがみついて、苦しいですー。離してくれません。というか力が強いです。
「セシル姫が苦しそう!離しなさいムトン!」
クロエが引き離そうとしてくれますが、全然離してくれません。むしろ苦しいです。腕も引っ張ってくれますけどダメです。
「やーだー一緒に遊ぶー」
もう!離れる感じがしません。苦しいです、こう言うときってそうだあれだ。頭の中で浮かんだ映像通りに、ムトンの右肩を掴んで、そのまま右足で後ろにいるムトンの足を払いました。そのままバランスが崩れた勢いを使ってムトンの右肩を掴んで地面に寝かせればあっという間に腕が解けました。
「あれ?」
コロンと地面に仰向けになったムトンは何が起きたのかわかってないみたいです。
「す、すごいです!!!セシル姫今何をしたんですか!!」
「え?」
これって、なんて言うやつでしたっけ、たしか慣れれば大きな男の人も飛ばせるんです。
「もしかしてセシル姫は体術が得意でしたの?!剣はあまりされてないってお母様達がおっしゃってたけど!!」
「えっと・・」
あれ?セシルは体術なんて習ってないです。これって箱庭の記憶でしょうか、最近は注意されなくなったから忘れてました。どうしましょう、イネスがいる方向に顔を向けたらイネスもびっくりした顔をしてました。セシルと視線が合うと、慌てて着て説明してくれました。
「クロエ様、セシル様は兄王子達と遊ばれておりましたので一通り遊びで教わっております」
「まぁ!そうでしたの!それにしても鮮やかでした!私、体術が苦手で!剣は得意なんですけど。素人の私が見ても、セシル姫は体術の才能がありそうです!ムトンは力が強いので体術の方が得意なんですよ!私いつも負けてしまいます!そのムトンがこんなにあっさり振り落とされるなんて!すごいですわ!!」
クロエが頬を真っ赤にして興奮したように説明してくれました。セシルはなんだか冷や汗が垂れてます。
「もしかして、皆様はセシル様の才能に気づかれてない?!こんなにすごいのに!!私、ドミニク様にお伝えいたしますわ!!」
そう言うとクロエが走って言ってしまいました。
「あっ・・・い、イネス」
「だ、大丈夫ですよ。セシル様」
そう言うけどイネスも顔を引きつらせてます。
「お姫様、すごい!!もう一回!!」
固まってたムトンが復活しちゃいました。なぜか目をキラキラさせてます。
「い、いや!」
「やだ!」
そう言いながらムトンがパンチしてきました。慌てて避けましたけど、風を切る音がしましたよ?!どう言うことですか!3歳じゃないんですか?!
「ひぃ!」
「よけないで!」
避けますよ!!ムトンがむすっとした顔で襲いかかって着ます。セシルは必死に逃げます。足払いとかしてくるし、なんなんですか!
急いで花壇の縁に駆け上って室内に逃げ込もうとしたところでお祖父様にぶつかりました。
「おっとっと」
お祖父様が勢いよくセシルを抱き上げてくれました。
「ムトン、なにをしとるんじゃ?姫に殴りかかるなんて」
ムトンはお祖父様の足にしがみついてます。ちょっと怖いです。
「お姫様つよい!ムトンとあそぶ!」
「んー?」
セシルは断固拒否です。お祖父様の首にしがみついて首を横に振って断固拒否を示しますよ!
「あ、ドラハ様!!」
お祖父様を呼ぶ声の方に向けば、クロエがお祖母様を連れて着ていました。
「クロエ姫、どうしたんじゃ?ドミニクまで」
「それが、クロエ姫曰くセシルは体術の才能が素晴らしいと言ってきてね」
「ドラハ様!!セシル姫はムトンが後ろから羽交い締めにしたのをとても綺麗に横に流して外されたんです!!その動きは素晴らしかったんですわ!」
「お姫様逃げてばっかり!ぱんちあたらない!」
ムトンまで!セシル体術なんてやらないですよ!
「しらない!セシル苦しかったから必死だったの!!」
ぎゅーっとお祖父様にしがみついたら頭をナデナデしてくれました。
「んームトン王子は体術が得意なのかな?」
「うん!」
「そうです!お父様と同じでムトンは体術が得意なんです!」
「ほうー・・・。なるほど、だがの、セシルはこの通り体が弱くての、あまり激しい運動をしすぎると熱を出してしまうんじゃ」
「あら、顔が真っ赤になってるわね」
お祖母様がセシルのおでこを触ってきました。冷たくて気持ちいいです。
「イネス、セシルを休ませてあげて」
「かしこまりました。」
イネスが抱っこしてくれました。セシルまだ遊べますよ?
「セシルまだ「セシル様、顔が本当に赤いですわ。今のうちに休まないと湿疹がでますよ」」
やんわり止められました。無理やり降りようとしたら頭がクラっとして、またイネスの腕の中に戻っちゃいました。
「では、クロエ姫、ムトン王子。お遊びの途中で大変申し訳ございませんが、本日はお越しいただきありがとうございます。また姫様とお遊びください」
「・・・はい。こちらこそあ誘いいただきありがとうございます。」
クロエがちょこんとお辞儀しました。
「僕は姫様と遊びたいー!」
「こら!ムトンちゃんとご挨拶!」
「ぶー・・・ありがとうございますーー」
ムトンはむすっとした顔で返事をしました。セシルが手を振ったら振り返してくれました。
「またねー」
「「うん」」
イネスに背中をトントンされたら一気に疲れが出た感じがします。イネスの肩に顔を乗せたままボソボソ喋ります。
「もっと遊びたかったのー・・・」
「はい」
「セシル、知らないことができたのー」
「・・・そうですね。そのせいで熱が出てしまわれたんですわ」
やっぱり、あの動きは神様のお庭の記憶なんでしょうか。イネスにはわかってるみたいです。
「セシル、どうして思い出しちゃうのかなー」
「難しいですわね」
せっかくクロエが遊びに着てくれたのに、帰るときに挨拶もできませんでした。クロエ達もお泊まりしてほしいってお祖母様にお願いしたけど、そういう予定じゃなかったからダメだそうです。そして、またセシルはベットの中です。
「くぅ〜ん」
アルファが顔だけベットに乗せてセシルを見てきます。
「わんわん。セシルもっと友達と遊びたかったのー」
「くぅー」
「お泊まりはダメなんだってー」
アルファが優しく顔を舐めて来ました。
「わんわん、一緒にいてね」
「ワン!」
イネスもお部屋に戻って来て優しく頭を撫でてくれました。




