初めてのお留守番
「パパなんて嫌いーーーーいぃいい!!」
「どうしてそんなこと言うんだーーーーパパは大好きだよぉぉぉぉおお!」
馬車の中に潜り込んでたらお父様に降ろされました。ひどいです。暴れても離してくれないです。
「セシル〜泣かないでくれ〜心配で出発できないだろ〜」
「しゅっぱつなんがぁああしなければいいのぉおお”お”お”!!!うわあぁぁあん」
お兄様たちも見てるだけで誰もセシルの味方がいないです。
「すごいな・・・背中が海老みたいにしなってる。」
「セシルの目から滝みたいに涙がでてるね。目が真っ赤になりかけてるよ」
「こんなに駄々こねるの珍しいよね。」
お兄様たちは何か好き勝手なこと言ってます。
「セシル、落ち着いてちょうだい」
「やあぁぁあぁだぁぁあああ、ひっく、うわぁあぁあん」
「姫様、落ち着いてください。あー引きつけ起こしかけてますね。眠らせましょう。デジレ」
婆やがひどいです。セシルはまだ眠くないです。
「ばあやあがぁぁぁぁ」
「はいはい、おりますよ。ここに」
「確かに危ないですが、起きたときまた荒れますよ?」
デジレが頭ぽんぽんしてきました。そしたら、なんだか眠くなってきました。
「ふぇ?・・・ひっく、うっぐ・・・」
「セシル。あんまり悪さしちゃダメよ?お手紙書くからね」
ママがギュって抱っこしてくれました。パパもぎゅーっと抱っこしてから、顔を拭ってくれました。
「セシル、パパ大好きって言ってくれ」
「パパ・・・一緒に連れてってくれたら、好き」
「くー・・・じゃー王都から帰ってきたら大好きって言ってくれ」
しょうがないです。頷いて起きます。
「セシルー、いい子にしててね。お手紙いっぱい書くから。」
アランお兄様が抱きしめてくれました。ウジューヌお兄様は頭を乱雑に撫でられました。
「セシル、バレないように悪さしろよ」
「ウジューヌお兄様!そういうこと教えない。セシル、お手紙書いてね、僕もいっぱい書くからね」
エドガーお兄様は優しく髪の毛を直してくれたし、ジョゼフお兄様は絵本を渡してくれました。
「セシル。この絵本を貸してあげる。大切によんでね、感想をお手紙書いてね」
「ひっく、うん」
そう言って、みんな行っちゃいました。
「さぁ、セシル様、果実水を飲んでからお昼寝しましょうか。」
イネスが抱っこしてくれました。優しくぽんぽんされたらもう意識が保てなかったです。
*
起きたら、イネスがお椅子に座ってます。その足元にはわんわんがいました。
「わんわん」
「あ、セシル様目が覚められたんですね。旦那様が許可されたアルファですよ」
「あるは?」
「わんわんのお名前ですよ」
わんわんはアルファって言うんですね。でも言いづらいです。
「わんわん」
「わふー」
アルファが返事してくれました。背中に乗ってお部屋から出るとお屋敷の中が静かです。
「・・・ママ・・・パパ・・・」
そうです、朝みんな行っちゃったです。お目めが熱くなってきました。
「セシル様〜、お菓子はどうですか?」
「うぅ〜みんないないぃ〜」
悲しいです。寂しいです〜。アルファの背中にくっついて泣いちゃいます。涙がアルファの毛にくっついてぺたぺたしてきました。
「セシル様〜」
「くぅ〜ん」
イネスが頭をナデナデしてくれますけど無理です。
「あ、セシル姫目覚められたんですね。ってもう早速泣かれてますますね。アルファの背中にひっついてるし。可愛い〜」
「デジレさん。気持ちはわかりますが、アルファが苦しそうなんで、お願いします。」
「わかりました。いやーむずがりかたが可愛いですよね。」
「当たり前です。」
なんかイネスとデジレがおしゃべりしてます。セシルはこんなに悲しいのに酷いです。
「セシル姫、私、デジレと一緒にお茶会しませんか?」
「うぅーデジレ?」
泣きながらちょこっとだけ顔を横にしたら、デジレがいます。あれ?ウジューヌお兄様と一緒に行ったんじゃないんですか?
「デジレがいりゅ」
「はい、おりますよ。」
「だっこしゅる?」
「抱っこいたしますよ。アルファの首からお手てを離しましょうか、ちょっとくるしそうですよ」
そういって、アルファから手を離されました、そのまま抱っこしてくれました。
「おめめが真っ赤ですね。」
「お茶の前に顔を洗いましょうね。かいちゃダメですよ」
イネスに顔を洗ってもらって、セシルはデジレとイネスとお茶会です。アルファは廊下でお留守番だそうです。イネスがあーんってしてくれます。いつもはしてくれないのに、デジレもあーんってしてくれます。
「セシル様、お茶会が終わったら、ドラハ様とドミニク様にご挨拶しに行きましょうね」
「ばあばとじいじ?」
「はい、もういらしてますよ。」
ケーキを食べ終わったら、今度はイネスが抱っこして連れてってくれました。アルファはいい子にくっついてきてます。
お部屋に入ったら、お祖父様とお祖母様がいました。
「おー、セシルや、ご機嫌は直ったかな?」
「あらあら、目の周りが赤くちゃってるわね」
お婆様が抱っこしてくれました。お婆様の腕の中は心地いいです。顔をグリグリ胸にこすりつけたら、頭をナデナデしてくれました。
「んーマナを結構消費してるのぉ」
お祖父様がセシルの体を撫でながら言ってきました。
「3、4日前からずっと号泣が続いておりましたから」
「疲れるまで止まらない状況でした」
イネスとデジレがバラしてきました。
「なかなか、根性があるのぉーアランでも2日くらいで、泣くのはやめて拗ねて、部屋のものを破壊しとったのに」
「今日の朝も馬車の中に忍び込んだんですって?やるわね、セシル」
「ばあば、でもパパがダメって言って、セシルを降ろしたの。パパはひどいの」
「ふふふ、レオンも大変ね。でも、セシルダメなのは分かってるんでしょ?」
お婆様がセシルの鼻をちょんって摘んできました。分かってますよ。セシルはまだ小さいから王都はダメってわかってても嫌なんです。プクーって頬をふくらましたら。頬にキスしてくれました。
「明日には、セシルの友達も来るから、寂しくないぞ」
「お友達?」
「クロエじゃよ、親族会で遊んだらしいが覚えてるかな?カンズ伯爵家の娘じゃ、その弟も一緒にくるそうだ」
「クロエ・・・あ!遊んだ!!」
「弟の名前はムトンっといってな、今年3歳だ。セシルより1歳年下だぞ。」
「年下?」
「そう、セシルはお姉さんだ」
「セシル、お姉さん!!」
セシルより年下の子が来ます!いつもセシルが一番しただったのに、ワクワクして来ました。
「ふふふ、ニコニコ笑顔の復活ね。」
「可愛いのぉ〜」
お祖父様達に絵本を読んでもらったら、アルファと一緒にお散歩しました。騎士さんがきて、アルファに紐をつけて一緒に歩いたり、お願いを聞いてもらう訓練だそうです。
「わんわん、おて!」
「わふ」
手をだしたら、手を乗せてくれるって騎士さんが言ったのにアルファは顎を乗せてきました。
「くっ・・・・かわいぃい・・・すみません。アルファはどうやら遊んでるみたいで」
騎士さんが肩を震わせて言ってきました。どう言うことです?アルファは賢い番犬じゃないんですか?
「わんわん、おばかさん!セシル、お手 いったの!」
「わっふー」
今度はセシルの頭に顎を乗せてきました。
「ちっがっうっのー!わんわん!おてなの!」
イネスとデジレまで笑ってます。
「これは、完全に遊ばれてますね。」
「わんわん!」
アルファの顔をつかんだら、顔を舐められました。
「ひゃっ!!くすぐったい!だめ!!ひゃはははは!くすぐったい!!」
「こらこら、アルファ、姫様のドレスが汚れる。やめなさい」
「ワン」
アルファが騎士さんに首を持たれるとすぐにやめました。しかもいい子にちょこんと座ってます。
ぷくーっと頬を膨らませてイネスをみたら、顔をハンカチで拭われました。
「イネス、わんわん、言うこと聞かないの」
「どうやら、アルァフはセシル様を遊び相手として見ていらっしゃるようですよ。」
「遊び相手?」
「セシル様と遊ばれてる時は、尻尾を元気よく振っています。ほら騎士様の言うことを聞いていらっしゃる時はピタッと止まってるでしょ?」
みれば、確かに騎士さんが待てって言ったら止まってます。
「セシルも”待て”したいの」
「難しそうですよね?」
イネスが騎士さんを見上げながら聞きました。
「んー・・・難しいですね。完全に子犬の世話状態な感じがしますから、雰囲気的に、姫様の命令は聞かない可能性がありますね。むしろ、姫様が悪いことをしようとしたら止めますね。」
聞き捨てならないことを言われました。むすっとしながら騎士さんの足を掴んで言ってやりましたよ!
「セシルいいこだよ!」
「そうですね、いい子なセシル姫は、荷物の中に紛れませんよね」
デジレが笑いながら後ろから言ってきました。それは、言わないでほしいです。
騎士さんも大笑いしてイネスにも笑われました。
「わっふー」
アルファには頭を小突かれるし!




