お姫様はドキドキをしる。
さっきまでいたお菓子の置いてある場所に戻って来ると、お姉さん達が驚いてます。
「パルナベさま!?」
「セシル姫!よかった!そしてナイス!」
どういうことでしょうか?お姉さん達、顔を赤らめて興奮してるみたいです。パルナベの体が一瞬びくってなりました。
「セシル姫みつかったよー!」
オレンジ色のメッシュが入ったお兄さんが叫ぶと、庭園から皆んなが戻ってきました。
「うわーよかったー!」
「アラン王子の従者だ!」
「パルナベ様!!」
「セシルー!!!よかった!!」
「セシル!!」
アランお兄様とウジューヌお兄様が走ってきました。頭なでなでしてくれました。
「アランお兄様、ウジューヌお兄様」
「心配したぞ!どこに行ってたんだ?目が少し赤いな」
ウジューヌお兄様がセシルの頬をなんでながら覗き込んできます。
「パルナベ、セシルはどこにいたの?」
アランお兄様もセシルの頭を撫でながら聞いてきました。どうしましょう。思わずパルナベにひっついちゃいました。
「裏の喫煙場所まで来られてしまいました。アラン様、詳しくは後ほど」
「・・・わかった。セシルごめんね、僕が一緒にいれば良かった。おいで」
そういって腕を伸ばしてくれました。でも、セシルは今ちょっと気まずいです、アランお兄様の気分じゃないです。パルナベが背中なでなでしてくれるのが落ち着くんです。
「やだ」
また、下ろそうとしたパルナベにしがみつくとお兄様が驚いた顔をしてます。
「せ、セシル?!ダメだよ?パルナベにも仕事があるんだから」
ジョゼフお兄様がじーっとセシルのことを下から見上げてきて目が合いました。な、なんでしょう。
「あー・・・、アランお兄様、セシルが落ち着くまで無理だよ。ひっつき虫モードになってる。」
「ん?本当だ。口がとんがってるぞ」
ウジューヌお兄様が変な事言ってきます。唇ツンツンしないで欲しいです。
「まぁ!」
「眼福!!」
お姉さん達がなんか嬉しそうな顔をしてます。鼻を押さえてるお姉さん、大丈夫でしょうか。いそいそとなぜか椅子まで用意してます。
「そのままでは、疲れてしまいますわ。椅子にお座りになって!!」
「いえ、大丈夫です。必要ないですから」
「そうですわ!パルバベ様!セシル姫とご一緒に」
「ほえ?」
押されるようにパルナベはお椅子に座らされちゃいました。
「姫様方、私は従者ですから。このような」
「今は大事な姫様を守る騎士ですわ」
「そうですわ!!!」
お姉さん達の興奮具合がすごいです。セシルよりちょっと歳が上のお姉さん達も、ちょっと引いてます。お兄さん達はなぜか黙ってます。
「姉姫・・・僕の従者をいじめないでくれますか?」
アランお兄様が大きなため息をつきながら言いました。もしかしてこれは。
「モテモテ?」
首を傾げながら、パルナベの顔を見て聞くと一瞬だけ眉間にシワが寄りました。ほー。
「えぇ!セシル姫、彼はモテモテですわ!我が家から婚約話をお持ちするほど!他の家からもありましたわよね?」
「えぇ!我が家も打診しましたわ」
「私もよ!」
「私も!!」
おぉ、なんか凄いです。お姉さん達は肉食系女子ですね。
「誰かの家に決まれば諦めもつきますけど、まだ決まってないですの」
「まだ、チャンスはありますわね!」
「誰とも決まってないんですもの!」
おぉ、お姉さん達が迫ってきます。
「公爵様が決めてくださればいいのに、パルナベ様のご意志に任せるとおっしゃりましたし」
「誰か良い人がいまして?」
「全然降嫁いたしますわ!」
「婿養子でも構いませんわ!」
「さぁ!」
お姉さん達が迫ってきましたー。パルナベはさっきからずっとだんまりです。どうしてでしょうか?それよりも迫ってくるお姉さんが。
「こわいのー」
パルナベは怖くないんでしょうか?パルナベは小さくため息をついてセシルの頭をイイコイイコしてくれました。
「姫様方、我が家の姫が怯えております。」
パルナベはクールですね。
「「・・・」」
お姉さん達がちょっと距離を置いてくれました。
「こほん」
「失礼いたしました。」
「私達としたことが、ついつい暴走してしまったわ」
オホホホって笑いながらお姉さん達が扇子で顔を煽ってます。それにしても、すごいです。こんなにアピールされてるのに、パルナベは無表情に近いです。
「ねぇねぇ、おねえしゃん。どうちて、モテモテ?かっこいいから?」
セシルの言葉にお姉さんはカッと目を見開いてきました。ちょっとびっくりして強くしがみついたのはしょうがないと思うんです。
「それはもちろんありますわね!でも彼は、女性達にとって身分関係なく優良物件なの!」
ぐっと手を握りしめて言いました。それって本人を目の前にして言っていいんでしょうか?
「ほぇ?」
もう一人のお姉さんは頬に手を当てて顔を赤らめながら語り始めました。
「ストイックにお仕事されてる姿もかっこいいですし!!」
もう一人のおお姉さんも。
「また、学生時代なんて成績優秀!!」
「物事に対しても、行動力もあるし!本家に務められてるだけあって、テキパキお仕事されてますし!」
「冷たいところがあるけど、気配りは完璧!」
「何よりも、剣の才能もよし!知識も豊富!」
「ダンスも完璧にリードしてくださるし!」
「従者としてではなく、準貴族で出席された舞踏会ではもう、大変でしたのよ!!」
「一定の距離を保ってくださるのが嬉しいですけど!歯がゆいですわ!」
「おぉおぉぉぉ」
お姉さん達のマシンガントークが凄いです。思わずパルナベの首にまたしがみついちゃいました。
「もう少し女性扱いしてくださらないのがちょっと不満だけど」
「そうよね。少しくらい手の甲にキスしてくださってもいいと思うの。頬にも!」
「ほえ?」
そうなんですか?セシルはしてもらったことありましたっけ?んーお兄様達の従者さんにはしてもらったような気がします。だって、ほっぺにチューして欲しい時は自分からすればいいんです。
「ほっぺにチューしちゃだめなの?ママにしたら、ママ、セシルにしてくれるよ?」
「まぁ〜それは、子供の時だけですわ」
そうなんですか?してみればいいんですよね?よいしょっと、パルナベを見れば、目が合いました。そのまま頬にキスして見ました。
「・・・」
セシルがしてあげたら固まったみたいです。周りはざわめいてます。何かいけなかったんでしょうか?
「はう!!!可愛い!!!」
「セシル姫ズルいですわ〜でも可愛い!!」
「まさかの、最強のライバルー!でも、かわいい」
「セシル?!!!」
アランお兄様が叫んでます。
「まさか、セシルも参戦か!」
ウジューヌお兄様は楽しげに言ってます。何に参戦させたいんでしょうか?
「えー僕にもしてよ」
ジョゼフお兄様がきました。あとでします!
「んーセシルって小悪魔?」
セシルは小悪魔じゃないですお姫様です。エドガーお兄様。
「セシル!家族以外にしちゃだめだよ」
アランお兄様がちょっと怖い顔で言ってきました。
「パルナベは家族じゃないの?」
皆んな一緒に住んでるのに、どうしてダメなんでしょう。
「僕の従者であって・・・屋敷の一員だけど。なんていうか・・・そんな目で見つめないでくれ」
アランお兄様が両手で顔を覆ってしまいました。
「セシル姫はパルナベが好きなの?」
お兄さんが聞いてきました。お兄さんの名前は忘れました!
「パルナベは、たかーいから好きー!いつもと違うのー」
そう言うと、後ろにいたお兄さん達が首を傾げました。
「いつもと違う?・・・景色かな?」
「「なるほど」」
「確かに背が高いですわね」
お姉さんも参戦して何かしゃべってます。そうこうしてるうちに、パルナベの意識が戻ってきたみたいです。ぎぎぎって音がしそうな感じで首が動きました。
「高いですか?」
「うん!高いのーお兄様達よりたかーい。抱っこはお顔もよく見えるのー。いつも見えないの!」
「あぁーそれで、父と間違えられたんですね」
「うん?」
「セシル姫、異性の頬に気軽に口付けをしてはいけませんよ」
「いせい?」
「はい。私は異性になりますね」
いせいってなんでしょうね?とりあえず頷いておきます。
「パルナベはセシルのほっぺにちゅーしてくれないの?」
「・・・」
「だめ!絶対だめ!!」
アランお兄様が怒ってます。その後ろでお兄さんとお姉さん達が騒いでます。
「いえ!むしろ、するべきよね!!」
「今しかできないわよ。」
「小さい子の頬にするくらいならなー」
「確かに」
「でも、セシル姫と従者・・・この年齢差は」
「やばいな」
首を傾げてみても、パルナベが反応しません。
「パルナベ?」
聴いてますか?ほっぺたペチペチ叩くと、ハッとしたようにセシルと視線が合いました。
「パルナベ、アランお兄様はほっといて、さっさとセシルの頬にチューしてあげたら?この状況、終わらないよ?」
エドガーお兄様がそうつぶやきました。
「はぁ。セシル姫、そんなに頬に口付けが欲しいのですか?」
「ん?セシルはうれしいよ?」
「・・・わかりました」
そういうと、パルナベがセシルの顎を軽く掴んで、頬にチューしてくれました。
「・・・」
なんか、今までと違います。ちゅって音がしました。
「ご満足いただけましたか?」
パルナベの顔がキラキラしてるように見えます。初めて見る笑顔です。いつもそんなに笑わないのに、なんでしょうか。ちゅーしてもらった頬からどんどん暑くなってきます。耳まで熱いです。
「きゃー色っぽい!!」
「はう」
「うわー大人の色気ってやつかな?」
「セシル姫も当てられてるよ!」
「「パルナベ!!やりすぎ!!」」
エドガーお兄様とウジューヌお兄様が叫んでるのが聞こえます。
「セシル・・・おかしくなっちゃった?」
なんかドキドキします。とりあえず、パルナベの首筋にしがみついてみます。




