お姫様達のかくれんぼ
難しい話とか、楽しいお話をしてたらマリアンヌが戻ってきました。ぶすっとした顔のままです。
「アラン王子、セシル姫、娘が大変失礼なことしましました。ほら、謝りなさい」
「・・・もうしわけありませんでした」
「わかりました。セシルもいいよね?」
「う?うん」
よくわかんないですけど、いいですよ。というかそれ以外お返事できなさそうです。叔父さんがものすごく固い感じです、さっき会った時みたいな面白い感じの雰囲気がないです。
「では、私は失礼いたしますが、また何かありましたらお呼びください」
「あぁ」
そう言うと叔父さんは去って行きました。
「よし!!じゃー揃ったことだし隠れんぼにしよう」
いきなり声が上がってびっくりしました。見ればお兄さんの一人が言ったみたいです。
「えーじゃー私が親をやるわ」
「じゃー俺も」
お姉さんとお兄さんが手をあげました。
「親って何」
「隠れてる子を探す役だよ。あーそうか僕たちで遊んでる時は名称言ってなかったね。」
アランお兄様が教えてくれました。
「範囲はこの箱型に囲われてる生垣の中よ。そこから出たらダメよ」
「「はーい」」
お姉さんが続けて説明してます。アランお兄様が見えるように抱っこして見せてくれました。お菓子が乗った机の向こう側にも大きな庭園がありました。階段を降りた先に広がるその庭園は4つに分かれてます、そのひと区画の生垣の中が隠れんぼする場所らしいです。結構広いです。
「よし、20数えるぞ!!」
お兄さんがそう言った瞬間、みんな一斉に階段を降りて生垣の中に入って行きました。セシルはアランお兄様に抱っこされて入りました。生垣はアランお兄様の背ぐらいまであります。セシルも降ろされて、迷路みたいな生垣の中を進んで見ました。
「セシル、一緒に隠れよう?」
アランお兄様と一緒に隠れたらすぐ見つかりそうです。セシルは首を横に振りました。一人で隠れた方が見つからないんですよね!
「一人で隠れるー」
「わかった。じゃーここの周りの大きな生垣は超えちゃダメだよ?」
「うん!」
お兄様と手を振って分かれて、セシルは奥に進みました。途中お姉さん達とすれ違ったりしながら生垣の中に穴を見つけてその中に入って見ました。
「「20!!!探しにいくぞ!!!」」
お兄さんとお姉さんの大きな声が聞こえました!!探しにきちゃいます!早速誰かが見つかったみたいです。
「見つけた!!」
「ぎゃー!」
「見つけたぞ!!」
「いやだーまだ平気!!」
あちこちでガサガサ生垣が揺れる音がしてます。みんな親から逃げてるみたいです。ガサガサ揺れてると目の前の生垣からマリアンヌが出てきました。
「「あ」」
「親きちゃうの?」
マリアンヌがこっちにきたってことは、親がこっちに来るってことですよね?って思ってたらいきなりマリアンヌに手を取られて立たされました。
「なぁに?」
「・・・ここにいると見つかるわ。私見つからない場所知ってるの」
「本当?」
「うん」
にっこりと笑ってマリアンヌが手を引いてくれました。セシル達の身長だと生垣は高いままです。マリアンヌはクネクネする道を迷いなく進んで行きます。いっかい大きな道に出ました。
「おっきぃ」
マリアンヌの足は止まりません。またくねくねした道に入ったらやっと止まりました。
「ここよ。ここなら絶対見つからないの」
「ほえ?」
さっきと何が違うんでしょうか?
「じゃ、私は別の場所に隠れるから。一緒にいたらすぐ見つかっちゃう」
「うん」
そう言ってマリアンヌが走っていっちゃいました。それにしても、ここはなんだか静かです。それに、生垣もさっきの場所より高い気がします。
「たかい・・・?」
それに、お兄さんの声もお姉さんの声もしません。
「・・・」
あれれ?なんかさっきの場所より暗いです、なんだか不安になってきました。
「ふぇ・・・アランお兄しゃま・・・ウジューヌお兄しゃま・・・」
呼んでも何もお返事が返って来ません、そうだ元来た道を戻りましょう。大丈夫です。そんなに離れてないですよね。不安でドレスを握りしめながら進んでたら、ここの生垣よりも大きな生垣にきちゃいました。大きな生垣は超えちゃいけないんですよね?大きな生垣沿いに歩いてると穴が空いてました。のぞいたら、ちょっと人の声がしました。振り返っても、この生垣の中から何も感じないです。
「ママ・・・パパ」
セシル泣いちゃいそうです。とりあえず穴から外に出て見ました。生垣が壁みたいになって、大きな道があります、声のする方に歩いてくと、カチャカチャ食器の音もします。また迷路みたいなお花の生垣が現れました。その先にはお盆を持った見たことがある後ろ姿です。ぽかぽかーできりっとしてる、あれは。
「バルナベ!!」
怖かったです!バルナベの足に飛びついて、しがみついたら、なんかいつもと違います。
「うぉっ!!!っととー・・・・、。おや、セシル姫ですかな?バルナベは私の息子になりますよ?というより、どうされましたかな?」
知らない声です。誰ですか?見上げたら、赤い髪の毛に白いメッシュが入った、知らないおじさんでした。
「ふぇ?バルナベじゃ・・・ない・・・ふぇ・・・・」
「ん?!姫様、おちつ「バルナベじゃないい!!うわああああああん」」
「ん?」
「どうした?」
「あら?小さなお姫様がいるわ」
「あれは、セシル姫じゃないのか?」
「子供達で遊んでるん時間じゃないの?」
知らない人の声ばっかりです。怖いです。
「ふぇええええん!!バルナベ!!」
足にしがみついて泣いてたら頭を撫でられました。でもいつもと違います。
「姫様、落ち着いてくださいな。困った。君、この盆を頼む。あと、バルナベを呼んできてくれ」
「はい、泣いてるのに足から離れないですね」
知らないお兄さんの声です。ここどこですか、セシルお家に帰りたいです。
「パニックになってるみたいですね。姫様。今、バルナベがきますから」
「うわぁぁぁああああん」
「大丈夫です。大丈夫ですから。それよりも、どうしてこちらに?只今のお時間は子供達のお茶会の時間だったかと思いますが」
「ふぇええええ、セシル。かくれんぼなのぉおおお みんな いなく なっちゃったのぉおおうわあああん」
「あー・・・大丈夫ですよ。皆さんいらっしゃいます。そんなに泣いてしまったら、可愛いお顔が溶けちゃいますよ?」
セシルの顔をハンカチで拭いてくれました。このおじさん、なんでこんなにバルナベに似てるんですか?
「セシル姫?!」
バルナベの声です。顔を上げたら、走ってこっちにきてくれました。
「バルナベぇえええええええん」
バルナベが抱っこして、顔をゴシゴシされました。
「こら、お前はもうちょっと丁寧に拭いなさい。どうやら、姫様は隠れんぼの最中に迷子になられたようですよ。」
「そうだったんですね。もしかして、先ほど向こうが騒がしかったのはそのせいでしょうか。セシル姫、大丈夫ですよ。」
「バルナベー」
「愛らしいお顔が涙で濡れて、溶けちゃいますよ。」
あれ?さっきのおじさんと同じこと言ってます。
「ひっくひっく。バルナベ同じ?」
バルナベとおじさんを見るとなんか似てます。
「おや?」
「あぁ、セシル姫、彼は私の父です」
「バルナベのパパ?」
「はい、そうです」
「だから、間違えたのですかね?先ほど、姫様がお前だと思って私に飛びついてきたんだよ」
「そうだったんですか・・・。どうして間違われたのでしょう。歳も背も違うのに。」
なんかバルナベが落ち込んでます。どうしてって、だってこうやって並ぶとやっぱり
「ふぇ?いっちょだよ。ポカポカ〜キリっいっちょ!あ、ひっく ちょっと 違った。ひっく」
セシルの言葉におじさんが手をポンと叩きました。
「あー姫様はマナで判断されたようですな。でしたら、私達は親子ですので似てますね」
「ほえ?」
「あぁ、なるほど。さて、セシル姫も落ちつかれたようなので、私は王子達の元にお連れいたします」
「えぇ、お願いしますね」
そういうと、バルナベは歩き始めました。視線が高いからさっきより周りがよく見えます。みたら大人達はお椅子に座って、煙が出る棒を持ってました。手にはトランプもあります。遊んでるみたいです。
「バルナベ、セシル戻りたくないの。また怒られちゃう?」
「おや、どうしてですか?」
階段を登りながらバルナベはお話を聞いてくれました。
「あのねー大きな生垣は超えちゃダメなの。あのね、いないいないだったから、大きな生垣から 声したからあのね、超えちゃったの」
バルナベは屋敷に入る扉の前で足を止めました。
「んー・・・セシル様は隠れんぼが始まってから、自分がどう動いたかご説明できますか?」
「しぇつめい?」
「はい、きっと親役の姉姫か王子達が数を数えましたよね。」
「うん。セシルねアランお兄様と一緒に生垣の中に入ったの。」
「では、アラン様とご一緒に隠れましたか?」
「セシル一人だよ。もう赤ちゃんじゃないから一人で隠れたの。アランお兄様が高い生垣から出ちゃダメだよーって言ったの」
「そのあともずっと、お一人で隠れてたんですか?」
「ううん。マリアンヌがね、ぺこって生垣から出てね、親が来るから、誰も見つからない所教えてくれたの」
「では、マリアンヌ様とご一緒に隠れたんですか?」
「ううん。セシル一人だよ?一緒に隠れたら見つかっちゃうからーってマリアンヌいなくなっちゃった」
「・・・」
「でね、セシル怖くなっちゃったの。見つからないけどお姉さんの声もお兄さんの声も聞こえなかったの。だからね高い生垣くぐっちゃったの」
「それでしたら、問題ありませんよ。」
「本当?」
「はい、大丈夫です。私が説明いたしますから、ご安心ください」
そう言って、バルナベは扉を開けてお屋敷の中に入りました。スタスタ進むとさっきまでいたお庭に着きました。お母様とお父様もいます。
「あら、セシル!どうしたの泣いちゃったの?」
「ママー」
お母様が小走りできてくれました。セシルの頭をイイコイイコしてくれました。抱っこしてほしいです〜でもしてくれないです。おててを繋いでくれました。
「どうした、バルナベ」
お父様の怖い声がします。セシル怒られちゃいますか?とか思ってたらジョゼフお兄様の声がしました。
「あ!!セシルいた!!よかったー」
見ればジョゼフお兄様と他のお兄様とお姉様もいました。
「よかった。バルナベさんが見つけてくださったのね」
「冷や汗かいたー」
なんか皆んなに心配かけちゃったみたいです。どうしましょう。不安でいっぱいになってる時にバルナベが腰を落とし始めました。
「隠れんぼをされていらしゃったようです。セシル様、私はここまでで」
「やだ」
バルナベの首にギュって捕まって、足も体にしがみつきました。断固降りるの拒否です。こんな状態でセシルは嫌です。
「セシル?」
「バルナベ、一緒がいい。ママ。」
見上げてみたら、お母様が困った顔をしながら強い口調で言われちゃいました。
「セシル。ダメよ。バルナベもお仕事があるの」
「パパ」
「セシル。ダメだよ。パパじゃダメかい?」
「・・・パパ、綺麗なお洋服は抱っこ、だめって言ったもん。だから嫌。バルナベがいい。抱っこがいいぃ」
セシル一人であそこに戻りたくないです。恥ずかしいです。
「あー・・・そろそろ限界かしら。」
「奥様」
「しょうがないわ。バルナベ、セシルが寝るまで一緒にいてくれるかしら。」
「承知いたしました」
「お母様・・・あの・・・」
「ジョゼフ、屋敷に帰ってから聞くわ。ほら、あなた達も戻りなさい」
「「はい」」




