セシル、親戚のお家に行く!
今日はセシル達の従兄弟に会いに行く日です!今度はお留守番じゃないです!
桃色の可愛いドレスに、髪の毛もおしゃれです。ママとお揃いの髪飾りをつけて大きな馬車に乗りました。お馬さんが6頭も繋がれてます。
「おっきい!」
「そうだろう!特注品だぞ!最新型の馬車だぞー」
お父様が自慢げに言ってます。アランお兄様は呆れた顔をお父様に向けてます。
「お母様、お父様がまた無駄なものにお金かけてますよ。いいんですか?」
「んーセシルと同じ馬車が良いって言うんですもの。いつもは大人と子供別れて乗るでしょ?それが嫌なんですって」
「でも、順番に僕たちお父様達の馬車には乗ってたよね?」
そう言ったのはエドガーお兄様です。
どうやら、大人の馬車には子供一人だけ乗るっていうルールだったみたいです。
「・・・げー。遊び道具が無駄になった」
ウジューヌお兄様が小さく呟いて持ってたカバンの蓋をちょこっと開けて見てます。セシルものぞいてみると、中にはおもちゃとかお菓子が入ってました。ぴょんぴょん飛ばせるカエルみたいのと、いろんな色が飛び出してくるおもちゃとか、お家の中でやると怒られるおもちゃがたくさんです!とっても楽しそうです。
「・・・これ、だめなの?」
セシルが聞くとお兄様がかがんで耳打ちしてくれました。
「大人の馬車に乗るときはおとなしくしてないとダメなんだよ。これは子供の馬車でしか遊べない」
「えーセシル遊べない?」
「おう、父様達の馬車では遊べない」
「えーセシル子供の馬車がいい〜」
「俺もー」
カバンの中身を見てると、お父様が近づいて声をかけてきました。
「あと、子供だけで馬車に乗せると、中が毎回汚れると御者が苦情を言ってくるしな」
ウジューヌお兄様を見ながらお父様が言ってます。
お兄様は固まってバッグを背中にかくして立ち上がりました。セシルはカバンから離れずに中を覗き込んで、クッキーを見つけました!取って、食べようとしたら、誰かに抱っこされました。見ればお父様でした。
「ウジューヌ、カバンはエメのチェックを受けてから持ち込みなさい。」
「・・・はーい」
「セシル、お菓子は食べちゃダメだぞ。向こうに行った時にお腹いっぱいになって食べれなくなるだろう?」
「大丈夫。お腹いっぱいにならないー」
そう言ったのにお父様にクッキーは没収されてしまいました。ウジューヌお兄様のバックはエメが中身を見て、笑顔でダメですねって言って、カバンの中身を全部トレーに置くと、代わりにトランプとボードゲームがカバンの中に詰め込まれました。
「「あー」」
セシルとウジューヌお兄様が叫ぶとお父様に頭をぽんぽんされました。
みんなで馬車に乗り込むと、やっぱり中はとっても広いです。
お父様とお母様が並んで座って、真ん中にアランお兄様が座りました。セシルはお父様のお膝の上です。向かい合わせにエドガーお兄様とウジューヌお兄様、ジョゼフお兄様が並んで座りました。
「おっきぃーひろーい」
「そうだろう!そうだろう?!」
お父様は嬉しそうです。アランお兄様はお母様に耳打ちしてます。
「お母様、この馬車は王都では使えないですよね?」
「えぇ、使えないわ。道幅が狭くて走らせられないのよ」
「じゃーこの馬車の使い道は」
「領内だけね」
そうなんですね。確かに横幅も結構ありますね。お父様のお膝の上は高いので、馬車の窓におててが届きます。ゆっくりとお外の景色が動き始めて楽しいです。
「おそとー!」
「セシル見てごらん、門を潜るぞー。」
「わー」
お外はなんだか不思議な世界です。野原や森が所々にあったり、牛さんや羊さんがいたり、農作業してる人もいます。
「ひろーい」
「あぁ、お外は広いぞー」
遠くには山があって、頂上は雪がついてます。お空の上には大きな鳥がいたり、馬車見たいのが飛んでいたり。
「あれはなにー?」
「あれは、飛竜だねー。郵便屋さんかなー」
「おー」
お父様に教わりながらお外を眺めてるうちに、お屋敷にたどり着きました。そこにはすでにいっぱい馬車が並んでいます。
「今日は親戚が集まるからね。セシルはちゃんとご挨拶するんだよ?」
「はーい」
セシルお姉さんになったから楽勝です!ってそんな風に軽く返事をしましたが、楽勝じゃなかったです。
お屋敷に入ったら、お父様にちょっと似た男の人が駆け寄ってきました。
「兄上!!ようこそ!!義姉様も!」
「元気にしてたか」
「えぇ!」
「今日はよろしくね」
「セシル姫も、誕生日以来かな?」
ぬっと現れてびっくりしちゃいました。思わずお父様の足にしがみついちゃいました。
「ん?セシル。大丈夫だよ。パパの弟だよー、顔はいかついけどね」
「いかついは余計です。」
「あの、セシルです」
そうでした、誕生日に剣をくれたおじさんです。お父様の弟だったんですね、そっか、マリアンヌのお父さんだから叔父さんで、弟。
「そうそう、当たりだよ」
どうやら声に出てたみたいです。やっぱり怖いからお父様の足にはしがみつきました、そっと両手を解かれて手をつながされましたが、しがみつきたいです。
「アラン!ウジューヌ!元気にしてたか!エドガーもジョゼフもでかくなったな」
「「こんにちは、叔父様」」
ここまでは良かったんです。叔父さんがお庭に案内した途端、ダメでした。広いお庭に出ると、初めて見る人がいっぱいです。みんな頭が赤い系統の人たちばっかりですが、一斉にこっちをみました。怖いです。
「ひぅ」
思わずお父様の足にしがみついちゃいました。
「セシル、パパが歩けないから、おてて繋ごうな?」
無理です、嫌です。首を振ったら、お父様に引き剥がされてしまいました。どこかにしがみつかないと不安です。お父様の足にしがみつけないなら。
「まぁ、セシル姫よ」
「あら、可愛らしい」
「シュゼット公爵夫人によく似てる」
「恥ずかしがり屋さんだね」
無理です!セシルは怖くなってお父様の腕を振り払って、お母様のドレスの中に入り込で足にしがみつきました。
「きゃっ!!セシル!?」
「セシル。大丈夫だよ、出ておいで、エドガーお兄様が抱っこしてあげるからさ。」
エドガーお兄様の声がします。でもあの人だかりは怖いです。
「セシル、大丈夫だから出ていらっしゃい。お姫様はそんなことしないのよ?」
そうなんですか?でも怖いです。とか思ってたら体が浮きました。見たら、お母様がしがみついてる足を浮かせてます。
「はい、エドガー」
「はーい」
後ろからエドガーお兄様に抱き上げられちゃいました。
「セシル、お母様の足から離れようね。僕にしがみついてて良いからさ」
そう言われたら、しがみつきます。お兄様の首越しに見たら、アランお兄様とウジューヌお兄様が両手をわきわきしてます。
ジョゼフお兄様はちゃっかり、ウジューヌお兄様にしがみついてました。ずるいです。
「うー僕がその役やりたいけど・・・」
アランお兄様が耐えるように両手をグーにしてました。
「アラン、お前は私と挨拶回りだからね、よく耐えた」
お父様がポンポン頭を撫でてます。
お母様がしゃがんでセシルに視線を合わせました。そういえば、いけないことしたんです。ドレスの中に逃げちゃダメって婆やに言われてたんでした。
「セシル、みんなでちょこっとだけ挨拶したら、子供達だけで遊んでいいから、それまで頑張りましょうね」
「ちょこっとだけ?」
「えぇ、ちょこっとだけ。そしたらお菓子もたべれるし、お兄様達とも遊べるわ、友達もできるかも。」
「じゃーがんばる。」
「偉い偉い」
お母様に撫でられて、セシルはエドガーお兄様と一緒に親戚の人たちに挨拶しに行きました。
怖いから、セシルはエドガーお兄様の背中にしがみついたまま「はじめまして、セシルです。」っていうのが精一杯です。
「まーかわいい!!兄弟仲がよろしくって羨ましいわ!うちは喧嘩ばかりで、もう大変!」
「いえいえ、うちも喧嘩いたしますわ、セシルが生まれてからは、お外でやってくれるようになって助かります。」
「そうよね、部屋の中で喧嘩するたびに物が壊れて、子供部屋に家具を置くのを諦めましたわ。」
お母様と仲の良さそうな夫人の人たちはみんな似たようなお話で盛り上がって去っていきます。他のお家の喧嘩は家具が壊れるんですか?そういえばお兄様達の喧嘩をセシルはまだ見たことないです。お母様のお話だとお外でしてるみたいです。
「お久しぶり、レオン公爵!いやー小さなお姫様はかわいいね。」
「えぇ、息子ばかりだったので、女の子はまた別の可愛さがありますね。レフリー殿が娘の可愛さと語る気持ちがわかりますよ」
「はっはっはー君も娘の可愛さに目覚めたか!」
「息子は一緒に遊べて、っと訓練ができて、それはそれで楽しいのですがね」
「確かに!」
お父様はお兄様自慢とかセシルがかわいいって言って話で盛り上がることが多いです。
「末っ子はやはり甘えん坊になるわね〜お身体が弱いとお聞きしましたが、どうですの?」
「最近は寝込むことも少なくなりましたわ。」
「ほほう、そうなのか。いやいや、我妻が気にしておってな、すまないねー」
「お気遣いありがとうございます」
「マルディ家としての義務は難しそうかの?」
「いえいえ、伯爵。セシルはまだ幼いですよ。まだ間に合います。それに我が家には息子が4人もいますからね」
「おう、そうでしたな」
「まぁ、そうですわね〜優秀な王子達がいましたわ」
お父様もお母様もピリピリしてる会話も時々ありました。
「あいつら嫌い」
ぼそっとウジューヌお兄様が笑顔のまま言いました。アランお兄様がウジューヌお兄様を小突いて言いました。
「こら、ウジューヌ」
「わかってるよ」
ウジューヌお兄様にくっついてたジョゼフお兄様がアランお兄様に聞きました。
「アランお兄様、まだ終わらないの?」
「後少し、だからジョゼフも頑張れ」
「うん」
「セシル疲れた。」
エドガーお兄様に寄りかかるように抱きついてたら、頭をなでなでされました。
「セシル〜自分の足で立とう?」
エドガーお兄様が困った顔をしてます。でもセシルは疲れました。
「じゃー僕が抱っこしようか」
アランお兄様が笑顔で両手を広げてきました。やった、セシル抱っこしてもらえる〜っと思ったら、お父様に捕まりました。
「お前達は、子供達のお茶会に行っていいぞ。アランは私たちと一緒だ」
「「はい」」
そうお父様がいうと、アランお兄様だけお父様達と行ってしまいました。
「よし、俺たちはこっちだ行くぞ」
そう言ってウジューヌお兄様が先頭を歩きながら連れてってくれたのは、庭園の奥。そこには子供達がいっぱい居ました。
おっきいお兄さんお姉さんは、お兄様達の従者くらいの年齢の人たちばかりです。
「きたきた、ウジューヌ久しぶり。エドガーも」
「かわいい〜この子が、セシル姫ね」
おっきいお姉さん達にエドガーお兄様と一緒にセシルは囲まれてしまいました。
「こんにちは。セシルも挨拶して」
「こ、こんにちは」
「「かわいー!!」」
「私は、アンヌよ。よろしくね」
「私は、クロエよ」
「私はドロテよ!かわいー」
お姉さん達の圧にセシルはタジタジです。エドガーお兄様に力強くしがみついちゃうのはしょうがないと思うんです。
「セシル、苦しいよ。」
「ほらほら、セシル落ち着けー大丈夫だから。お姉さん達と遊んでもらえ。イネスとおんなじだぞ」
ウジューヌお兄様が後ろからセシルを抱き上げました。そのままなぜかお姉さん達に渡されてしまいました。
「ひぅ」
「大丈夫よ〜怖くない怖くない」
「イネスと年齢近いから、大丈夫だって」
ウジューヌお兄様は簡単に言いますけど、イネスと雰囲気違います!
「イネスちがう。イネスふわーだもん」
「あー、確かに、イネスは確かにふんわりした雰囲気だもんね」
ジョゼフお兄様が納得してくれました。
「怖くないわよ〜セシル姫。あっちで美味しいお菓子があるわよ。一緒に食べましょ?」
「お菓子?」
「そう、お菓子。ね?」
「お菓子食べたい」
そう言われれば、お腹が空いたんです。お菓子があるなら食べたいです。
お姉さんが指差した方向を見ると、確かにテーブルが並べられてお菓子が置かれてます。
「お姉さん達と一緒に食べに行こうか」
「うん!行く!」
「・・・セシル単純」
「しっ」




