セシルとお兄様と武術のお勉強
過保護なお母様とお兄様たちと過ごしながらセシルはスクスク成長して4歳です。あっという間です。マナーのお勉強に音楽の授業、文字の勉強にダンス、武術もやらなきゃダメみたいです。ウジューヌお兄様のせいで、短剣投げがメインです。的に向かって投げるですけど、正確に当てなきゃいけないそうです。はっきり言って飽きます!
でもアランお兄様もエドガーお兄様もジョゼフお兄様も褒めてくれちゃうのです。
「うまいうまい!セシル今度はオレンジの的に当ててみて」
「すごいよセシル!じゃーさ、今度は白い的の端っこに当ててみようよ!」
「上手だね!セシル!さすが僕たちの妹だ!」
「むっふー」
別に褒められたからって頑張らないもん。ちょっとお願いされたからリクエストに答えただけですよ。
またナイフを取ろうとしたら、ウジューヌお兄様が大きい剣を持って現れました。
「なぁ、これもやってみないか?」
細長い剣を持たせようとしてきます、それは投げるやつじゃないです。嫌です。
「いっやっ!セシルはおしゃれしたいの!」
「えーじゃこっちのかっこいい剣とかどう?ほら」
なんでいくつも持ってきてるんでしょうか。確かにバラの装飾がついて綺麗です。無理やり持たされるし、とっても重いです。細長いから突きでお兄様を狙うと、ひょいひょいっと避けられちゃいます。
「おう、上手上手!」
なんか、イラッとします。全然あたらないし!重一気し地面に叩きつけて投げ捨ててやりました!
「ちっがっうっの!!」
足踏みして抗議するとなぜかウジューヌお兄様が喜びはじめました。謎です。
「あははは!可愛い!ねぇ、アランお兄様、超可愛いだけど!」
「セシルはいつも可愛いけど、ウジューヌ、変な方向にいってないかい?」
「アランお兄様ほどじゃないよ?」
「「・・・」」
「セシル、お兄様たちは話し合いが始まるみたいだし、僕と護身術やろうか」
エドガーお兄様がひょこっと顔をだしてセシルを違う方向に向けました。後ろでは剣がぶつかる音がしてます、攫われた時を思い出しちゃうのでちょっと怖いです。
そうです、攫われてから、護身術も大切だよってパパにいわれて、剣の撃ち合いも習わないとダメなんだそうです。イネスがそばにいなかったら、セシルが頑張ってイネスのそばまで行かないといけないそうです。そのためにもやらないといけないそうです。
エドガーお兄様は優しく教えてくれるので良いですけど、カツンカツンってぶつけるだけです。ウジューヌお兄様やアランお兄様だと、ちょっと怖いし、ジョゼフお兄様はもっと真面目にやらないとダメって怒られるから嫌です。
「はい、右、左」
「セシル、剣は怖いから嫌ー」
「そうだね、怖いって知ってるのは良いことだよ。」
「セシル様」
振り返るとイネスがいました。
「イネス!だっこ!がんばったのー!」
もう剣の勉強は嫌です、剣を放り投げてイネスに駆け寄ってスカートに飛びつくと、イネスが笑いながら頭を撫でてくれました。
「んーセシル様、抱っこしてあげたいのですが、セシル様の体力をつけるために、お屋敷に戻るまでは抱っこできないんです」
「えーーー!セシルもう歩けない!」
「お屋敷に戻りましたら、抱っこいたしますよ」
「今がいーのーー」
ジャンプしてもイネスが抱っこしてくれる様子がないです。
「セシル、僕が!「アラン様ダメです。お医者様にも言われましたでしょ」」
アランお兄様が抱っこしてくれそうだったのに、エメがめってしてしまいました。そうなんです、セシルお医者さんに運動不足とか言われたんです。もっと自分で歩くようにって、だってみんな抱っこしてくれるんですよ。楽チンなのに、みんなも抱っこしちゃダメってお医者さんが怒ったんです。ひどいです。
「セシル様、お屋敷に戻りましたら、お茶の時間です。奥様がお待ちしていますよ?可愛いドレスに着替えていきませんか?」
「いく!」
「では、急ぎましょうか」
「抱っこ!」
急ぐんなら抱っこです!なのにイネスは抱っこしてくれません。
「よし、セシル、僕と競争だよ!勝った方がクッキー一枚多く相手から貰えるんだ」
いきなりジョゼフお兄様が言いました。クッキーをあげるだなんてダメです。
「え?!」
「よーいどん!」
「あ!!」
ジョゼフお兄様が走っていきました。
「セシル様、急がないとジョゼフ王子にクッキー取られてしまいますよ」
「だめ!」
急いでジョゼフお兄様のあとを追いかけてくと、屋敷の入り口でお父様にぶつかりました。
「「わっ」」
「あぶない、急いでどうしたんだい?」
「パパ!セシルのクッキー取られちゃうの!」
「ん?」
「セシルと競争してたんだ。勝った方がクッキー一枚もらうの」
「なるほど、ははは。そうだな〜・・・」
そうお父様が言うとセシルとジョゼフお兄様を抱っこして屋敷の中に入ってしまいました。
「同時に到着〜。引き分けだね」
そう言って頭を撫でていきました。
「セシルのクッキー無事?」
「あぁ、無事だよ。お茶の前に着替えておいで」
「「はーい」」
お父様はそう言うと、お外に出ていきました。そのあとにはお兄様とイネスたちがきました。
お着替えを済ませてお母様のいるお部屋に行くと美味しそうなお菓子がいっぱいです。今日あったことを報告すれば、お母様が頭を撫でてくれます。
「抱っこがいいなー」
そうお願いすると、お母様がんーって悩んでから、いいわよって言ってくれます。やりました!
「お母様、いいのですか?」
エドガーお兄様が聞いてきました。
「いいのよ。セシルは今日がんばったんですもんね、ご褒美も必要よね」
「ねー!」
そうです。セシル頑張りましたよ。もう疲れましたお母様にしがみついてると、とっても気持ちいですし、ほわほわーってします。
「まだ、マナが安定していないし。セシル眠っててもいいのよ」
「えー、セシルお姫様のお茶会するの、ままとー・・・」
「ふふふ、セシルの瞼が下がってきてる」
アランお兄様がそう言いながら近づいてきて頭をなでなでしてくれました。それは気持ちがよすぎます、瞼がおちてきちゃいます。
「セシル・・・まだ・・・おき・・・」
*
ジョゼフがスヤスヤ眠るセシルを見つめながら言いました
「ネジが切れたみたいだ。寝ちゃったね」
その様子をお茶を飲みながらエドガーが答えました。
「そうだね、今日は最後に、ジョゼフがうまく走らせたからね。」
「セシルは体力ついたかな?お母様」
ウジューヌが聞くとお母様が笑いながら、セシルを優しく見つめながら言いました。
「ウジューヌ、気がはやいわよ、日々の積み重ねよ。すぐに体力がつくわけじゃないわ。それでも、前よりはおきてる時間も伸びてるし、かけっこの距離も伸びたのでしょ?」
その問いにアランが答えました。
「うん、ナイフ投げも投げれる数が増えました。走る距離も、練習場から屋敷の裏口まではこけずに行けるようになったし。食べる量も増えたしね」
「だから大丈夫よ。優しいお兄様たちが見てくれてるんですもの」
その言葉に兄達は照れ臭そうに顔を見合わせました。




