↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武闘派のセシルは清楚可憐な姫様になりたい   作者: siro


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/83

乱入です

 お熱がでてしまいました。ベットから出れなくて暇です。頭がぼーっとするだけなんです。お兄様が弾くピアノが聞こえます。セシルも弾きたいです。お布団の上でバタバタしてるとイネスが頭をイイコイイコしてくれるのでちょっと落ち着きます。イネスの手は冷たくて心地がいいです。

「あと少しで、ウジューヌ王子のピアノが終わりますから。もうちょっとお待ちしてましょうね」

「セシル暇です」

お兄様のピアノが終わったら宿題の音符読みを一緒にしてくれます。最初は雑だったり怒られたりしたけど、エメがめってするたびに、教え方が優しくなりました。そんでもって、ちょっとアランお兄様みたいになってきました。最近上手く出来ると頬づりされます。なんででしょう?

「セシル〜正解だぞ〜」

「おにぃいいさまああ頬がちぎれるぅー」

「あははは、やわらけー。あったけー」

「ウジューヌ様、セシル姫はぬいぐるみじゃないですよ。優しく丁寧に接してください。それとまだ微熱が出てますからね」

「エメ!もっといって!」

「んだよ〜褒めてるだろう〜」

「頭いいこいいこが良い!」

そういったら、なぜか頭の上にお兄様の顎が乗って、ガクガクされました。なんか面白いです。

「あうあうあうあうあうあう」




 そんな毎日でしたが、熱が完全に下がったらお部屋から出ていいよって言われたので、久しぶりにピアノを弾きに来ました。先生はまだ来ないです。お兄様と一緒にポンポン叩いてたら、お外が騒がしくなりました。


「な、なあに?」

「なんだろうな?」


そんな会話をしてたら、扉がバーンと勢い良く開いて男の子が入って来ました。

「ウジューヌ!遊びに来たぞー!!ルッツと呼べ!!」

「「あ、ルッツ」」

 ちょっと大きくなったルッツが来ました。ルッツの後ろにはお祖父様の執事が慌ててます。そういえば、今日もお祖父様たちはお出かけしてます。なんでもお庭が汚されちゃったから、お掃除中らしいです。

「え、お前だめだろう!?」

お兄様がびっくりしてます。

「ん?でも、僕はセシルと約束したからね。遊びに行くってね!」

その言葉に皆がセシルを見ます。

「ん?」

「はぁ?!セシルと約束なんて出来ないだろうが!!」

「セシル知らないよ?」

そんな約束しましたっけ?えーっと思って首を傾げてたら、思い出しました。

「あ!お水の中!」

「水の中?」

ウジューヌお兄様の眉間にシワがよってます。

「水鏡だって!」

「あのねー、川遊びした時に、水の中にルッツがいた!!!あれ?遊びに行くよーって言った かもー?」

「だから、水鏡!」

ルッツが訂正してきます。


エメが椅子を用意しながら言いました。

「つまり、勝手に我が家の姫様と連絡を取り一方的に遊びに来ると伝えたわけですね」

ウジューヌお兄様が怒ってます。

「おい、それはまずいだろ!!大人に許可取らないなんて!散々俺たち怒られただろう!俺、来年はちゃんと王都に行きたいんだぞ!本当に行けなくなるだろうが!!」

「大丈夫だよ。僕、今日は従兄弟のアベルの所に遊びに行くついでによったからね!」

胸を張っていって来ました。

「アベル様?おい、全然行く方向が逆じゃんか!寄り道ってレベルじゃないぞ!」

「問題ない!」

「あるって!」

 お兄様とルッツが言い争ってます。その間にエメとお祖父様の執事さんが机もお茶も用意して、そこに移動させられました。イネスはすぐにセシルの後ろに立ってます。

「イネス、ルッツと遊ぶの?」

「いいえ、今大旦那様にご連絡をして、指示を仰いでますので、お茶をしてお待ちくださいね」

「はーい」

いい子で待ってます。その間もルッツとウジューヌ兄様は言い争ってます。

ウジューヌお兄様がルッツの胸ぐらを掴んで小声になっちゃいました。聞こえないです。


「てか、早く帰れ。今、やばいんだよ」

「何が?」

「だから、屋敷に来て気づいただろうが!」

「んー厳重だね?」

「気づいてんなら、入るなよ!いいか!今うちは狙われてるんだよ。」

「まさか、マルディ家の本家に対して?そんなば」

「そんな馬鹿な奴がいるんだよ。現にすでに、工作員らしき人物は現れてるし、お爺様達が対処してる。」

「・・・彼女を受け入れたからか?」

「爺さんはそれだけじゃないって言ってる」

「・・・」

「とにかく、早く帰れ!!」


 暇です。お兄様のお皿の上に置いてあるスコーンとクッキーをこっそり取っても皆、気付かないです。こっそりポケットに入れても、皆お兄様達を見てます。

そしたら、廊下がなんだか騒がしいです。と思ったら、どぉおおんと言う音と共にお屋敷が揺れました。

「なんだ?!」

「イネス!結界を!」

「はい!」

エメが指示するとイネスがすぐさま抱きしめてくれました。そして、机の下に隠れました。

「ルッツ様もイネスのそばに!」

「何が起きた!?」

「屋敷に攻撃が仕掛けれました!!まだ残っていたとは」

お爺様の執事さんが答えてます。ルッツはイネスの横にくっつきました。部屋にいた騎士達は急いで出て、扉は閉められてしまいました。

外では怒号が飛んでます。


「イネス・・・何が起きてるの?大丈夫?」

「大丈夫ですよ。私にしっかり掴まっててください。」


ウジューヌお兄様は壁に飾っていた槍を掴むと外し、エメに投げました。二人は槍についてた装飾を乱雑に外して、セシル達が隠れる机の前に陣取り扉の方に構えました。

「エメ、奥に行くべきか?」

「ここからでは奥に行く手段がありません。廊下からしか」

「ちっ」


扉にドカドカ当たる音がします。鉄と鉄が鈍くぶつかる音が響いてます。

「大丈夫だよ、セシル姫。ここの騎士は強いんだ。それに僕にも護衛の騎士がついてる、彼らがいればあっという間さ」

そう言いながらルッツが頭を撫でてくれました。

その言葉の通り、数分後には雄叫びが聞こえる中、パタリと音がやみました。

「制圧完了しました!暫くお待ち下さい。」

扉の外から騎士さんが言いました。その言葉に皆ほっとしました。

ワンちゃんの遠吠えが聞こえ、近づいて来るのがわかりました。


「大旦那様が戻ってこられましたね」

その言葉の通りお祖父様とお祖母様が大きな声で何か指示してるのが聞こえます。

「じぃじ!ばーば!帰って来た!」

両手あげてぴょんんぴょん跳ねたら、手が机に当たりました。

「いたい」

「そうですね。」

ホッとしたようにイネスが机の下から出て、セシルを抱っこしたまま椅子に座りました。ルッツも隣に椅子を持って来て、座りなおして、おててはナデナデしてもらいました。

扉が開けば、お祖父様と騎士が入って来ました。

「ウジューヌ、セシル無事か!」

「お爺様!」

ウジューヌお兄様が駆け寄って行く中、セシルも駆け寄ろうと椅子を降りた瞬間、足元がまた揺れました

「お?」

「セシル様!」

イネスがとっさにセシルを抱きしめて、ルッツの手も握ってます。

「リィフィクソンドォパク!!ピッソン!」

イネスが慌てたように叫びました、すると周りにふわっと青い透明な幕がおりました。


スローモーションのように、お祖父様とお兄様、エメが慌ててこちらに駆け寄って来ます。椅子と机が揺れて倒れる中、周りが光ったと思ったら、不思議なぶつかるような音を聴きながらふわっとした浮遊感と共にセシル達を残して、お屋敷が上にあがりました。

「「セシル!!!」」

「「王太子!!」」


ぎゅっとルッツがしがみついて来ました。イネスの腕に力が入りながら悲鳴が上がってます。

崩れた床と、机と椅子と共に、落ちて行く中突風が吹いて、がれきが飛んで行きました。視界に見えたのは、黒い船。


バフっと落ちた場所はクッションがたくさん積み上げてありました。周りを見渡せば、ここはちょうどお屋敷の下に流れる川の上です。上を見上げれば、お祖父様とお兄様、騎士達が集まって来ます。

「セシル!!」

「ウジューヌお兄さま!」

周りばバシャバシャと瓦礫が落ちて水柱が立ってる中、なんと船が動き始めました。

「ふぇ?!」

船の上に人3人乗っていました。ローブを深くかぶっていて顔がわかりません。

お兄さまが槍を持ったまま、ローブの人目掛けて飛び降りて来ましたが、ガンという音と共に空中で跳ね返されて川に落ちてしまいました。


「「ウジューヌ!!」様!」


「急げ」

ローブの男の人の誰かが言うと、船のスピードが上がりました。


「イネス!ルッツ」

二人は気を失ってます。揺するとルッツがすぐに気づいて瞬時に結界か貼られたのを感じました。



「セシル!!!」

お兄様が叫んでます。

「うっ・・・」

イネスが気づきました。すぐに起き上がってセシルとルッツを抱きしめながら言いました。


「あなた達の目的はなんですか!?」

男の人たちは答えません。船はどんどん進んでいきます。お祖父様の屋敷は小さくなって行くし、天馬さんがこっちに向かって来るが見えます。


「目的が私なら、姫様と王子は解放してください。」

イネスがそう言うと、クツクツと一人笑い始めました。


「界渡りは?」

「この領では何故かできん。隣に移動しないと」

「追っ手が来てるぞ」


その会話だけで、イネスとルッツの顔が青ざめました。

「ルッツ?イネス?」

ルッツがイネスの手を握ると青いマナが移動するのが見えました。

「ありがとうございます、王子」

イネスが小声で言いました。

「僕では、まだ数種類の結界は展開できないから」


 遠くから”撃てっ”ていう声が聞こえました。見上げると、弓矢を構えてこちらに迫って来る天馬さんがみえます。

ピュンピュン跳んで来た弓矢は川にあたり水柱を立てていきます。

ごおぉおっっという音と共に、船に向かって打たれたら矢はローブの男の一人が弓矢を構えて水を纏った矢で撃ち落としてしまいました。

また川に水柱が立つと大きく船が揺れます。飛び跳ねた勢いのまま、大きな波が起きて宙に浮きました。

「ひぃう」

浮遊感に怖くてイネスにしがみついて目を瞑りました。


「飛ばせ!!」

「行かせるな!!!」


「イネス!!結界を強化しろ!!」

「攻撃!!船を壊せ!!」


怒号が飛び交う中船が壊れ始めました。どんという衝撃と共に、水柱が船の周りにたちました。その瞬間なにか幕から抜け出した感じがします。

「しまった。マルディ領内から出た」

ルッツのつぶやきが聞こえました。


「展開しろ!!」

水柱が収まった瞬間、セシル達の足元が光りました。


「姫様!!!」


「悪魔の子よ!!この世から去れ!!」

ローブの男が叫びました。その瞬間ぐにゃりと何かが曲がったのを感じました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。