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システムE ver.2  作者: 八澤
最終話 好きなページを開いて自由に弄る女子高生 こんなにも頭下げているのにヤられない
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49/62

ver.041

 私のケータイの画面がピンク色に光り、その文字が浮かんできた。

 ケイのケータイをもう一度覗くと、……画面は真っ暗になっていた。電源ボタンを押しても、二度と起動することは無かった。

 ケイの文章は、私と直接話しかけているかのようだった。私が何か思うたびに、それに対しての言葉が綴られていた。驚いたけど、ケイの言う、未来予知――『運命グラフ』があるんだもの、それくらいは出来て、当然だよね。むしろ、納得していた。

 私は、ケイのケータイをポケットにしまった。もう二度と起動しない気がしたけど、捨てる気になれなかった。無造作に捨てると、またメールが届いてきて、今度は怒られそうな気がしたから。

 ――さて、と私は立ち上がる。

 どうしようと、悩んだ。ケイが、暇なら協力しろと、言っていたのだけど、あまりに一歩的過ぎるでしょ。その依頼を託した人間はもう死んでいるし、それも文章で送り届けられてきた。何も言い返せないうちに決められちゃって、少し焦っていた。

 

セセラギ

残り、十八時間

DP            SP

300/300     20/20 ◎◎


①閃光 ②ビルドレ ③瞑想ギガドレ ④守る→加速 ⑤ト・リ・パ

⑥万魔の暁

× インフォメーション

× 運命グラフ


 残り時間は、もう二十時間を切っている。それを見て私は決心した。ここで悩んでも意味無いし、無駄だ。そのシェルターに向かってみようと思った。ケイ曰く、何かイベントがあるって言ってたし、暇つぶしにはなるだろう。

 早速、トイレへ向かった。一応、さっきも確認したけど、どこもおかしなところは無いような気がした。と、そこで、トイレの横についている、ウォシュレットやシャワーなどのボタンに、赤い小さなボタンが一つついているのを発見する。何も文字は書いていない。試しに、押してみた。

 ガチャン

 と、一度音がして、右側の壁が、一瞬動くと、下へ吸い込まれるかのように消えてしまった。そこには、階段があって、地下へと続いている。凄い、首相になれば、この程度は家を改造しているのか? 電気は通っていないはずなのに、動いたことから、もしかして、この一階は停電になっても動くように、自家発電をしているのかもしれない。だから、さっきケータイに充電をすることが出来たんだ。

 その階段に足をかけた瞬間、私は気づいた。

 血の足跡が張り付いていることに。それが、下まで続いている。誰か、私よりも前に、この隠し通路を発見して、通った人間が居るんだ。血をそれとも怪我をしていたのか……。あ、見汐の血液かもしれない。返り血を浴びた人間が、この先に潜んでいる可能性がある。

 そっと足音を立てないようにしながら、階段を下りる。灯りは無く、途中から完全な暗闇になったので、足元に注意しながら、一段一段を噛みしめるように降りていく。

 カンッ

 その途中、背後から物音がした。慌てて振り返ったけど、何もない誰もいない。少し戻って、その音の発生源を突き止めたくなったけど、私の空耳かもしれない。無視することにした。

 ――だけど、私の足音に混じって、上から、あきらかに足音が聞こえてきた。

 スタスタスタ、止まる。カツッ――

 私が止まったと同時に、一瞬遅れて、その足音は止まった。

「誰か上にいるの?」

 と、声を上げる。その瞬間、攻撃されても大丈夫なように、構えた。

 三十秒ほど経ったけど、何も音は無い。さっきの足音は、もしかして自分の足音が反射して聞こえてきたの?

 ごくっと、唾を呑み込んだ。

 私は、前へ向き直ると、一気に階段を駆け下りる。二段、三段飛ばしで、走るような速度で下へ行った。

 足音は、やっぱり聞こえる。

 だけど、今の私は、スピードを上げ過ぎて止まれない。こんな薄暗い階段の中、私は転ばないようにバランスを取るので精いっぱいだ。

 ふと、下の方向から、光が見えた。私は、なんとか速度を押さえると、そのまま前方にあった壁にぶち当たった。……痛い。その横に、扉があった。ここが、シェルターへの入口なんだろうか。

 階段を見上げる。

 誰も……居ない。ってか見えない。

「おーいッ!」

 おーい、と自分の声が、通路の中で反射した。それだけだ。何も、帰ってこない。

 私は、扉に腕を掛けた。開いて、その得体の知れない物音から逃げるように、中に入った。



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