↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
システムE ver.2  作者: 八澤
第六話 冷めた表情で助けを求めていなかったらあなたならどうする?
PR
48/62

ver.040 『運命グラフ』


 私は、姉が嫌いだった。

 

 会川奈々に、姉が殺されてしまい、母はそれに悲愴して首を吊って死んでしまった。私は、そこで一人残されてしまい、一人になった代わりに、能力を得た。

 未来を見る力、だ。

 未来予知。

 でも、未来予知って名前、なんかカッコ悪い。普通過ぎだよねー。ってことで、未来予知ってことは、人の運命を司る、そして、私の力は人と人の接点から、未来を導き出す。これを、見汐君は、グラフ理論に少しだけ似ているって言ってくれた。

 だから、運命とグラフを合わせて、


 運命グラフ


 どう? セセラギ? あなたもこんな名前、好きでしょ? 

 それでね、私は運命グラフを使って、姉を殺した人物や、父を寝取った女や、私達を捨ててのうのうと生きている人間に、それにかかわる人間に対して、復讐をすることにしたの。この力さえあれば、楽勝……ってわけにはいかなくてね、仲間を集めて、作戦を立てて、少しずつ少しずつ、会川奈々を追い詰めていった。

 はずだった。でも、私は途中で運命グラフに耐え切れなくて、死んでしまったのー。本当は、会川奈々の最後を、とても笑顔で看取っていたはずなのに、人生は上手くいかないのよねー。

 あまり悔しくは、無い。

 だって、私は、本当は、復讐なんて、あまり興味が無かったのよ。父が知らない人と楽しくセックスしてようが、馬鹿な母が自殺しようが、私達を嵌めた奴らとか、ほんとどうでもいい。勝手にして欲しいと思っていた。

 だけど、私が唯一許せなかったのが、姉だった。

 何、一人で死んでるの? と。いや、本当は、父と相手の女性を殺すつもりだったらしいけどねー、逆に返り討ちになって、死んで、それで母までおかしくして、最後は自殺させたんだ。

 姉はねー、私よりも、皆に愛されていたんだよ。家族親戚、友達、知り合い大人、街行く人々、全てが、姉には、寛大だった。一種のカリスマっていうのかなー、それが、姉は持っていた。

 羨ましかった。

 そんな姉に対して、尊敬の念を抱いている自分が、とんでもなく許せなかった。

 私のほうが、頭良いのに。

 才能っていうの? それで優劣つけらたら、困るっつーの。優秀でもあったけど、それ以上に、私とのアドバンテージがある。セコイ。

 でも、姉は、父を殺すことは出来なかった。

 不可能。

 それが、私をとっても幸せな気分にさせたの。だって、姉は成し遂げる直前に、死んでしまったのよ。ってことは、もう絶対に成功させることは出来ないの。

 私にはさー、【運命グラフ】がある。

 未来を観ることが、できちゃうって、凄いよねー。

 ってことは、

 私には、出来る。

 はは、お姉、自分から電車に飛び込んじゃって、めちゃくちゃお馬鹿じゃん。でもね、一人で死ぬのは別にアホでどうでもいいけどさー、母まで連れて行くなよ。あの後、アンモニアの匂いがしばらく取れなかったんだから。大家さんにも怒られるし……。

 姉には不可能だった問題を、私は乗り越えることが、可能。

 それを夢見て頑張ってきたけど、結局無理だった。

 うぅ、姉には、敵わないのよ。

 見汐君に任せたけど、彼は成功できるかわからないし。

 ――こんな感じ、かな。書き残していた話は。

 ふぅ。

 で、セセラギ、セセラギと言われて、少し驚いた? あ、私の能力について、誰かから聞いていると思うから、別に想定の範囲無い? ――果たせるかな、だっけ? 案の定って言えばー? そっちのが言いやすいよ。同じ意味だし。本当に頭の良い人はねー、どんな馬鹿でもわかる言葉で話すもんだよ。難しい言葉を使ったり、自分だけしか知らない言葉を使うのは、あまり褒められる行為ではないよー。

 あれ、怒った? いや、怒ってはいないか。呆れているね。なんでわかるかって? 運命グラフがありますから、今、セセラギがこのメールを読んで、どんな想いを浮かべているか、未来のあなたと話ているのよー。意味わからない? いずれわかるよ。今、見汐君が居ないから、その間に書けるだけ、この文章を書くよ。

 なんで、私が、セセラギにメールを送ったか? 

 それは、お願いがあるんです。

 まずは、私のこの運命グラフを、あげます。詳しくは知らないけど、今のセセラギには、力をケータイに組み込めるんでしょ。このメールを読み終われば、レベルアップ出来るから、その時に習得できる。

 で、その次に、この家から続いている、地下のシェルターへ向かってね。場所は、トイレに隠し道があるから。そこで、色々と些細なイベントがある。それを消費してー、うーーん、そこで、私の【運命グラフ】を完全に起動できるようになるのよー。何故かって? いや、それは自分で体験して! 結構面白いと思うから。

 それで、セセラギに頼みたいことは、会川奈々の殺害。

 方法? それに、もう会川奈々は死んでいるって? そりゃ、寿命で死ぬよ。私がしてほしいのは、殺害だよ。

 殺されたって?

 私もね、それを願っていたんだけど……多分、見汐君は失敗している。

 殺せては、いない。

 最後に、何か邪魔が入って、達成は出来なかったんだ。あの寝取られ根暗野郎、私が、ちょっとチ●コ舐めれば頑張ってくれると思っていたのに、これだから金玉ついている人間は信用ならない。

 で、セセラギ、やってくれるかな?

 何、その顔……渋らないでー。

 どうせ今、やること無いんでしょ。地球も崩壊しているみたいだし、行く場所も無い。

 それに、もうすぐ死ぬよね?

 こんなことまでわかる【運命グラフ】いいでしょ。まぁ、セセラギに渡ると、かなり性質が変わっちゃうかもしれないけど。原因は、あの女、――会川奈々かなー。

 あ、見汐君が戻ってくる。私も、もうすぐ逝くから、これ以上は、文字を入力出来ない。

 じゃあ、頼んだよ。

                     ケイ










レベルアップしました。


【運命グラフ】を習得しました。


運命グラフ

時間

タイプ――ケイ

消費SP ?

二〇一〇。拙い、厳つい、儚い、運命→リンク



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。