ドキドキワクワクギルド登録
眩しい光が落ち着いてくると、そこには中世のような街並みが広がる。
今いる噴水広場が初期地点のようだ。
「パーティー組みませんかーー?」
「だれかヒーラーいませんかーー」
辺りではもうすでに勧誘が始まっていた。
「とりあえず、冒険者ギルドに行けばいいのかな?いや、商売するんだから商業ギrっっ」
初期地で考えを巡らせていると「ドーーンッッ」と大きな音を立てて何かが降ってきた。
音の方を見てみるとそこには街に似つかわしくない巨大なドラゴンが立っていた。
「すまない、大丈夫か?」
「あぁ、うん、大丈夫…なのかな……」
突然のことに動揺していると話しかけてきた。どうやらログインしたプレイヤーの転送位置が上空だったため落ちてきたらしい。
自分の状態を確認するとHPを確認すると半分以上も減っていた。見渡すとさっきまで周りにいた人たちがリスポーンしている。落下だけで大量キルとは…さすがドラゴン
騒然としている状態に当の本人はというと最初は落ち着いていたが周りの被害を確認すると顔面蒼白で頭を下げて回っていた。
種族によってはこんなデメリットがあるとは、しばらく注意が必要だな。
流石にこのHPでうろうろする勇気はないし…
……これはギルドよりも先にポーションを買った方が良さそうかな?
噴水を囲むように露店がいくつか開かれていたがリリースからまだ数時間というのもあってNPCのお店しかない。
「こんにちは、HPポーションが欲しいのですが置いていますか?」
「やあ、いらっしゃい。あるにはあるが…失礼だがお客さんお金を持っているのかい?今日はやけにお金を持っていない客が多いんだ」
「え、まさか」
慌てて確認するとそのまさか所持金が0なのだ。いやいや、嘘でしょ!?
「あははっやっぱり兄ちゃんもかい?それなら冒険者ギルドか商業ギルドに行くといい。あそこならすぐに食事分くらいの仕事は斡旋してくれるさ」
「ありがとう、行ってみるよ」
結局最初に行くのはギルドになった。
お店の出し方とかも知りたいし、商業ギルドに行ってみよう。
初期地から歩くこと徒歩5分おしゃれで大きなカフェのような建物に商業ギルドと書かれている
ドアを開けるとベルが小さな音を立てて鳴る。
「ようこそ商業ギルドへ!!」
「こんにちは…?えっと…?」
ちょこちょこと沢山の紙の束を持った小さな女の子が出迎えてくれた。
ようこそってここの職員さん?6、7歳くらいにしか見えないんだけれど…
「ちょっと!!何を考えているのか大体わかるけど!!ティアは立派なここの特別職員なんだからね!」
「こらこら、ティア。お客様にそのような態度はなんですか?どうもすみませんね、本日はどのようなご用件でしょうか?」
カウンターから60代ほどの老紳士が声をかけてきた。
なんというか、こういう年の取り方をしたいなと思うような雰囲気の柔らかい人だ。
「実は今日ここに来たばかりで、仕事をいただきたくて…」
「あぁなるほど、今日はそういった人が多いですからご心配なさらずとも大丈夫ですよ。登録には1000ロルほどかかりますがお仕事の報酬からの天引きも可能です」
「本当ですか!ではそれでお願いします」
「では、こちらにどうぞ」
パーテーションで仕切られたソファに案内され、目の前には機械といくつかの書類が置かれている。
「必要事項を記入してここに入れてください、するとカードとリングが出てまいりますからそこに魔力を流してください。あ、魔力はほんの少しで大丈夫ですよ」
「わかりました」
ペンを持ち書き始めると老紳士ランズさんは席を外すといってカウンターの向こうに消えていってしまった。
【登録必要事項】
名前
種族
メインジョブ
サブジョブ
記入を終えテーブルの上にある機械に入れると歯車が周り始めガチャンガチャンと小気味良い音を立てながら動き始めた。
ものの数十秒ほどで中からほんのり温かいカードとリングが取り出される。
魔力を少し流すと淡く光りリングが腕に合うサイズへと変わっていった。
「登録終わったの?ランさーーん終わってるよーー!!」
さっきまであちこち駆け回って仕事をしていたティアが横からひょっこりと顔を出した。
「お待たせしました。これで登録が完了です。早速お仕事を受けて行かれますか?」
「はい、お願いします」
「では、こちらに。カードかリングをかざしますとメインジョブやサブジョブにあった依頼が表示されます。それ以外にどんな人でも受注可能なものがそちらのボードに貼られています」
入り口からそう離れていない場所にコルクボードが貼られていた。
ふむ、どれを受けてみようか?




