転校生
朝起きた始はいつもの登校時間より1時間早めに家を出た。
部活の朝練に行くために登校している生徒ぐらいしかおらずいつもと比べると静かな通学路を通り学校に辿り着いた始は職員室へ向かう。
するとそこにどこか見覚えのある女子生徒がいた。
身長は葵より少し高いくらいで背筋がピシッと真っ直ぐ伸びておりそれの影響か本来の身長よりも高く見える。
黒髪を団子に纏めて桜の花の飾りの付いたカンザシで留めており、それなりのサイズがある事から本来の長さはかなりあることが分かる。
その女子生徒は何かを待っている様子で周りを見ていた。それを見た始は彼女に声を掛ける為、近づく。
そんな始に気付いた女子生徒はペコリとこれまた綺麗なお辞儀をした。
「お久しぶりでございます士道始様。天堂桜花でございます。」
「久しぶりだ、天堂嬢。以前会った時より綺麗になった。」
「ありがとうございます。それと嫌でなければ桜花、とお呼びください。」
「ならば俺も始でいい。」
「了解しました、始様。普段からこの時間に登校を?」
「いや、昨日のメールからこの時間に来ればいくらか桜花と話せるかと思って早めに来てみたんだ。」
「それは苦労をおかけしました。」
「別にいい、それで昨日はホテルに泊まったのか?」
「いえ、寝台列車で今朝駅に到着し、タクシーで先程こちらに到着した次第です。」
「そうだったか。睡眠はしっかり取れたか?」
「お恥ずかしながら布団でなければあまり眠れない体質の為少しばかり眠気がございます。」
「そうか体育等体を動かす教科では注意するんだぞ。」
「承知致しました。」
そこまで話をした所で職員室から桜花を呼ぶ声が聞こえた。
「担任の方が呼んでおられるようです。」
「(今の声……まぁいいか。)そうか、俺は教室に行ってくる。また後で。」
「はい、また後で。」
再度綺麗なお辞儀をした後、職員室に入っていった。
朝、ホームルームに担任が教室の外の転校生を呼び出す。そうして入ってきたのは、
「私、天堂桜花と申します。皆様どうかよろしくお願い致します。」
始の予想通り、桜花だった。




