質問攻め
教室はそれはそれは大騒ぎだった。
特に目立ったところの無い高校に不思議な時期の美少女転校生、騒がない理由がない。
よって桜花は
「ねぇねぇ!天堂さんはなんでここに転校して来たの!?」
「家庭の仕事の関係でこちらに来ました。」
「前の学校はどんなだった!?」
「至って普通の学校でした。」
等といった質問攻めにあっていた。
それに対し落ち着いて一つ一つ返答を桜花はしていく。エスカレートしていく質問の中で遂にそれは出た。
「恋人とかいる!?」
「……!そ、それは……」
一瞬チラリとバレないように始の方を見る。
始は騒ぎに興味なさげにスマホを弄っていた。
「その反応!いるんだ!」
女子達がきゃいきゃいとテンションを上げる。
それと同時に男子はテンションがいくらか下がる。
「いや、そういう関係では……」
「ねぇねぇ、どんな人!?イケメン!?」
「やっぱりお金持ちなの!?」
答えにくい質問に少し困っている所にチャイムが鳴り響く。
教師が入ってきて皆が散っていく。
それに桜花はふぅ……とため息をつく。
そんな様子が昼休憩まで授業の合間に何度も起こるのだった。
昼休憩、始にメッセージが届く。
『すいません先輩!私宿題終わってないので今日一緒にご飯食べれません!』
「別に約束も何もしてないんだがな。」
送られてきた葵からのメールに少し笑いながら始はスマホを腰ポケットにしまう。
そして立ち上がった時、ふと見渡してみると桜花の姿が無かった。
少し耳をすましてみるとどうやらトイレに行くと言って教室から出ていったらしい。
(まあ、大方休憩と言った所だろう。あの質問攻めは流石に辛いだろうしな。)
そんな事を思いながら始は弁当片手に誰もいないはずのいつもの場所に向かった。
いつもの場所に着くとそこにはゆったりと休憩している桜花がいた。
「いい場所だよな人も中々来ないし。」
「……始様!すみません気付けず。」
「別にいい。隣、いいか?」
「どうぞ。」
横にズレた桜花の隣に腰を下ろす。
「……密着するのに躊躇いが無いのですね。」
「ん?……ああ、すまない普段話している相手が躊躇い無く近づいて来るから感覚がズレていた。」
「いえ、将来的にこれが当たり前になるのですから今の内に慣れようと思います。」
「そうか。昼食はあるのか?」
「店売りのものですが。」
小さな手提げ袋から出てきたのはたまごサンドとレタスハムサンドのセットだ。
「……そうだよな女子ってそういう量だよな。」
「?」
「いや、最近知り合いになった女子がかなり大食いだったからな。普通を知れて良かったよ。」
「そうなのですね。」
「さて、なにはともあれまずは食べよう。」
「はい。」
そうして2人は静かに食事を始めた。




