謝罪とパーティー再開
「わ……わぁ!?消えちゃいましたよ!というか真っ二つになっちゃいましたけど大丈夫なんですか!?」
決闘が終わりその余韻からか少しスーグが固まっていると決闘を見守っていたブルーが悲鳴を上げた。
スーグはそれに笑いながら剣を下ろす。
「ああ、体力が0になってリスポーン地点に戻っただけだ。問題無いぞ。」
「そ、それは分かってるんですけど……」
「あとはペインアブソーバー、痛みを和らげてくれるシステムがあるから斬られてもそこまでは辛くないさ。」
「う、う〜んでも流石に真っ二つにされたくは無いなぁ……」
「なら、強くならないとな。」
「あ、そうですね!頑張ります!」
「スカーレットと合流しなくちゃな。さっさと行こう。」
「はい!……えっと、どこへですか?」
「あの宿屋だよ。」
「え、リスポーン地点に直接行かないんですか?」
「あー、まぁ行ってみれば分かると思う。」
「???」
そして実際に宿屋に戻ってみると机の上に大量のジョッキが並んでそれの中身を勢いよく飲み干しているスカーレットの姿があった。
「あぁ〜〜〜負けたぁ〜〜〜!!!」
「はぁ……やっぱりここだったか。」
その姿を見てスーグはやれやれと言った様子で肩を竦める。
ブルーは幼馴染の見たことない姿に目を丸くしていた。
「ど、どういう状況なんですか……?」
「あーこいつな、HP0になってリスポーンすると大概ここに来てやけ酒するんだよ。」
「ええ……?」
「前はサラダを無限にかき込んでたこともあったな。」
「も…もしかしてストレス発散とか……なんですか?」
「多分な。……はぁ、まったく。」
ため息をついてスーグはここに座れと言わんばかりに引かれているスカーレットの正面の椅子に座った。
「お前、何も変わってないんだな。居場所特定しやすくて助かるが。」
「だってやられたらイライラするじゃない、それなら何かで発散しないと現実に何か悪影響及ぼしそうだし〜?」
「俺はお前が酒をリアルで飲めるようになった時が心配だよ。」
「流石にリアルじゃこんな事しないわよ……多分。」
「はぁ……ブルーそこに座れ。」
「あ、は、はい!」
ブルーは促されるままに椅子に座った。
そして机の上にあったジョッキを全て空にして一息付いた後スカーレットは深呼吸の後口を開いた。
「あの時の事、悪かったわ。売り言葉に買い言葉で喧嘩をふっかけてしまって、ごめんなさい。」
「俺も悪かった。あの後思い返してみればあんな態度を取られたら俺も怒る。すまなかった。」
二人とも頭を下げ、上げた時にはお互いに申し訳なさと恥ずかしさが混ざったような表情になっていた。
お互いに口を開けないでいるとブルーがパンッと手を叩いて2人の視線を集めた。
「それじゃ、あか……じゃなかったスカーレットも先輩も一緒にパーティーを組みましょう!」
「ん……それは……」
「まさか嫌って訳じゃ無いですね?」
「む……む……う〜ん……」
「はぁ〜〜〜、あお……ブルーこの人未だにFP問題を考えてるわ。」
「む……そうなんですか?」
「パーティーを組むのはいいんだが……お前達が俺意外とパーティーを組むのに支障が出そうなのがな……。」
その言葉に2人は目を見合わせる。
「先輩そこが気になってたんですか……?」
「センパイ、そんな気の回せる人に成長してたんですね!」
「まぁな……スカーレットはしばいてやろうか?」
「私、もうしばかれた後ですけど。」
「そうだった。」
「そんな事よりもです!先輩、私達の心配で困ってたんですね。」
「ずっと同じ人とパーティーを組むとは限らないからな。評判が悪い奴とは組まない方が得策だ。」
「まあ、確かにFPとパーティー組んでたって言ったらあーって顔されたわね。」
「だろ?だから……」
「でもね、正直な話を言うわ。」
スーグの言葉を遮りスーグの事を真っ直ぐに見据えてスカーレットは言葉を放つ。
「正直、このゲームにおいて貴方以上のプレイヤーは存在しないと思うわよ。」
「は?」
「そうなの?」
「正直、同じタンクよりな人でも火力に回してるはずの貴方より脆いのよ。」
出会ってきたタンク、皆の前に立って攻撃を受け止める役の人達を思い出す。
スーグと同じレベルで受け止められると想定していたら思った以上にHPの減りが早かったり、火力が物足りなかったりして、頼りに出来なかったのだ。
「そりゃ、俺が装備も最前線のものでレベルが上限まで上げるてるからだと思うが……」
「そうね、でもそれをしっかり使いこなしてる貴方はしっかり強いのよ。」
「そうなんだ。」
「ええ、だから貴方と喧嘩さえしないのであれば貴方以外選択肢に無いくらいよ。」
「そう……なのか……?」
「そうなの。」
その言葉を受けてだが……という言葉を続けようと思ったが一番上だと言われるとゲームプレイヤーとしては否定できる部分が無いと口を閉じる。
「だから私達のために私達とパーティーを組んで。」
「先輩お願いします!」
少し考えた後、スーグは頷いた。
「分かった。だが後悔はするなよ。」
「やった!」
「しないわ。安心しなさい。」
こうしてスーグと2人はパーティーを組むことになったのだった。




