大剣と短剣 後編
スーグはヒットアンドアウェイ、攻撃しては離れ、隙を見ては攻撃する戦略を取るスカーレットの攻撃をいくらか対応はしていたが流石に盾無しでの装備で全てを防ぐ事は出来ず着実にHPが削れていた。
(流石に不味いな……)
NLOのアバターは感情が直に表情に出る。
それが故にスーグが不味いと思い苦い顔をしているのがスカーレットにも分かる。
それを見たスカーレットは満足気に笑い、油断せず動きを継続する。
スカーレットは攻撃の間に速度を速めたりわざとバフが切れたタイミングでの攻撃をしたりとスーグの目と感覚を慣れさせないように動いていた。
だがそうしてる間にもスカーレットは常に緊張感を持っていた。スカーレットのステータス振りはMPとMDFFとSPDに多めに振り、残りをローテーション的に他のステータスに振っているという振り方だ。つまりはスキルを多めに使え早い代わりに物理に弱くHPも少ないということだ。
(センパイの攻撃を受けたら一撃でも不味い……)
スーグの攻撃力の高さはスカーレットもよく知るところだ。共にパーティーを組んだ時に何度もその攻撃力に助けられてきたそれが自分に振りかかろうとしている。それが一切の油断を許さない。
お互いに自分の弱点を知っているからこそ油断が許されない。
そんな中で状況を打開する為にスーグは一つ賭けに出ることにした。
スーグは大剣を刃の部分を床に向け大きく掲げる。
(あれは……ショックバースト!)
スカーレットはその構えからスーグが放とうとしているスキルを読み取る。
(なら……!)
スカーレットは真っ直ぐにスーグの元へ接近する。
それを見ながらスーグはスキルを解き放つ。
「『ショックバースト』!」
大剣を地面に突き刺す、するとそこから白い可視化された衝撃波が周りの地面に円を描いて広がる。
それは衝撃波を飛ばし相手をスタンさせる周囲を囲まれた時に使う技。他にも副次効果があり衝撃波を受けるとスタンせずとも少し体がぐらつくという効果がある。
それを呼んだスカーレットはジャンプをしてかわす。
そしてそのままスキル後の硬直を狙い、空中からの攻撃の為に空中専用スキルを使おうとしたスカーレットが見たのは、ニヤリと笑い、新たな青白いスキル発動の光を大剣に纏わせたスーグの姿だった。
「『ライジングバスター』!」
地面に刺さった大剣が地面を抉りながら自分の近くへ飛び込んでくるスカーレットを切り伏せる。
スキルを撃つ体制に入っていたスカーレットは受け身を取ることが出来ずモロにその一撃を受けてしまいその攻撃によって体が真っ二つに切り裂かれてしまった。
そしてHP0になったことによりスカーレットの体は地面に着く前にパリンと割れる音をたてながら消えさっていくのだった。




