覚悟
一人家に帰った始はソファに座り込み、ため息をついた。
「はぁ〜〜〜」
「大きいため息ですね。」
目の前のパソコンが勝手に起動しそこにローナが映し出された。
「そんなに大きくため息をつくなら言えば良かったのでは?」
「まあ、そうなんだけどな。」
もう一回大きくため息をつく。
「実際どちらなんですか?」
「FPだよ。」
「まあ、だとは思いましたが……そういえばNPはノーマルプレイヤーだと思うんですけどFPはファストプレイヤーでいいんですか?」
「まあ、今のNPからの認識はそれであってる。」
「今のという言葉が付くということは以前は違うのですか?」
「ああ、最初期というか最初の1ヶ月には別の意味があったどころかそちらの方がメインだったのさ。」
「ふむ……Fから始まる言葉ですか……フリーダムとかですか?」
「facilitateplayerって意味だった。」
「ファシリテートプレイヤー、プレイヤーを促進、ということは……」
「まあ、いわゆる情報源、転ばぬ先の杖とかいう扱いだった訳だ。」
「成る程、それなら言われている方はあまり良い気はしないかもですね。」
「……一発で悪い意味のそれだと感知できるの中々にお前も高性能だな。」
「会話用AIとしては現行最強格ですから。」
ローナらむふんと胸を張る。
それにはいはいとひらひら手を振る。
「でもNPが悪い印象を持っているということは……」
「まあ、俺達をそう使おうとした連中の予想とは違って情報が一切FPから流れてこなかった。そういう事さ。」
「どうしてですか?」
「俺達が誰一人としてネットに情報を出さなかったのさ。」
「あー」
「最初こそどんなゲームかみたいなのを外に流してたんだがな、一向にある一定の数からプレイヤーが増えない事に一人が気付いてな。そこから調べていったら分かったんだが掲示板という場所でそういったSNSとかに流れていった情報を纏めている場所があってな、それを見てみたらfacilitateplayerって呼び方がされてて、それを見て俺達が実験動物扱いされてるのを知ったのさ。」
「それからどうしたんですか?」
「ゲーム内で掲示板のURLを教えて、みんなで話し合って情報を当たり障りのない事しか出さない様にしようって事にしたのさ。」
「へぇ~。」
「まあ、そんな事を根に持ってる奴なんてもういないと思ってたんだがな……」
「確かにもう半年ですもんね。確かにそんなネチネチしてる人なんていそうに無いですけど……」
「紅野がそれだとはな……」
「でもあの感じなんかそれとは違う気がしましたけど……」
「蒼野を守りたいというだけでは説明しきれないくらい何かがこもっているように感じたが……」
「実際に聞いてしまえばいいですね!」
「会話になればいいがな。はぁ、仕方ない行ってくるよ。」
「いってらっしゃいませ、ご夕飯は18時頃には準備しておきますね。」
「ああ、頼んだぞ。」
ベッドに横たわりD-リムギアをはめる。そして起動の台詞を口にする。
「ダイブオン!」




