電話
そして時間は始の家に戻る。
メールの内容に疑問を持った始は葵に電話をした。
『もしもし?』
「士道始だ。」
『あ、先輩!よかったまだ現実にいてくれたんですね!』
「うっ……声の大きさ気をつけろ。お前の声大きいんだから。」
『す、すみません。』
「それで?何事だ?」
『あ、それなんですけど、友達とデジタル区のショピングモールに遊びに来てたんですけど、私と友達のARマーカーの充電が切れちゃって、あまり来たことが無い所なので帰れなくなっちゃったんです!なので、迎えに来ていただけませんか!』
「はあ、なるほどな、分かった。この周辺のショピングモールというとメガモールだな?」
『えーと……ふんふん。そうです、メガモールです!』
その言葉を聞きながらローナが持ってきてくれたメモとペンを手に取る。
「ふむふむ、では周辺の店の名前を3つ教えてくれ。」
『えーと……フィットネスグロウ……ランジェリージュエル……ベストハットだと思います!その……全部アルファベットなので自信は無いですけど。』
「フィットネスグロウ、ランジェリージュエル、ベストハットだな、分かった。」
メモした3つの店名をローナが持ってきたパソコンに打ち込む。
問題なく全部出てきたそれらの位置を見て始は頷いた。
「よし、場所は分かったそこから可能な限り動くなよ。恐らく1時間以内には行ける。」
『分かりました!ありがとうございます!待ってますね!』
そこで電話がきれた。
「はぁ、まったく類は友を呼ぶとは本当なんだな。」
「ショピングモールへ行くのですか?」
「ああ、ちょっと行ってくる。」
「嫌がりそうな気がしたんですけどすんなりと行くんですね。」
「あー、まぁデジタル区はARマーカーが無きゃ迷子どころか行方不明になる場所はあるからなぁ……仕方ないさ。」
「そういうものなんですね。」
始はそんなふうに話しながら自分の少しホコリを被り始め充電器に刺さりぱなしだったARマーカーをホコリを払いながら手に取る。
「……よし、問題無く起動するな。」
「二次遭難は無さそうですね。」
「ああ。……そうだ、ついでにローナ。」
「はい?」
「お前のサポートAIとしての能力の方も確かめさせてもらおう。」
「!分かりました、道案内なんてちょちょいのちょいですよ!」
椅子に座ったローナはまるで電源を落としたように動きを止めた。
すると始の視界にローナの姿が形成される。
「どうですか?ご主人様、見えてますか?」
「ああ、問題無い。いや……ARマーカーの方に問題がありそうだなこれは。」
「あー確かになんかちょっとカクカクしますね。これかなり初期モデルじゃないですか?」
「そうだな、父さんが売り出し始めた時の初期モデルだ。……新しく買うか。」
「今日じゃなくてもいいですけど今後デジタル区に行くなら早めにした方がいいかもですね〜」
「まあ、それは後で考えるか。行くぞ。」
「はーい!」




