凡ミス
その後、服屋やランジェリーショップを回った後2人はデパートの中のハンバーガーショップで持ち帰りで買い、デパートの中の人の少ない場所のベンチで食べていた。
「あむっ!おいし〜」
「相変わらず豪快ね。」
「おいひぃからこれ好きなんだよね〜」
「はいはい、口からポロポロ溢れてるから気をつけてね。服汚したらおばさんに怒られちゃうでしょ。」
「ん〜気をつけぅ〜」
葵が美味しそうにハンバーガーを頬張るのを微笑ましそうに見ながら茜は持ってきた鞄の中からウェットティッシュを取り出しながら自分もドリンクとポテトを食べていた。
「あむっ、ムグムグごくっ!んぐ!?」
「ああ、ほら勢いよく食べるから!」
「んっんっぷはぁ〜助かった……」
「まったく。ふふ、何も変わって無いのね。葵は。」
「ええ?2ヶ月だよ?そんなに変わるかなぁ。」
「意外と人間、1週間会わなかったら変わっちゃうものなのよ。特に私達ぐらいだと特にね。」
「そんなものかな〜」
「そんなものよ。本当に些細な事で変わっちゃうものなんだから。」
「些細な事か〜彼氏出来たりとか?」
その言葉を聞いた瞬間飲み物を飲んでいた茜が勢いよく咳き込んだ。
「ごほっごほっ。」
「わっ大丈夫?」
「はぁはぁ、あのねぇ彼氏が出来るなんて現実だのビッグイベントもビッグイベントよ?」
「そうなのかなぁ。」
「そうよ。まあ、葵の見た目の良さなら確かに簡単に出来そうだけど。」
「なんで見た目だけに言及したのか教えて欲しいんだけど。」
「まあ、ね?」
「ね?じゃないよもう!」
ぷい!と顔を背けてしまった葵に茜は笑いながらいくらか声をかけてどうにか機嫌を戻してもらった。
「彼氏で思い出したけど士道先輩ってどんな人なの?」
「先輩?うーんと……無口そうで案外喋るのが得意な人?ムグムグ」
「なんかオタクによくいそうな特徴ね。他には?」
「ごくっ。力が全然無い?」
「あなたと比べたら、運動部の人じゃないと勝負にならないわよ。」
「まあ、そうなんだけど。あとは優しいくらいかなぁ。」
「うーん……まあ、知り合ったばかりだから仕方ない、のかなぁ。」
「良い人なのは伝わって来るから問題は無いと思うよ。」
「そうね。貴方の学校での友達1号としては絶対にいいわね。」
「な、なんで友達1号って分かったの!?」
「貴方、友達中々出来ないし、最近ゲームの話しかしてなかったからそうなんだろうなぁって。」
「努力はしてるんだけど……」
「まあ、頑張って。」
「そういう葵は?」
「ゲームの話は出来ないけど世間話出来るくらいの友達は出来たわよ。」
「相変わらず、友達作るの早いなぁ〜私も頑張らないと!」
そうして2人は買ったものを食べ終えた。
「あ、そうだ!先輩に今晩のメール送らなきゃ!」
「そういえばそうだったわね。」
「さてと、と……?」
「ARマーカーの充電切れちゃった。」
「もう、ちゃんと充電しない……と……」
「どうしたの?」
「人の事言えないわ。私もARマーカーの充電切れちゃった。」
「あはは、お揃いだね。」
「笑い事じゃないわよ。」
「え?」
「葵、ここから私達が入ってきた入口までの道のり分かる?」
「え?」
葵はその言葉に周りを見渡す。
人が少ない所を探して歩き回った結果いつもは来ない様な区画に足を踏み入れていたのだ。
「あ、あれぇ?わ、私も人混みに流されたりしちゃってたから覚えてないや。でもスマホで調べればいいでしょ?」
「葵、あんまりスマホでここの事調べたこと無いから分からないと思うけどここ、スマホじゃ道が一切分からないのよ。」
「ええ!?うそ!?」
「これは閉館までに帰れないかも……」
「ど、どうしよう!!」
「う、うーん……」
2人で頭を悩ませている内に葵の頭の中にARマーカーを持ってそうな人物が浮かんだ。
「あ、そうだ!先輩!先輩にSOSを送ろう!」
「え?先輩って士道先輩に?」
「先輩ならARマーカー持ってそうだし!使い方とか分かってるだろうし!どうかな?」
「…………そうね。私も連絡先を知ってる人の中にARマーカーの使い方を理解してそうな人がいないからそれしか無いかも。」
「それじゃ送るよ!」




