不浄墓地の洞窟攻略後編
「ここは……もしかしてボス部屋ですか!」
「まあ、ゲーマーなら分かるよなっと。」
ブルーの言葉に反応しながらスーグは切れかけているバフを全てかけ直す。
「ここのボスってネクロマンサーとかですか?それともアンデッドの王様とか?」
「まあ、両方だ。」
「両方……?」
「通常ならこの洞窟を根城にしてる怪しいローブを着たおっさんが出てくるんだが、とある2つの条件を満たすとおっさんが現れたあと別のボスに変わる。」
「条件って?」
「洞窟内のモンスターを100体以上倒す事、そしてレベル50以上のプレイヤーがボス部屋に来ることだ。」
その条件を伝えながらスーグが一歩前に出ると部屋の中央に魔法陣が現れる。
そこから出てきたのは顔色の悪いローブを着た男だった。
「貴様等……よくも我がアンデッド軍団を壊滅させてくれたなぁ!!!」
手に持った杖で床を叩きながら怒り心頭で現れた彼はさらに言葉を続ける。
「こうなれば仕方あるまい、我が身、魂すらも生贄に最強のアンデッドで貴様等を我が率いる軍団の一員にしてくれるわ!!!『エクステンド・コールアンデッド』!ふふ、ふはははははは!!!!!」
魔法を唱えるとともに体が溶けるように光の中に消えていく。
すると男が出てきた魔法陣よりも何倍も大きい魔法陣が部屋の床全てを覆った。
洞窟全体が揺れているような感覚の地響きが2人を襲う。
「わわわ!!!」
「数えてなかったが、条件は満たせていたようで何よりだ。」
「ほ、本当に大丈夫なんですか!?」
「ああ、勝てる。それとだな、1つ言い忘れていることがあった。」
「な、なんですか!?」
「可能な限りヘイトは俺が引き続けてやるがこれから出るボスはそういうのを無視して攻撃する時があるから、初デスしたくなければ死ぬ気で避け続けろ。」
「えええええええええええ!?」
ブルーの悲鳴が響く中魔法陣に変化が現れる。
魔法陣から大きな手が現れる。
その手で地面を掴み魔法陣より這い上がってくる。
地の底より現れしそれは、部屋の天井まで届く高さの大きさに、周りが溶け果てた故に溢れ落ちた眼球、肉体が腐り落ち骨が所々見えた体、そして最早空を飛ぶことが叶わないであろう腐りきっている翼。
現れたのは《エンシェントドラゴン・ゾンビ》NLOの中でも最上級のモンスターであるドラゴンのアンデッドだった。
「ギシャアアアアアアア!!!!!!」
「わあああああああ!!!!!!」
ドラゴンゾンビの雄叫びとブルーの悲鳴が同時に響いた。それが引き金となり戦いの火蓋は切られた。
最初に動いたのはドラゴンゾンビの登場の間準備をしていたスーグだった。
「『ハイヘイトハウリング』!」
いつの間にかブルーから離れていたスーグより放たれた咆哮がアンデッドまで届くとドラゴンゾンビはその腐った目でスーグを捉える。
その大きな爪でスーグに襲いかかる。
「遅い!《アクセルスラッシュ》!」
爪がスーグに届く前にスーグがスキルを発動させる。
アクセルスラッシュはまっすぐに前に向かい敵を横薙ぎに切り裂く攻撃スキルだ。
バーストチャージとの違いは前に出て攻撃するか攻撃しながら突撃するかの違いだ。
アクセルスラッシュによってスーグが前に出た事によりドラゴンゾンビの攻撃は空を切った。
さらには前のめりになった事により下がった首元をスーグに切り裂かれた。
ドラゴンゾンビは痛覚が無いかのようにそれを気にせずにスーグを踏み潰す為に上体を上げる。
スーグはそれを見て別のスキルを発動させる。
「『ドローウェルスラッシュ』!」
スーグは体を切りつけると勢いよくバックステップを行い攻撃範囲から離脱する。
またしても攻撃をすかされたドラゴンゾンビは少しイライラした様子が見え始めた。
「ギシャアアアアアアア!!」
2度目の咆哮の後スーグが躱せ無いようにその大きな体で突進を行う。
「先輩!」
ブルーの叫び声が響く。
だがそれをスーグは気に留めずスキルを放つ。
「『バーストチャージ』!」
アンデッド軍団を貫いたスキルによりドラゴンゾンビの体を貫いた。
体を貫かれたドラゴンゾンビは止まることも出来ず壁に激突する。
「ゴアァ!?」
「これで、終わりだ。」
即座に次のスキルの準備を整えたスーグはそれを放つ。
「『ダイナミックブレイカー』!」
上段に構えた大剣に光が集まる。
集まった光によってその刀身が倍以上に大きくなる。
大きく振りかぶったそれをドラゴンゾンビへ叩きつける。
それによりドラゴンゾンビの体は見事に両断されボアやアンデッド達と同じ様にデータの欠片となり砕け散るのだった。




