No.86 クレクレ君への対策会議
「ガトー様! 作戦タイムはありですかにゃ?」
「うむ、認めようぞにゃん」
カルカンに促され、妾とオキノとリーマンはトイレへ移動する。一畳程度のトイレに4人も入って尋常では無く狭いが、妾の頭の上に座ったカルカンが場を仕切り出す。
「ガトー様は物欲の鬼なのにゃ。とにかく満足するような品を皆で用意するのにゃ。この結果次第で私のビールが掛かっているから真剣に臨んで欲しいにゃ」
「カルカンは重いし、便器は臭いし、何より狭いのじゃ。部屋で相談ではいかんのかぇ?」
「そしたら相談していた際に出た物を全部寄越せと言われるのにゃ。聞いてなかったのかにゃ? あれは物欲の鬼なのにゃ!」
神ではなく鬼なのか。色々と腑に落ちないが、リーマンやオキノは真剣にカルカンと議論を交わしている。
「私は商品で何か見繕います。どういったものが好まれるのでしょうか?」
「気分が出る物を好むのにゃ。中二病的な物とかグッドなはずにゃ」
「私もお店から何か出せないか探してくるニャン!」
妾だけ蚊帳の外で話は進んでいく。
カルカンの重さに首が耐えられないと思い始めた頃に結論も出て助かった。
リーマンとオキノが物を確保するため外へ出ていき、妾たちも二畳間へ戻る。
部屋では緑色の猫がゲーム機を引っ張り出し、プレイして寛いでいる。
「これ面白いからゲーム機とゲームソフトを全部寄越せにゃん」
「ははーーー、仰せの通りにしますにゃー」
「何をゆうておる!? それは妾の物ぞ! 勝手に献上するでない!」
全くもって不本意なので猛抗議しようとしたら、カルカンが強引に妾を制して勝手に差し出してしまう。
目を丸くして放心していると、カルカンから袖をクイクイっと引かれた。
顔を至近に寄せられ、小声で何か言い始める。
「……ガマンするのにゃ。ガトー様はクレクレ君で有名なのにゃ。全ての国からあらゆるものを強奪したし、ラザ様の所有物まで奪った前科があるのにゃ」
「なんと。そうじゃったのか。あまりに強欲すぎるのじゃ」
ラザから物を奪うなんて恐ろしくて出来ない。
以前、ラザが大切そうに持っている物を少し見せて貰おうとしただけで、ラザが抵抗して世田谷区から神奈川方面が壊滅状態になった。それを承知で奪ったのだとすれば、風の神の強欲っぷりは本物だ。
ヒソヒソ話を続けているところへリーマンが駆け戻ってきた。続けざまにオキノも部屋へ飛び込んでくる。
「偉大なる風の神よ。こちらの品は如何でしょうか?」




