No.80 神々の黄昏と実質死刑宣告
※三人称視点のエピソードです。
◇◆◇◆◇異世界の海底にあるクリスタルガーデン。
神々が集い、ヨウカンが龍脈から外れたことについての議論を行っていた。
白き大蛇を思わせる龍が覇気を強める。
『では、カルカンとアラザンの後始末について対応の決を取る』
『なんでお前が仕切ってるんだぜ?』
溶岩を全身に纏う赤き竜が抗議の目を向けると、青いドレスを纏った女も続く。
『あんたたち、勝手にわたくしの居城に押しかけてきておいて、家主を差し置いて議論を進めるのはやめてちょうだい。わたくしは反対なのよね。だって夏コミに行けなくなったら困るもの』
緑色の猫も腕を組んで頷く。
『吾輩も反対だぞにゃん。まだ誤差の範囲だし、白の力で一時的に龍脈を捻じ曲げれば大丈夫だろにゃん?』
『そうよそうよ。あんたがどうにかしなさいよね!』
水を向けられた白き龍だが、首を振って拒否を示す。
『ここで甘やかすのはカルカンのためにならぬ。どうにも神の自覚が薄い。関わった者を全て消してしまうのが今後の教訓にもなるだろう』
『あんたはせっかちに結論を求め過ぎね』
『そうだぜ。もっと心を大らかにもって寛容にいるべきだぜ!』
発言した赤き竜へと全員の視線が集まる。
『何だったら俺様がちょちょいと行って龍脈を調整してきてやるぜ?』
『あんたちょっと! 異世界の日本に行ってみたいだけじゃないの? ずるいわね! わたくしだって池袋に行きたいのよね』
神々は好き勝手に騒ぎ出し、収拾が付かない様相を見せていた。
緑色の猫は諦めたように溜息を一つ吐き、帰り支度を始める。それを目にした青いドレス女が怒鳴り散らす。
『ちょっとあんた何勝手に帰ろうとしてるの? カルカンはあんたの管轄でしょ? 何とかしなさいよね』
『別に吾輩の管轄では無いぞにゃん。それに吾輩は、カルカンの失態はカルカンに責を問うべきだと思うぞにゃん』
白き大蛇の龍は静かに頷く。
『その意見には同意する。だが、カルカンはドラゴンでない故、龍脈を自身では調整できぬ。何を持って責任とするのだ?』
『ヨーコの娘にやらせればよいだろにゃん。カルカンへの罰はそれが出来るまで禁酒の刑でどうだにゃん?』
最終的にその意見が採用され、カルカンへの刑罰が決定した。
◇◆◇◆◇日本上空の空中赤坂。
『……と、言う訳で消滅の危機は吾輩が回避してやったぞにゃん。龍脈をちゃんと調整しないと二度と酒が飲めないから頑張るんだぞにゃん!』
カルカンはヨウカンに揺さぶられながら、神々の決定を受け、顔を青ざめさせていた。
「カルカン、カルカン! 妾の声が聞こえるかぇ!?」




