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『内なる炎(騎士の告白)』
『内なる炎(騎士の告白)』
硝煙のなかで 幾年も
私は重き「勇気」をまとっていた
次々に襲う 苦しみの嵐から
この身を守るため ただ前へ進むため
鋼の盾となり 私を支えた頑丈な甲冑
「なんと勇敢な騎士だろう」
世界は私をそう讃えたけれど
私はただ 甲冑の重さに耐えながら
冷たい金属の奥で
小さな命の炎を燃やし続けていただけだった
やがて戦火は消え去り
目の前には 光あふれる緑の平原
静寂のなかで 私は怯える
この重荷を下ろしてしまえば
私はただの 空っぽで弱い人間に戻るのではないか
私の「勇気」は 消えてしまうのではないか
カチリ、カチリと 震える手で
長年の皮膚となった鎧を 一つずつ外していく
最期の破片が 草の上に落ちたとき
吹き抜けた風は あまりにも心地よく
私の身体は 驚くほどに軽かった
剥き出しになった自分の手を見る
そこには 金属の輝きはない
けれど 嵐を生き抜いたたくましい筋肉と
決して折れることのない 確かな芯が残されていた
ああ、私はようやく知ったのだ
勇気とは 私を守っていたあの鉄の塊ではない
重さに耐え 前を向き
暗闇のなかで戦い続けた
この「私自身」のなかに 最初からあった力なのだと




