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電車を降りたらそこは異世界でした 悪役令息と七人の魔女  作者: ゆきあさ


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逆転?

来ていただいてありがとうございます!





この魔法石の聖堂は私の魔力の結晶

これと私の身体を媒体にすれば、実力以上の力を出せる

でも足りなかった

おまけでついてきたあの娘に悉く邪魔をされた

でももう大丈夫

あの秘宝があればこの世界を思い通りに作り替えることができるわ

魔法石が手に入ったら身体を開放して、まずはあれ以来ここに居ついてしまった忌々しいウサギ達を追い出してやる


『さあ、セシルその魔法石(秘宝)を私に……もう一度やり直して今度は私が聖女になるわ』


私は手を伸ばす

私の美しい使い魔に向かって





+++++++++++++++++++++++++++++++






「あっ!」

「ダメだよ。それは我が主のものだ」

セシルに引き戻されてあと一歩届かなかった。左腕で強く抱きしめられてまた体の自由が利かなくなる。セシルの胸に手を当ててセシルを見上げた。

「セシル……!お願い!それを夢見の魔女に渡しちゃダメなの!」

どうしよう。ロッドも魔法石も無い私に何ができる?魔力をそのままぶつければいい?魔法石無しで?どうすればいい?そうだ!直接魔力を流し込めば浄化できる……?


「ああ、動かないでね?」

セシルは背後に向かって剣を振るった。王太子様がセシルを阻止しようと忍び足で近づいて来てたみたいで、セシルの魔法を受けて短い悲鳴を上げて金貨の山に埋まってしまった。

セシルが秘宝の魔法石を掴み上げようとしたその時、バチンって大きな静電気みたいな音がしてセシルの手が弾かれた。

「っ?!」

セシルがひるんだ!今だ!!一か八か!私は背伸びをして唇を重ねた。

「!」

見開かれたオッドアイと目が合う。抵抗はされなかったから、私の魔力をセシルに直接流し込んだ。全力で。魔法石はなくなっちゃったけど、特訓の成果は出せたと思う。後はセシルが元に戻ってくれるかどうか……。お願い!!


セシルの体を銀と金の光が包んでセシルの瞳に光が戻る。

「……知らなかったよ」

「セシル……?」

「リサってこんなに積極的だったんだ」

唇を離したセシルは青空のように微笑んでる。元のセシルに戻った……?

「セシル、大……丈夫?」

「うん。僕はリサのものだよ」

「セシルはものじゃない……っ!」

セシルに口を塞がれた。

「んん……っ!セシル、今はそんな場合じゃ……!」

それにみんなが見てるかもしれないのに!

「嫌だな、リサから迫ってきたのに」

今度は妖艶な微笑みを浮かべるセシルに思わず見惚れちゃった。


『セシルっ!何をしてるの?!早くその魔法石を私に!』

夢見の魔女の声と一緒にどこからか黒くて透き通った長い腕が、うねうねとこちらに向かって伸びてきた。

「うわぁ、気持ち悪い……」

どうやら宝物庫に置いてある大きな金色の縁取りの鏡からその腕は出てきてるみたい。



「お前などに渡すわけがない」

その腕をセシルが切り払った。

「だいたい、僕の唯一はリサだけなんだからね」

『……私に逆らうような真似をして、あの三人がどうなってもいいの?』

ああそうか。夢見の魔女はアビーとチェルシーとチェンバーズさんの命を盾にしてセシルを脅して言うことを聞かせたんだ。許せない。卑怯すぎる。

「元々お前なんかの言いなりになる気は無かったんだ。自由になるのに手っ取り早かっただけだからね」

『私を騙したの?』

「言っただろう?僕の主はリサだけだ」

セシルは剣で黒い腕を切り払いながら不敵に笑った。

「あ、主って……」

そんなのになった覚えはないんだけど、前にチェルシーだかアビーがそんなことを言ってたような覚えがある。あれ?でもセシルって夢見の魔女に操られてなかったの?なんかノリノリでみんなを攻撃してたように見えたけど……。これ、他の人達には黙ってた方がいいかもしれない。


「リサ!魔法石を守って!僕は触れないみたいだから」

「え、うん!」

私は言われるがまま恐る恐る魔法石を手に取った。どういうわけかセシルの手は弾かれてしまってたし、私も同じになるんじゃないかって思った。だけどそんなことはならずにコスモス王国の秘宝は私の両手の中に納まった。

「綺麗……」

どこまでも透き通って、自ら輝きを放つ魔法石は思わず見惚れてしまうほど美しかった。そして底知れない力を持ってることも何故か分かった。


『それを寄越しなさい!それは私が持つのが相応しいのよ!ただのモブのくせにしゃしゃり出てくるな!』

セシルが相手をしていた黒い腕が二つに分かれて、その一つがこちらへ向かって来た。

「リサっ!」

焦ったようなセシルの声が聞こえる。咄嗟に私は魔法石を握りしめて魔力を込めていた。()()ってあるよね。だからしょうがないと思うんだ。私はダイヤモンドのバットに変化した魔法石で思いっきり夢見の魔女を打った。うん、ジャストミート!ロッドの形だったらかっこよかったのにね……。



夢見の魔女の腕は金と銀の光に包まれて崩れるように消えて行った。













ここまでお読みいただいてありがとうございます!

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