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第二話 幻惑の魔剣

 



「はーーーここはどこだ?」


 俺は確かバチラと戦っていたはずじゃ……



「目が覚めた?」


 部屋の扉が開き、銀髪の女の子が部屋に入ってくる。


「はい、どうぞ」


 少女は俺にお粥を食べさせてくる。


「うまい……」




「ありがたいが、お前は何者なんだ? 見たところルブテン帝国の貴族のようだが」


 俺の住むエドワード公国とルブテン帝国は現在、戦争の真っ最中だ。


 俺が研究所から盗んだ物も戦争に関する機密情報だ。



「私は、ただ君が酷い怪我だから助けただけで……痛くない?」


 完璧なまでに止血されていて、包帯が体中を何重にも巻かれている。


「少し動きずらいこと以外は大丈夫だ」


「私はセシラ・ランページ。あなたのお名前、聞いてもいい?」



 敵国の人間と仲良くしたがるなんて変わってるなコイツ。


 だが、助けてもらったのだから、名前くらい名乗るべきだな。



「俺はユーマ・キルシュト。エドワード公国の人間だ。  驚かないのか?」


 普通敵国のスパイを家に入れたら悲鳴の一つぐらいあげてもいいのに。



「なぜ? ユーマがエドワード公国の人ってことは知ってるよ」


「知ってて助けたのか。バカなのか、お人良しなのか……」


 俺はセシラに一番気になっていたことを聞くことにした。




「なぜあの時、バチラの拡散から俺を守った……?」


 本当ならば最後の一騎打ちの際、死んでいたのは俺のはずだった。


 俺を確かに串刺しにした岩は、俺の魔剣で破壊していないのに、俺は生きている……



「う〜〜ん……そうだな」


 セシラは少し悩んでいたが、薄桃色の魔剣を召喚する。



「魔剣だと……」


 俺はベッドから飛び起き、魔剣を構える。


(ここは俺の魔剣の有効範囲内だ……)




「ちょっとちょっと、私はユーマと戦うつもりはないよ」


 彼女は魔剣を床に置き、戦う意志がないことを示す。


「なら、なぜ魔剣をここに召喚した」


 俺は魔剣の切っ先を彼女に向ける。


「俺と戦う意志が無いならこの場に魔剣は必要ないはずだ」


「こうした方が理解が早いと思って、スパイさん」


 セシラは俺が研究所から盗んだ箱を見せる。


「箱の中身を見たのか?」


「中身を見ちゃたって言ったらどうする?」



 中身を見られた可能性がある以上、ここで彼女を殺さなくてはならない。


 俺は苦しまないように彼女の心臓を魔剣で破壊する。


 セシラは口から血を垂れ流し、床に倒れる。


     (悪く思うな……)


 俺は彼女の見開いた目を優しく閉じ、箱を回収する。






「酷いなぁ〜〜命の恩人を殺しちゃうなんて、話は最後まで聞かないと」


「何で……生きている」


 俺の背後には、たった今殺したはずのセシラが文句を言いながら立っている。



    (魔剣の力か……)


 分身か身代わり、あるいは幻影……厄介な魔剣だ。


「お前の目的は何なんだ、俺をスパイだと知りながら、介抱し、命を助けたと思えば、いきなり魔剣を召喚する。何がしたいのか俺には理解できない」



「目的か……私の目的……ねーーーー君の仲間に入れて欲しいことかな」



「仲間だと、俺はエドワード公国の人間、セシラお前はルブテン帝国の人間。俺らの仲間になるってことはルブテン帝国を裏切ることになるんだぞ」


「私はルブテンが嫌い、大っ嫌い。 この国は多くの国民の犠牲でなりったている。私はそれを変えたい。」


「とても貴族のお嬢様の発想とは思えないな」


 この子はいい意味で狂っているのかもしれない。




「なら、お前の魔剣の異能と弱点を教えてもらおうか……」


 魔剣の異能と弱点さえ分かれば、コイツが裏切った時の対処の難易度は格段に下がる。


 だが、彼女が俺にそこまでするとは考えずらいが、今は箱の回収が最優先だ。



「どうするんだセシラ。言うのか、言わないのか?」


「私の魔剣は幻惑の魔剣。異能は対照に幻を見せること」


  (随分と素直だな……)


「弱点は?」


「弱点は……ないわ」


 魔剣には必ずといっていいほど誓約がある。



「弱点がないわけないだろ……」


「まあ、強いて言うなら、一日に3回しか使えないことくらいね」


(3回か……先程1回使ったとしてもあと2回。幻を見せられ続けたら勝ち目は薄い)


 俺は魔剣を消し、彼女から箱を受け取る。



「これは私を仲間にしてくれると受け取っていいのかしら?」


 不穏な点は多々あるが、彼女が協力者になってくれるなら、戦力面でも情報面でも期待できる。




「この国の街にアジトがある。そこのメンバー達の意見を聞いてからだ」


「第二審査があるのね。まあいいわ、案内してくれる?」


「分かった。よろしくなセシラ」


 俺はセシラに手を差し伸べる。


「こちらこそ」



 彼女は俺の手を取り、俺とセシラは堅い握手をする。







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