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氷霧
氷霧というのがあるらしい。
ダイヤモンドダストと呼ばれるものに近くて遠い、カラットが低くて煌めききれない、そんな欠陥品。
どこかの知らない誰かに「磨けば光る」なんて言われて、色々なものに擦れて削られ、気付けば溶けて消えてしまいそうになったあの女の子、彼女にそれはひどく似ているようにも感じた。
交差するピンスポット、鼓膜を揺らす爆音、酔いにも似た多幸感と熱狂。
様々な感情がミックスジュースになって出力される、愛憎が交差し続けている現代の偶像崇拝のサバト。
厳選された宝石達は光によって美しく輝き、その周りの光を遮るガラス玉には光を曲げることにより宝石をより一層照らしたり、光を遮り煙たがられたりする役割が与えられている。
それらの輝きではなく宝石紛いを好むのは一部の好事家か物の価値を知らないと言われるような子供、もしくは宝石を好むこと自体を「ダサい」なんて言ってしまう子供以下だ。
まぁ、自分はその全てに当てはまってしまったのだけども。
だから今日も僕は彼女に熱を送る。
彼女が最後まで溶けてしまう前に、少しでも僕を刻み込んでやりたくて。




