ロボ
『まさかそっちが本体だったなんて……』
「馬鹿めクソガキッ! あんな目立つ場所にコックピットを設置しているわけがないだろう!」
──── 閃光が、レガーティアの左腕を貫いた。
〜前回までのあらすじ〜
星輝世紀777年、銀河は反銀河連合組織、ネオタキオンによって壊滅の危機に瀕していた。
ネオタキオンの新型兵器、機使と呼ばれる人型巨大兵器の力は凄まじくわずか半年にも満たない時間で銀河人口は三割が減少、人々は戦火の早い終結を願った。
──── その動乱の時代の中、一人の少年と連合の最新兵器、輝士が立ち上がる……!
(割愛)
デウス・エクス・マキナ計画を阻止しようとするタケミツたち一行、数多の敵を倒し遂に月面にて黒幕であるテュポーンを追い詰める。
タケミツとレガーティアの究極奥義、『最終輝巧・十二星』が炸裂しテュポーンは倒れたかと思われたが……。
《超越銀河輝士皇レガーティア》
〜最終回 さらばレガーティア! 希望の未来へスタンドアップ!〜
「死ぬかと思ったぞ……。だが、我は生きている! これは全て神の思し召し……! 天は我に味方したりっ! そう、全てを終焉に導くデウス・エクス・マキナ計画は私が完遂させる! 阻止はさせんぞクソガキっ!!!」
『やらせてなるもんかっ! ボクは! ボクたちは! 生きるんだ!』
──── 頭部のメインカメラがあった場所以外は無傷のテュポーン、相対するは左腕をもがれ、機体には傷のない場所が無いと言っても良い程の損傷をしたレガーティア。
赤が一色、青が二色、計三本のビームサーベルが幾度も交差し、その度にレガーティアに青い残光と共に傷が増えていく。
「何故お前はこの世で生きようとする! 何を成そうとする! この混沌と虚無の世界で! 救いの無い世界で! 」
『くっ……』
もはや技など無く、強い意志のみで振るわれる二振りの凶刃、それはタケミツの機体と共に心も削ってゆく。
【エネルギー残量残り10%、機体損傷度70%、搭乗者、離脱シークエンス起動開始】
レガーティア内にアラートが鳴り響き、タケミツの視界が赤く染まった。
「何故、新たに地獄に生きる子供を作ろうとする! 我は悟ったのだ、この世に楽園などないと……。だから、我がこの手で神の代行として、この手で幕を引くっ!!」
レガーティアの動きが止まり……、そして振り下ろされる最後の一撃。
──── 一つの青い閃光はレガーティアのコックピットを完全に捉え……、その瞬間に赤い刃がテュポーンの腕ごとそれを断ち切った。
「なっ……!」
『うるさいっ!! アンタの言い分は分かる! この世界は地獄さ! そんなのみんな分かってる! 大義もきっとあるんだと思う! でも、それでも! こんなことをしちゃいけないんだ! これ以上世界を地獄にさせてたまるか!』
満身創痍の片腕と顔を無くした片腕が睨み合う。勝負は再び硬直状態へと戻る。
──── タケミツは既に緊急脱出装置の起動を止めていた。 テュポーンに止まる気は無かった。
故に、これがどちらかの……あるいは双方の最期になるであろうとこは共に理解していた。
「舐めるなよクソガキッ! そこまで言うのならば…… やってみろっ! タケミツ!」
『テュポォォォォンッ!!』
赤と青、一対一の剣戟。交差するそれはタイムリミットまであと数秒限りの即興曲。本来ならばテュポーンはその数秒を逃げるだけで凌ぐことが出来た。悲願を達成することができた。普段の彼ならばきっとそうした。……だが、今だけは彼自身は自らにそれを許さなかった。
そうして永遠にも感じる時間の末に……、一条の光が、赤い光がテュポーンの機体を貫いた。
「両腕が断たれたか……。ククク……甘いぞタケミツッ……! 甘すぎる! だが…… あぁ、お前のようなやつが……我の……私の近くにいればな……」
テュポーンの機体から光が消える、それはデウス・エクス・マキナが阻止されたことも意味していて……。
──── そして、テュポーンは自爆をした。
『テュポーン……』
デウス・エクス・マキナ計画は阻止された。
銀河は守られたのだ! 一人の少年の心に大きな爪痕を残して……。




