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王からの命令
王宮襲撃から数日の間、フォルモーネ公爵家には穏やかなときが流れているように見えていた──。
アンドレは王宮襲撃後、父、アントンが全てを処理しているのかアンドレに声がかかることがなかったためだ。
アンドレはそのことがずっと気がかりで仕方なかった。経験の浅い自分より、父の方が頼りになるのはわかる。しかしだ、アンドレも次期公爵としての立場がある。そのため自分だけが事件の真相を知らないことに疑問を感じていた。
しかし、それも今日までだった。
屋敷で仕事をしていたアンドレのもとに一通の招待状が届いた。
それは──。
スヴェーリエ王国の王からの招待状であった。
アンドレ・フォルモーネ、話がある。一人で登城せよ。
その少ない文字を見ると、とても嫌な予感がした。
アンドレの顔が急に悪くなったからだろう、エリアスが心配そうに尋ねてきた。
「何かありましたか?」
アンドレはエリアスに心配をかけないよう笑顔を作った。
「なんでもありませんよ。王様に呼ばれただけなので今から行ってきますね。」
そう優しく答えると、礼服に着替え、アンドレは足早に馬車に乗り込んだ。




