新たな役割②
アンドレは公爵家の手伝いをしたと言うエリアスは契約結婚としての役割が果たせないと感じたエリアスからの優しさの冗談だと思った。
(エリアスが一日中寝ていようとも、遊んでいようとも、そばにいてくれれば良い)
しかし、エリアスの眼差しは真剣だ。
アンドレは彼をじっと見つめた。
「あなた……本気ですか?」
「もちろんです。」
エリアスは微笑む。そしてもう一度、考えを口にする。
「これまで、私はこれまでオーケン伯爵令嬢エイラとして、フォルモーネ公爵の若奥として社交の場での妻の役割を果たしてきました。でも、これからはエリアスとして、公爵家の一員として生きたいのです。」
アンドレは腕を組み、しばらく考え込んだ。
確かに、エイラいや、エリアスは幼い頃から伯爵家の仕事を学んでいたと聞いている。
さらに彼の父、オーケン伯爵は優れた政治家であり、財政に長けている。
公爵家の政務補佐は人材不足という問題を抱えている。エリアスは今とてもほしい人材である。
「……そうですか。」
アンドレはゆっくりと頷いた。
「わかりました。あなたに、公爵家の管理を任せてみようと思います。しかし、無理はしないでくださいね。」
エリアスの目が輝いた。
「ありがとうございます!アンドレ様。」
アンドレは深く息をついた。
「もう一つ、そのアンドレ様はやめてほしいです。」
「ええ!?名前で呼ばれるのは嫌でしたか?では公爵子息様?旦那様?どうお呼びすれば良いでしょうか?」
「名前呼びが嫌というわけではありません。その様をつけるのを辞めてほしいです。距離を感じるので。」
エリアスは微笑み、静かに頷いた。




