真実の告白②
「それで……私はどうすれば……?あなたはどうしたいですか?」
「……離縁しましょう。私の口から秘密を話たのは確かですが、バレるのは時間の問題だったのかもしれませんね。あなたも、相手が男だとわかったら気持ち悪くなってきたでしょ?」
エリアスは自傷気味に言葉を放つ。
「離縁」そんなエリアスの簡単に出る言葉にアンドレの眉がぴくりと動く。
「お前……今、なんて言った?」
アンドレはこれまでずっと悩んでいた。この内に秘められた想いを自覚し始めたときから。
これまで、誰かに恋をすることはないと思っていた。しかし、恋をしてしまった。
だが、恋の相手は自分を頼ってくれない。悲しさと同時に怒りも込み上げ、強い口調になってしまった。
「離縁と言いました。私たちの結婚は契約だったし、秘密がバレてしまった以上この関係を続けるメリットはもうないです。」
エリアスはさらりと言い放つが、その表情はどこか寂しげだった。
アンドレは拳を握りしめる。
「ふざけるな。」
エリアスの目が驚きに見開かれる。
「お前、そんなに簡単に『夫婦』を終わらせようとするのか?」
「……だって、もう意味がないですから。」
「意味ならある!」
アンドレの声が、エリアスの心を震わせた。
「私たちはたしかに契約で結ばれた。でも、それだけじゃなかったはずです。」
「……っ。」
エリアスは言葉を失う。
「あなたが男だったからって何ですか? それがなんだって言うんですか?それに私だって……。」
そうアンドレが自分の秘密を言おうとしたが飲み込んだ。
アンドレも自分の秘密を打ち明けようとしたが止まった。
(私は女だ。あなたが男として生きたいのなら、私は夢だって諦めて女になってやる。それでも、女だと伝えてエリアスの重荷になるのは嫌だ)
アンドレはまっすぐエリアスを見据える。
「私は、あなたがエリアスであろうとエイラであろうと、あなた自身を受け入れます。」
「……でも、それじゃ世間は──。」
「社交界が、貴族が、王族が、何をどう思おうと関係ない。私はあなたのことを心から愛しているのだから。」
アンドレの迷いのない言葉に、エリアスは思わず息を呑む。
「離縁なんてしない。あなたが何者であろうと、私の妻──いや、私の『夫』として、そばにいてくれ。」
エリアスの目が大きく揺れる。
「……私を、受け入れるのですか?」
「当たり前です。」
アンドレは少しだけ口元を緩めた。
「こんなにも可愛らしい『夫』を手放す気はない。」
エリアスの唇がわずかに震える。
嬉しいただそんな感情だけがある。
そして、静かに──ふっと笑った。
「……あなたって、本当に馬鹿ですね。」
「よく言われます。」
エリアスは俯き、そっと呟く。
「……ありがとう。」
その声は、小さく、震えていた。
アンドレはそれを聞きながら、エリアスの手をしっかりと握り締めた。




