真実の告白
「アンドレ様……話があります。」
エリアスが静かにそう切り出したのは、倒れてから二日後のことだった。
体調はまだ完全ではないが、エリアスは意を決したような顔をしていた。
アンドレは彼をじっと見つめる。
「……なんですか?」
エリアスはそっと息を吸い、微笑みながら言った。
「私、本当は男なんです。」
一瞬、時間が止まったような気がした。
アンドレはエリアスの言葉を飲み込めず、思わずまばたきをした。
「……え?」
「だから、私は『エイラ』じゃない。本当の名はエリアス・オーケンです。」
淡々と語るエイラ──いや、エリアスの表情には、どこか諦めにも似た静けさがあった。
アンドレは混乱しながらも、何かを言おうとして口を開くが──言葉が出てこない。
「……ずっと隠していたのですか?体型は……?」
ようやく絞り出した声は、どこか震えていた。
エリアスは目を伏せ、小さく頷く。
「幼い頃から、家のために姉の代わりを務めてきました。それが当然で当たり前だったし、私自身もそれが最善だと思っています。でも……今はもう、続けられない……。」
「……そうですか。」
アンドレは深く息を吐き、顔を上げる。
「まさか、あの薬は!?」
アンドレは薬のことを思い出した。薬はアンドレが預かっている。
そのため、エリアスは二日間は薬を飲んでいないはずだ。
今日はいつもより顔色が良いように見える。
「あの薬は、成長を遅らせる薬です。幼い頃の骨格にすることで、男としての骨格を隠すことができます。」
その言葉を聞くアンドレは拳を握る手が不安定で、指先がわずかに震えている。
「そんな哀しそうな顔をしないでください。」
エリアスは子供をあやすようにアンドレを抱き寄せた。
自分がエリアスの辛さに気がつくことができなかった悔しさと哀しみが込み上げてきた。
その他にもに「納得した」自分がいた。




