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契約結婚と仮面舞踏会  作者: 槙月まき
契約結婚の提案

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12/91

108本の赤いバラ②

 月の光が徐々に静まるとともに舞踏会もゆっくりと幕を閉じ、朝が静かに訪れようとしていた。


 花々は朝の光を受けてさらに開き、小鳥たちがさえずり、葉は光を浴びて色を深める頃。


 一台の馬車が静かに門の前で止まった。


 豪華だが過剰な装飾のないその馬車から降りてきたのは、珍しく軍服ではなくディレクターズスーツを身に纏った一人の青年だった。


 その光景を見た全ての人が驚く。


 彼が手にしていたのは108本の赤のバラの花束だった。


 誰が見てもプロポーズをしに来た男性だ。


 彼は、従者が渡す箱を受け取り、歩く。玄関の扉が開かれると、執事が驚いたように彼を迎えた。


「エイラ様はすでにお目覚めでしょうか。」


 強さと威厳を兼ね備えた低い声に、執事は軽く咳払いをして答える。


「はい、ただいま温室でお茶をたしなんでおります。」


「それならば、ぜひお目通りを。」


 執事の案内で彼が通された温室ではエリアス──エイラが茶会の準備をして待っていた。


「あなたがこんなにも早く訪ねてくるとは思いませんでした。」


 アンドレは静かに微笑むと、手にしていた箱をそっと開いた。


「どうしても、貴女に直接伝えたかったのです。」


 彼が箱を開くと、中には美しく磨かれた指輪収められていた。太陽の光に照らされ、指輪の石が優しく輝く。


「私、アンドレ・フォルモーネはエイラ・オーケン伯爵令嬢を心から敬愛し、秘密とともに歩む未来を望んでいます。」


 彼は椅子を立ち、静かに跪く。


「どうか、私の妻になってはいただけませんか?」


「私もアンドレ・フォルモーネ公爵子息様を心からお慕いしております。

 これから秘密とともにあなたと人生を歩むことができるなら、心より嬉しく思います。どうか私をあなたの妻として迎えてください。」


 メイドや執事は絵になるような二人のプロポーズを眺めていた。


 そんな光景を二人が見ると、そそくさと持ち場に戻っていった。

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