表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わけあり仮面騎士様の恋愛事情  作者: ぬー
第二章 問題が生まれる関係
40/43

閉ざされた街

いつもなら王都の中は穏やかな時間が流れているはずだった。


だが、今日に限っては例外であった。


空気が張り詰めている。


先程あった襲撃事件のせいで、兵達は対応に追われていた。


兵の足音が、各所に響いていた。


指示が飛び交い、封鎖線が張られ、普段な消してみる事が出来ない”緊急態勢”が街全体を覆っている。


(異常事態だな)


エリオは理解した。


そしてガイを先頭に四人は、現場に向かう。


誰も無駄な言葉を発しない。


それぞれが、理解をしている。


(今回の事件の重要性を)


そして到着したのは、貴族街の一番奥にあるひときわ大きな屋敷であった。


門は壊されている。


だがーー


(雑な壊し方ではないな...意図的に見せるために行った感じがする)


何故そんな事をするのか、まだ今は分からない。


一つ一つの情報を拾い集めていく。


庭は荒れているが無秩序ではなく、導線があった。


侵入者の動きが、読める。


屋敷に入り、入口から更に奥に進むと、ロビーだろうか、大きなソファーと暖炉のある部屋へとたどり着いた。


そこにはいくつかの血痕の跡。


血の匂い。


だが広がっていない。


「コイツ殺す気はさらさらなかったようだな」


レオンは血痕の後を目で追いながら呟く。


「威嚇か」


ガイが低く言う。


「ああ、みせつけだな」


レオンが頷く。


「これは……何が目的なのでしょうか、計算された犯行に見えますね」


辺りを見回し、カイルが言う。


更に細かく周りを見渡しても、金目の物を盗んだ形跡はない。


ガイがさらに口を開く


「ここまで侵入できるぞっていう、貴族への暗示か――それとも別の意図があるのか」


その時。


「ええ、その通りですよ」


エリオ達が通って来た廊下側から声がする。


振り返ると、そこには一人の男が立っていた。


アルヴァン・デルク


王都に来たばかりの時に挨拶をうけた、この国の大貴族である。


「こんな所で何をしてるのですか?」


アルヴァンは静かに尋ねてきた。


「現場検証だ」


エリオが即答。


重ねてレオンが


「こんな場所にデルク家のお方がいらっしゃるんですか?貴方の様な方が来る場所ではないですよ」


「何故です?そこにいる王族は良くて私は駄目なんですか?」


――何故それを知っている?


カイルが


「お前何者だ!」


ニヤリとアルヴァンは笑みを零す。


「まぁ――そのうち分かりますよ、ではもう少し話してたかったですが、悲しくもお時間になってしまったので私はこれにてお暇させて頂きます」


そう告げた後、視線がエリオへと向く。


そして本当にどこが名残惜しそうに、すぐ目を話した。


理解が一歩遅れた。


アルヴァンの手が、わずかに動く。


“カチ”


同時に、その瞬間。


床、天井、壁。


一気に爆ぜる。


衝撃、煙。


視界が塞がれた。


「――伏せろ!!」


ガイが叫ぶ。


エリオの身体が反射で動く。


(罠だ、誘導された)


全員がそれを理解した。


だが、もう遅い。手遅れだった。


煙に巻かれアルヴァンはもうそこに姿はなかった。


「残念です。もう少し観察したかったのに」


声だけが、はっきり届く。


煙が晴れる。


荒れた室内。


傷はある。


だがだれも致命傷はない。


レオンが舌打ちする。


「……やられたな」


カイルは静かに周囲を見る。


「最初から」


低く。


「私たちをここに集めるための事件だったって事ですよね」


ガイが歯を食いしばる。


「誘われたってことかよ」


エリオは立ったまま。


動かない。


(……確定)


思考が、静かに結論へ至る。


「敵は——」


一拍。


「アルヴァン・デルク」


空気が、完全に変わる。


名前が、意味を持つ。


レオンが笑う。


だが、その目は冷たい。


「とんでもねぇのが黒幕だな」


カイルは小さく息を吐く。


「王都内部にいる理由が、これで説明できます」


ガイが拳を握る。


「……潰す」


短く。


はっきりと。


エリオは仮面の奥で、静かに目を閉じる。


(任務更新)


対象が決まった。


だが同時に——


(危険性も高い)


これはもう、“ただの任務”ではない。


王都の内側。


その深部で——


戦いが始まった。
























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ