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こーえん

ぽかぽか。


 うんぱは、あったかいところがすきだ。


 窓から入る光の中で、うんぱは丸くなっていた。

 となりにも、うんぱ。

 そのとなりにも、うんぱ。


 三匹そろって、すやすやしている。


「……ぷりん……」


 ひとりが寝言を言うと、


「ぷりん……」


「ぷりん……」


 ほかのうんぱもつられる。


 そして、ぱちっと目をあけた。


「ぷりん」


「ぷりんたべる」


「うんぱ、たべる」


 てちてちてち。


 三匹は立ち上がって歩きだす。


 冷蔵庫の前まで来て、ぴたりと止まった。


「……ここ」


「ぷりんある」


「とる」


 とてててて。


 走る。勢いはいい。


 でも――開かない。


「……あかない」


「かたい」


「ぷりん、つよい」


 三匹はしばらく見上げていたけれど、やがてあきらめた。


 ふと、一匹が外を見る。


「……そと」


 光がまぶしい。


「ぽかぽか」


「いく」


「うんぱ、いく」


 なんとなく決まった。


 てちてちてち。


 三匹は外へ出る。



 外は少しひんやりしていたけれど、日なたはあったかい。


「いい」


「すき」


 てちてち歩いていくと、公園に出た。


 ひろい。


 あたたかい。


 しらないものがいっぱいある。


「……すごい」


 うんぱはきょろきょろする。


 となりのうんぱも、きょろきょろする。


 もう一匹も、きょろきょろする。


 全部気になる。


 まず足が向いたのは、砂のあるところだった。


 てちてち。


 足を入れる。


「ふわふわ」


「これ、いい」


 砂をつんつんする。


 すると、なにかが光った。


「……きらきら」


 小さなかけら。


 うんぱはそれを拾う。


「いいね」


「たからもの」


「もってかえる」


 ぎゅっとにぎる。


 なくさないように。


 ほかのうんぱも、同じように探しはじめた。


「これも」


「これもいい」


 小石や、葉っぱや、よくわからないなにか。


 どれも大事そうに持つ。


 しばらくすると、みんな両手いっぱいになった。


「いっぱい」


「すごい」


「うんぱ、つよい」


 なにが強いのかはわからないけど、満足そうだった。



 次に見つけたのは、すべり台だった。


 見上げる。


「たかい」


「のぼる」


「うんぱ、いく」


 とてててて。


 走る。


 のぼる。


 すべるところじゃなくて、横からのぼる。


 つるつるする。


「……すべる」


 ずるっ。


 落ちた。


「いたい」


 でも、もう一回。


「いく」


 とててて。


 今度は少しゆっくり。


 てち、てち、てち。


 なんとか上までたどり着いた。


「ついた」


「すごい」


 下を見る。


「……たかい」


 ちょっとこわい。


 でも。


「うんぱ、さいきょう」


「いける」


「いく」


 三匹並んで、すべる。


 しゅーっ。


「わあああ」


「はやい」


「たのしい」


 どすん。


 転がる。


 でも笑っている。


「かった」


「かった」


 なにに勝ったのかは、やっぱりわからない。



 そのときだった。


 影が動いた。


「……ぽっぽ」


 声が小さくなる。


 そっと振り返る。


 いた。


 ぽっぽさん。


 じっとこっちを見ている。


 足が止まる。


 でも、少しだけ前に出る。


「……うんぱ、さいきょう」


 自分に言い聞かせるみたいに。


「まけない」


「いく」


 三匹はうなずいた。


 そして。


「いく!」


 とててててて。


 まっすぐ突っ込む。


 ぽっぽさんは、少しだけ首をかしげて――


 つん。


「いたい」


 つんつん。


「いたい!やめて!」


 ばさばさっ。


 羽の音が近い。


「こわい!」


「むり!」


「にげる!」


 とててててててて。


 三匹は一斉に逃げ出した。


 後ろから、つつかれる。


「いたい!」


「ごめんなさい!」


「もうしない!」


 涙目で走る。


 とててててて。


 とててててて。


 やっと、ぽっぽさんが追ってこなくなった。



 公園のすみっこで、三匹は止まった。


 はあ、はあ。


「……こわい」


「つつかれた」


「いたい……」


 しばらく動けない。


 でも、だんだん落ち着いてくる。


 ふと、日なたに気づく。


 ぽかぽか。


「……あったかい」


 そのまま、ぺたんと座る。


 となりのうんぱも座る。


 もう一匹も。


 自然と、くっつく。


「ねる……?」


「ねる」


「ねる」


 ころん。


 三匹は丸くなる。


 手の中には、さっきの宝物。


「……たからもの」


「ふえた」


「いいね」


 そのまま、すやすや。



 目が覚めたとき、空は少しだけ暗くなっていた。


「……かえる」


「うんぱ、かえる」


「たからもの、もってかえる」


 てちてちてち。


 三匹は歩きだす。


 途中で、少しだけ後ろを見た。


 ぽっぽさんはいない。


「……いない」


「よかった」


 ちょっと安心して、また歩く。



 おうちに帰ると、三匹はまっすぐ奥へ向かう。


 こそこそ。


 見つからないように。


 そして、ある場所を開ける。


 中には、いろんなものが入っていた。


 石。葉っぱ。きらきら。


 全部、うんぱの宝物。


「いれる」


「ふえた」


「すごい」


 今日拾ったものも、そこに入れる。


 大事そうに。


 満足そうに。



 そのあと、三匹はこたつにもぐりこんだ。


 ぬくぬく。


「……いい」


「すき」


 目がとろんとする。


「つぎは……」


「ぷりん……」


「たべる……」


 小さな声が、だんだん消えていく。


 すやすや。


 夢の中で、うんぱはきっと――


 ぽっぽさんに勝って、ぷりんを食べている。

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